Qちゃん

ボルジア家 愛と欲望の教皇一族 ファースト・シーズンのQちゃんのレビュー・感想・評価

4.8
これねー!!まさかアマプラで無料であるとは!!ずっと観たかったんだよ!!ボルジアのドラマ、何が凄いってアメリカ版と伊仏独チェコ合作版が全く同じ2011年に同じく3シーズンで大々ドラマ化しちゃった事ですね。これ絶対どっちかの企画書漏れだよ。おかげで当時はどっちがどっちか混乱したわー。。こちらはアメリカ版。

んで本編。なんでこんなフィルマークスコアが低めなのか分からん。確かに政治謀略劇なので、目に見えるアクションやら大きな動きは、特にロドリーゴ即位直前から仏王のナポリ王戴冠とジョバンニボルジア誕生までを描いた本シーズンではそんな無いんだが、教皇庁の腐敗やボルジア家の問題と同時に先見性、当時のイタリア半島諸国家の様子などがかなり克明にリアルに垣間見られる、相当豪華な凄いドラマだと思う。

1話目から豪華!直前に映画の「エリザベス ゴールデンエイジ」観てたが、そっちの方が時代が後のはずなのに、こっちの方が圧倒的に美術が美しい。あっちも結構美術頑張ってるはずなんだが、セットも徹底してて没入感も半端ない。まあ、そもそもイタリアが美しいってのもありますが。

ジェレミーアイアンズのロドリーゴボルジア、意外なほどの似合いっぷりに驚く。ジェレミーって一見清廉な雰囲気まとってるからザ・色惚け悪漢狸親父の役なんかどうなんだろと思ってたが、教皇位を狙うどす黒い野心全開のパワフルで狡猾な悪徳枢機卿に仕上がってた。チェーザレに「神はお赦しになるが、私は失敗は許さない」と詰め寄るギラギラした目、こんなのは「ミザリー」のキャシーベイツ以来です。エロ親父感は全開でなく控えられててムッツリめ。笑 そんで滑舌悪すぎて英語聞き取りづらいったら。

はじめチェーザレはこんな頼りない猿顔でなく、知的で落ち着きがあってもう少し麗しいラテン美男にして欲しかったと思ったが、似合ってるわ。少女漫画的理想像でなく、若き日のリアリティあるボルジア像に。

しっかし子供たちと教皇似てなさすぎて噴く。各々役に似合ってはいるが、バッラバラ。一つのスペイン人家族の感じが全然しない。スペイン人ぽさあるの、ラテン系の見た目のチェーザレ役だけ。役者間のバランスとかないのな。あえてかな。

このガチャガチャした見た目のヘンテコ家族が意外と強く家族愛で結ばれてるように見えたり、実はそれすらもロドリーゴが上手く駒として活かすためという感じもあり、チェーザレも父のその姑息さを分かっていつつの微妙な愛憎が見え隠れしてるのがいい。キャラに深みがある。てか、チェーザレよりロドリーゴが主役に見える。さすがジェレミー様。

イケメンでアホの子のイメージが強かったホアンも、本作ではそれだけじゃなく意外とボルジアしてて、チェーザレともある意味ボルジア家の兄弟らしさが見えるシーンもあり、面白い。この後の史実展開、ちょっと考えづらいくらい。

ジュリアとルクレツィアの役者さん美しすぎる!似合いすぎ。特にルクレツィアは、世間の批判で風刺的に描かれる稀代の悪女ではなく年相応の、純粋無垢だが頭の切れる聡いお嬢さんで私のイメージ通り。

スフォルツァが唯一最もイメージからかけ離れてたかな。。超DV、ルクレツィアかわいそ。涙 ローヴェレが史実より清く描かれているが故に、本作内での立場がやや不憫。ミケロット、超強いが、ヤバそうにみせて結構ヘマこきまくってるのが気になる。。フランス王の描かれ方面白かった。好機に漬け込むただの野蛮な侵略者かと思いきや、英国との長年の戦争で嫌と言うほど戦を知った強者、しかしコンプレックスと悩みは多く、ユーモアもあって、中々複雑で憎めない好キャラだった。

ボルジア家の、というよりロドリーゴボルジアの血と欲に塗れた轍だけでなく、当然だが時代が時代だけに、サヴォナローラやらマキャヴェッリやらメディチやらダヴィンチやら、出てきたり言及される著名人の半端ない豪華さも楽しめる。
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