緩やかさ

TAR/ターの緩やかさのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
4.0
長尺も気にならないほど、特に前半はリディア・ターの人物像に惹き込まれた。
この先どういう展開になるか期待したけど、終盤は失速した印象。

主人公視点で焦燥し錯乱し狂気に入っていくというのはこれまで何度も観たパターンで、せっかくターという類稀なキャラクターを造形できたのにお話の帰結としてはスケール感に乏しくもったいないと思った。

ターの落ちていく様は特にオルガへの恋心以降が顕著で、これもまた愚かさについての映画だった。

とはいえ、緊張感を保つ斬新な演出と細かい作りこみがあり、かなり楽しめた。
トッド・フィールド監督、寡作すぎるのでほかの作品も気になる。
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