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コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ーのLifewithmoviesのレビュー・感想・評価

3.7
第72回(2022)ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品。女性の中絶の権利をテーマに、1960年代米国に実在した団体「ジェーン」を元に描いたドラマ。
米国では、右翼系が強くなり、世界と逆進する中絶を禁止する法案が議論され、時代に逆行される中で、製作されたことの意味。テーマとしては、フランス映画『あのこと』、同じくベルリン国際映画祭(こちらは、銀熊賞(審査員グランプリ)受賞)した『17歳の瞳に映る世界』、昨年の第37回東京国際映画祭で、アスリートと女性の妊娠をテーマにした『パワーアレイ』など、近年、取り上げられ、評価される作品が多い。他の作品と少し異なるのは、妊娠する女性本人の視点もありますが、支援者の視点が描かれることでしょうか。
他国では、いまだに認められない国が多いことは、世界を知る上で大切な映画である一方で、国内の問題も映画で再確認して欲しい。例えば、『海辺の彼女たち』藤元明緒監督作品など。また、日本がジェンダーギャップ指数世界125位で、高齢男性ばかりの恥ずかしい政治世界となっているので、いつ何時、女性の権利を制限することを言い出しかねないので、急ぎ、ジェンダーギャップを改善する必要がありそうだ。
余談ですが、ベルリン国際映画祭出品の海外作品がシネコンで上映されていて、少し変化を感じるというか、実写日本映画の苦戦やディズニーに見放されたシネコンのプログラマの苦戦具合を感じる。
2024年3月30日@MOVIX京都
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