きまぐれ熊

ロキ シーズン1のきまぐれ熊のレビュー・感想・評価

ロキ シーズン1(2021年製作のドラマ)
4.2
ロキがタイムパトロール的な組織に所属して強制労働させられる話だと予想して見たけど、破壊魔貞光だこれ。

スパイダーバースのようにただ現象としていっぱい平行世界が出るよーって話じゃなくて、時空警察TVAがやってる事はどういう事なのかや、取り締まり対象である変異体とはどんな存在なのかって所にフォーカスしていく話なので思考実験的な遊びを突き詰めて見せていくハードSF。
かつこれまで先見せに留まってた、これからのマルチバース展開について“仕様”を説明しつつトリガーを引く形になってる。
そりゃここだけで終わる話じゃないよなぁ。畳まれかけてた風呂敷を一切畳まずに終わるけど、めちゃくちゃ面白い。
what if への繋がりも非常にスムーズだし、よう出来てますなぁMCU。

ラストシーン直前、最終話のロキの打ちひしがれた表情が印象的。
やはりかわいそうな顔が似合うな、ロキ
そして、そこからの決意の顔つきがこれまでに一度も見せたことのなかったヒーローとしての顔を覗かせている。こういう所できっちり決めてくるのがMCUの強みだよな
そして何と言ってもトム・ヒドルストンの演技の素晴らしさよ
これからの展開、期待できるであろう事を確信させる終わり方だわ

ナルシストでいたずら大好きな自己中であるアイディンティティを無かったことにしないままヒーローとして誕生させる筋書きも悪くない
相棒やロマンスの相手も納得感のある設定で、今後の展開が非常に楽しみ
ここまで真っ直ぐ主人公すると思ってなかったし、別世界のロキの登場と絡ませ方も見事というほかない

人間界にいればあらゆる面で悪でしかないロキが、知らず知らずのうちに王道主人公へ成長し、そして急転直下の最終話。MCUは毎回、ヒーローが活躍する為の適切に分断された「場」のセッティングの仕方がズバ抜けてうまいわ
もうあいつ1人でいいんじゃないかな?がどこまで行っても出てこないのよね
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