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麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~のmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

4.0
化粧品販売員の女性が、とあるきっかけでなぜか高麗時代にタイムスリップし、宮廷で麗しい皇子達と出会い、やがて権力争いに巻き込まれていくという、史実をベースにしたドラマです。

900年代の高麗時代が舞台ですが、皇位継承を巡る争いは、李氏朝鮮時代などの他の時代と同じで過酷です。
コハジンがタイムスリップして高麗時代のヘスという少女の中に入りますが、意識は現代人なので、前半は現代女性の感覚のまま高麗時代を生きるギャップが面白いのと、皇子達とヘスがわちゃわちゃしながら仲良くなっていくのも可愛らしく楽しい雰囲気で見れます。

ところが、皇帝の後継を決めていく頃になると、皇子同士がライバルになり、仲が良かった皇子達にも亀裂が入っていき、多くの血も流れていくので、後半になればなるほどIUちゃんの笑顔がどんどん消えていくのが辛かったです。

史実では、冷徹で身内を次々に静粛していった暴君として語られる4代目の皇帝光宗ですが、そうならざるを得なかった深い孤独が丁寧にドラマチックに綴られています。
母親からの愛を渇望するも手に入れられない哀しみ、そしてヘスを心から愛していたのに、権力に飲み込まれ、恐れ、疑心暗鬼になり、より強い力で支配して自分に引きつけようとすればする程、大切な人が離れていくという圧倒的な孤独が描かれていました。

イジュンギがミステリアスな雰囲気を醸し出していて、同じくヘスを愛したウクとは対照的に、大胆でグイグイとヘスに向かっていくから、はじめはウク様圧勝と思っていても、ソ様にもキュンキュンさせられ、優等生なウクが踏み出せずにもどかしいところを、ソは物怖じせずに飛び込み、ヘスを何が何でも守るという強さにヘスと同じ気持ちでこっちも揺れ動くってもんです。
時々モラハラ男かよ!って思うような言動がありつつも、ヘスを深く愛し続けた一途さや、孤独を纏う目つき、表情が抜群に上手くてさすがでした。

ウクを演じたカンハヌルがまた最高なんですよ。
この人ってこんなに色気があるのかと、ほんとに麗しくて見惚れました。
落ち着いて穏やかで知的で、ヘスにどうしようもなく惹かれてしまう感じがたまりませんでした。
それだけに、もどかしい!
アンタ、そこ!しっかりせえよ!
とか思って、大事な局面での選択で迷った末にダークサイドに堕ちたりするのもイラつきますけど、とても人間くさい弱さもあって、そこがリアルでした。

ベッキョンやナムジュヒョクやジスの可愛らしさも華がありますし、目を楽しませてくれました。

身分を超えた愛、皇子(世子)と女官の恋、権力者の孤独と狂気などは「赤い袖先」と共通するところも多かったです。

そうだ、IUちゃんの友達と浮気するクソ彼氏役で今をときめくピョンウソク出ててビックリ!
めちゃくちゃ浮かれました。
本作ではほんとにチョイ役でしたが、「力の強い女カンナムスン」でもサイコパス役がめちゃくちゃ良かったですし、今では「ソンジェ背負って走れ」で主役を演じて大当たりですもの、こんな時代もあったのか…としみじみしちゃいました。
これからの活躍がほんとに楽しみです。

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