鎌谷ミキ

ケイコ 目を澄ませての鎌谷ミキのレビュー・感想・評価

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)
4.1
【攻撃かわしながらのミット打ちが完璧すぎる】

[あらすじ]公式サイトより
嘘がつけず愛想笑いが苦手なケイコ(岸井ゆきの)は、生まれつきの聴覚障害で、両耳とも聞こえない。 再開発が進む下町の一角にある小さなボクシングジムで日々鍛錬を重ねる彼女は、プロボクサーとしてリングに立ち続ける。 母(中島ひろ子)からは「いつまで続けるつもりなの?」と心配され、言葉にできない想いが心の中に溜まっていく。

[レビュー]
最新作、何が配信なってるのか整理できない💦
とりあえず課金せずに観れるのを見ようと選んでみました。本作はプロボクサー小笠原恵子の自伝『負けないで!』が原案。

何度目?私はボクシングは苦手です。なのに気づいたら『百円の恋』『あゝ荒野』前後編『BLUE』まで観てました。そろそろ苦手って書くのやめようか…人間ドラマがあるのが好きなので、スポ根モノっぽいのは選んでないつもりです。本作もやっぱりそうでした。

聴覚障害の現実みたいなもの(エンドに珍しくフィクションって書いてある)が見えたりしますね。手話ができるのは身内ぐらいで、ボクシングスタッフは誰も習得しようとはしてない。口の動きでケイコに伝えてるだけ。試合なんて全く聞こえないのに、遠くから声の指示出しても伝わらないやん💦ホテル清掃の同僚だけ手話してたね(こんな所に同業者😆)

本作はどこかドキュメンタリー見てるような感覚、演者の自然体な演技を味わう感じの作品。なので、今まで見たボクシング映画の中では地味ですがさり気ない表情とかがよかったりします。あと、試合全体を見せる気がない…

音が特徴的ですね。目を澄ませてならぬ、耳をすませて。こんなに雑音と共に生活してるんかと気づかされるぐらい意図的にうるさいです。そして、すべてケイコに聞こえていないという無力感…

岸井ゆきのちゃん、こんなどっしりとした演技をされるようになったんやね。試合も迫力あったけれど、ミット打ち。息が合わないと数分もできないと思うから、かなり練習したと思う。あれは素晴らしかった。本作は練習過程と、心の動きを辿る作品なんじゃないかな、試合うんぬんより。

ということで、見どころは岸井ゆきのちゃんのひたむきさです。ボクシングを通してね。なかなかの良作ではないでしょうか。会長の三浦友和さんも自然体でよかった。目を澄ませてみて。

[余談]
まさか『マッシブタレント』が先月9日からレンタルしてるなんて…聞いてないよ〜
『RRR』は今日からでしょ?課金レンタル豊作やなー。
鎌谷ミキ

鎌谷ミキ