む

ワンダヴィジョンのむのレビュー・感想・評価

ワンダヴィジョン(2021年製作のドラマ)
4.9
ワンダの現実改変能力を、テレビの三原色と結びつけたのはキマってた。ワンダの思い出であったシットコムと結びつけて、テレビを使ってのミステリー演出は、フェーズ4幕開けにピッタリで、今後の作品も期待させてくれた。


シットコムで巧みに表現されていたのが、ワンダの悲しみや孤独だった。
シットコムの観客風の声(笑い声、拍手など)や、オチでキレイサッパリ元通りといった幸せな雰囲気に対して、ワンダの愛する人を失う苦痛や悲しみが、観ているコチラの心にグサリと刺さる。全話観終わってから1話をもう一度観ると、尚辛さを感じてしまう。
僕も同じ力があって、同じ境遇になれば、同じ事をするだろうなぁ…


ヴィジョンに出会うまで冷え切っていたワンダの心は、ヴィジョンによって雪解けし、ヴィジョンとの別れでまた冷え切ってしまっていたけれど、ドラマのラストはまた冷え切ってしまうわけではなく、決意という言葉が正しいのかもしれない。
ワンダの中で1つ折り合いをつけれた事を願うばかり。

という感じで、今作はワンダの心情に蹴りをつける様な作品だったと感じた。今までのMCU映画を期待して、バトル要素や早いテンポでの展開を期待してしまうと期待外れになってしまうと思う。

けれど、ドラマだからこそできる作品だったと思うし、今後のMARVELのドラマも期待してもイイと思えた。


スカーレット・ウィッチと成ったワンダと、真っ白なヴィジョンの今後がどう描かれるのか楽しみです。
む