空

次の被害者の空のレビュー・感想・評価

次の被害者(2020年製作のドラマ)
4.0
主人公アスペルガー症候群の鑑識官が、殺人事件の現場で10年間行方不明だった娘の指紋を見つけたことから始まる台湾サスペンス。

これまた面白かった〜!!
雰囲気が『秘密の森』と似ていて、主人公目線で淡々と展開しつつも謎が謎を呼んで次が気になり2日で完走。

『秘密の森』で手術の後遺症で感情を失ったファン・シモク検事が理性だけで事件を解決していったように、
人の感情が理解できない反面、優れた記憶力と洞察力で事件の真相に近づいていくという点と、終盤の感情を伝えられない父親がどうやって愛により娘とその絆を取り戻すかという点で、アスペルガーの設定は活きていたと思う。
しかも俳優さん演技上手すぎ😳

一見無関係な複数の事件が次々と起こるけど構成が巧みで『秘密の森』ほど複雑に感じることはなく、ラスト2話かけてじっくり動機が描かれていること、伏線もしっかり回収してくれるので、サスペンスとしての完成度はこちらの方が高いと感じた。
ラスト2話は「生と死」という壮大なテーマに辿り着く人間ドラマで、胸にズシンとくる余韻。
この終盤の人間ドラマになってからの、登場人物の内面を反映しているかのような映像、音楽、構図も素晴らしかった。


台湾サスペンス2作目だけど、どちらも謎解き要素に加え、様々な立場のキャラクター背景が丁寧に描かれていて、
犯人を徹底的に悪と描いてドラマチックな展開で感情移入しやすい韓国と比べると地味に感じるけれど、その分じっくり味わう大人のドラマという印象を受けた。
だんだんわかってきた〜台湾ドラマ✨

毎回クレジットの後に監督や脚本家がこの作品に込めた社会的メッセージや、出演者が演じたキャラクターの解釈等インタビューが収録されてて、本編映像を挟みながらの編集も秀逸だった。
あと脚本家が20代、監督も制作チームがみんな若くてびっくり。


中国語オリジナルドラマとしてはNetflix初となるシーズン2の制作も決定しているようで、検察官役でディーン・フジオカが出演するらしい。ディーン様のオール中国語演技見てみたい。
韓国では映画化も決まっているようで、これも楽しみすぎる😆
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