Qちゃん

アメリカン・ホラー・ストーリーのQちゃんのレビュー・感想・評価

3.8
ぐあああ。。。

そんなに信仰について触れられてないのに、なんてdevilish「悪魔的」って言葉が似合う作品なんだ。。

死霊館シリーズとかの直球キリスト教的悪魔を描いたオカルトはいかにも作り物だし、信仰深い人には怖いかもしれないが個人的にはコケ脅しにビビるくらいしか怖さがなかったが、これは。。

人間の持つ悪魔性が、これでもかというほどに積み上げられ描かれている。それは悪意や残酷さに限らず、不安、不信、悲しみや怒りと言った負の感情全て、精神と肉体の脆弱さ、良心や道徳を曇らせる執着や欲、そして憎悪。

スラッシャー的なグロさや虫のような不衛生さからくるエグさ、興味本位の悪趣味なB級映画的アプローチはほとんどなく、ジャンプスケアもほぼない中、ただただ人の堕ちうる心の闇の深さに黙する。

災いを起こすのも、災い自身も人間。

そしてこの家では、死ですらそれを洗い流すことができない。

悪夢の螺旋階段が、どこまでも、どこまでも続いていく。次から次へと悲劇と惨劇を呼び込み、死体を積み上げていく。

イヤミスをひたすら観続けてるような、居心地の悪い、「あーまずいの見始めちゃったなー、嫌な気持ちと緊張を抱き続けたままこれ観続けるんだろーなー。。」という焦りに似た感覚だった。

ただ、6話「都市伝説」以降は、タイトル通りの都市伝説やブラックダリア事件といった、有名ないろんなタイプの怖いネタを単発で織り交ぜてて、よりドラマが作為的な印象に変わってきて、そこまで無駄に見入ることはなくなった。この辺りから主軸ストーリーも完全に「地縛幽霊もの」って感じになってきて、怖さが減少。

あとここまで幽霊が過干渉だと思ってなかったから驚いた。ラバーマンに正体があることにビックリしたし、お前かいとこれまたビックリですよ。霊媒師とかは微妙だったな。。

ここで終わると思ったオチから2話続いて、柔らかい印象で終わるという意外さ。まさかの後味そんな悪くない。なんなら今シーズンの中でみんな1番穏やか。。って、あの状態が救いになるような人生ヤだけどね!!

時々カメラワークが独特で、わざと緊迫するシーンなどで不自然なカメラワークをするのが特徴的だし面白い。
Qちゃん

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