む

ミズ・マーベルのむのレビュー・感想・評価

ミズ・マーベル(2022年製作のドラマ)
3.9
全登場人物が愛せる!
誰も憎むことなく終わってよかった。カムランが闇堕ちしたままラストを迎えて、シーズン2とかに持ち越しかと思いきや、しっかりと救い上げてくれた。

スパイダーマン同様にポップな作風になっていて、若いヒーロー達のイケイケな感じ嫌いじゃないし、寧ろ軽やかで好き。
大人達みたいに無駄なもの背負ってなくて、純粋で、試行錯誤と創意工夫で乗り切る感じも安心して観れる。


そんな中でも、今作は思春期と自身のルーツを巧みに組み合わせていて、実は繊細で奥深い作品だったように思う。
パキスタンの歴史は全く知らなかったけど、植民地や移民などの根深い過去が今も尚暗い影を落としていることを知った。

カマラも、アメリカ国民として振る舞うことを自身のルーツを気にして迷う年頃。さらには、心が宙ぶらりんになっているところにジンとかぶっ込まれたら、尚更混乱するよね。

「辛い?」って聞くカマラは多分、母国の味を愛せない自分は一体何者なんだろうと、不安だったんだろうなぁ。
焚き火を囲んで食べてたご飯が美味しくてよかった。自分のルーツに翻弄されて、6話まで地に足つけずに宙ぶらりんになりながら踠くカマラを大好きになった。


とはいえ、面白いと思っていたMCUドラマと言えど、どうしても飽きてきたり、疲れてきちゃって、観終わるまでだいぶかかってしまった…。
中々ご都合展開なのも相まって、カマラ大好きでも面白さは半減だったのが残念。
む