mimitakoyaki

いつかの君にのmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

いつかの君に(2023年製作のドラマ)
3.9
配信が始まるのを心待ちにしてました!
そのためにオリジナルである台湾ドラマ「時をかける愛」も事前に見て万全で臨みました。

やはりリメイクとなるとオリジナルと比較してしまうんですよね。
なので、オリジナルの台湾版との違いを中心に書こうと思います。

オリジナルがそこそこの出来だったら、そんなに気にしなくて済むのかもしれませんが、「時をかける愛」はキャスト、脚本、演出、音楽、撮影などほんとに素晴らしくて、わたしにとっての神ドラマでありますので、めちゃくちゃハードルが高くなってしまいます。
で、韓国版の本作は、台湾のオリジナル版よりも話数が少なく短いので、コンパクトになって見やすい分、台湾版で印象的だった毎年の誕生祝いなど、2人がどれだけ愛し合い幸せだったかや、狂おしいまでの恋しさを感じさせる描写も割愛されてて、少し物足りなく感じました。

ストーリーは時空を超えた愛を描いていて、愛する人にもう一度会いたい、悲しい運命を変えたいと、出口のないメビウスの輪の中で、過去と現在を行き来するという話なんです。
これは台湾版を見た時に、めちゃくちゃ感動したんですけど、正直頭がこんがらがって、時系列とかよく分からんところも多々あり、気になって仕方ないので2周目行きまして、やっと理解できてきたというところなので、初見の人はちょっとわかりにくいかも知れません。
でも、韓国版は短い分、セリフで説明してくれるところもあり、そこはわかりやすく作られてると思いました。

とにかく1998年の高校生時代が台湾版でも青春の煌めきが最高だったのですが、韓国版はエピソードの密度が薄めでちょっともったいない気がしました。
それに、1998年という時代が、台湾ではノスタルジックでそれもすごく良かったのですが、韓国版では時代性はそこまで強調されてなかったように感じました。

台湾版では何が面白いのかさっぱり分からなかった麺ジョークが、本作では非常にわかりやすい親父ギャグに変えられてたり(でもこれ、重要な伏線にはなってなかったんじゃ?)、重要なシーンでのラーメンがジャージャー麺になってるところなど、韓国らしくなっていました。
あと、サスペンス部分でのキーになる役が、台湾版を見た人へのサービスなのか変えられていました。

ロケ地では、「アンナラスマナラ」や「偶然見つけたハル」でも出てきた延世大学が、ノクサン高校として出てきましたね。
やっぱりあの建物は絵になりますものね。
あと「二十五、二十一」「梨泰院クラス」や「ゴールデンスプーン」にも出てきた桜の木とトンネルのあるバス停が出てきて、とても美しかったです。

キャストも良かったです!
アンヒョソプがやっぱりかっこいいんです。
キムサブ2と3からの流れか知りませんが、今回も謎に風呂上がりの裸を見せて肉体美アピールも欠かしませんし、とても良いのですが、台湾版のグレッグ・ハンのリーズーウェイが最強、無敵すぎて…。
この物語にあのリーズーウェイが本当に必要で、これ以上ないキャラだったので、オリジナル版が強すぎて敵わないという感じでした。
ちょっと不満を言うとすると、大人のリーズーウェイが眼鏡が似合っててめちゃくちゃ素敵だったのに対して、本作でのアンヒョソプのロン毛はなんとかならんかったんですかね💦
時の流れを感じさせるなら、もっと違ったスタイルもあったやろうに…。

台湾版のアリス・クーもほんとに素晴らしかったですが、本作のチョンヨビンもさすがでした。
陰キャと陽キャの高校生演じ分け、特に最終回の演技にはほんとに魅せられました。
台湾版では男の子の方がコンバースを履いてましたが、こちらではチョンヨビン演じる女の子がコンバース履いてて、どの色もすごく可愛かったです。
もともと大人っぽい雰囲気のある役者さんですが、高校生役もちゃんとできるのがすごいです。

あと、カンフンは、台湾版のジュンジェ役とすごく雰囲気を寄せていて、ほんとに違和感なしでした。
台湾版のキャラと似てるのが、カンフンの他にはミンギュの母役のチャンヘジンさん。
登場した時、あー良い配役!と思って笑ってしまいました。

そして、ロウンがカメオで出てくる大サービス有り♡
またこれが、台湾版と全く違った展開で良かったんですよ。
ここのストーリーもっと見せてくれや!となりました。

脇役で言うと、台湾版の昆布とか濃ゆいキャラの人が結構いて、それも好きだったのですが、韓国版では普通の人になってました笑。
ソイェファとチョンヨビンはヴィンツェンツォでも共演してましたね。

台湾版では重要な伏線や細かく光る演出として印象に残った、指輪の形と所在の変化、車のカセットデッキ、大学生時代に初めて渡した誕生日プレゼントや、ロウソク消す時の願い事、幼少期での出会い、よくわからない麺ジョーク(韓国版では寒いダジャレ)が、韓国版では全く重要視されてないのはちょっと残念。
だけど、2023年の作品というところでは、エグめの歯ブラシネタがマイルドになってたし、教師の体罰はないし、セクシャリティを理由にしたイジメがなかったのと、エンディングに関しては、わたしは韓国版の方がすごく好きでした。
台湾版では、後から付け足した「もうひとつの」エンディングで、どうしても女の子の年齢が気になってしまって、ハッピーエンドでも微妙さが残ってしまったのですが、韓国版では、ちゃんと運命を感じさせて、とても美しい終わり方だったのが良かったです(時代設定も最適で、うまく工夫されていたと思います)。

OSTは、韓国も良いのですが、こちらも台湾版があまりに印象が強く、こうして見比べると台湾版がいかにすごいかをあらためて感じました。

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