つめけん

仮面ライダーアギトのつめけんのレビュー・感想・評価

仮面ライダーアギト(2001年製作のドラマ)
4.5
「それでも生きていくしかない。終わりが来るまでは」

ウェルメイドな作品。
ライダーも怪人もかっこいい。
仮面ライダーにしては珍しく、最初から最後までずっと面白い。

前後年をクウガと龍騎っていう濃すぎる作品に挟まれて影薄いけど、誇張抜きにマジで面白いし、大好きな作品。そして事実として、平成ライダーの礎を作ったのは間違いなくアギトであると敢えて言い切ろう。そういう意味で意義深い作品でもある。

バーニングフォーム大好き。全ライダー中1番好き。それまで散々苦戦してたカマキリを文字通りワンパンするとこ好きすぎる。僕はすべての必殺技の中で「重いパンチ」が一番カッコいいと本気で思ってるから最高のシーンだった。

全ライダーの中でギルスが1番カッコいいと思う。葦原さんの生き方はまさしく孤高の仮面ライダー。真のハードボイルド。たくましすぎる。本当に可哀想な境遇にあるんだけど本人が「俺は自分を憐れんだりしたくない」なんて言うし、生き様でもそれを示してくるもんだから、可哀想よりカッコいいが勝つ。

唯一の小林靖子執筆回、ギルスと少年の爽やかで深いエピソードの28話と、正体バレやバーニングフォームへの進化をはじめ物語が大きく動く34話が好き。弁当をかっ喰らう主人公のバックでカッコいい挿入歌が流れ出すシーン、マジで好き。

設定が壮大。まさに神話。要は「人類の進化を神様が快く思ってない」って話なんだけど、この途方もないスケールの話を作劇上は壮大に語らない感じがオシャレ。

でもそんな設定よりも、ナチュラル煽りカス仙人こと翔一くんや、やたら気合の入った普通の人間氷川さん、真の意味で強い女の小沢さんなどなど、井上脚本作品の例に漏れずアクの強いキャラクターが織りなすアンサンブルが今作の真の魅力。


ネットでよく言われてる、ラスト5話いる?って意見はちょっとわかる。
面白くないわけじゃないし、ないと物語の決着がつかないけど、蠍座がどうとかアンノウンを守ろうってのは流石に無理がある流れだし、確かに蛇足感はある。
井上脚本作品なんで、終盤の展開がアレなのはもう諦めるしかないかなとさえ思う。

とは言え、平成一期作品には珍しく、凄くハッピーな着地を見せてくれる終わり方は好き。


警察が壊滅的に無能。クウガの警察が超有能だったことの落差もあって、かなり不快だった。
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