mimitakoyaki

最悪の悪のmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

最悪の悪(2023年製作のドラマ)
4.3
「キムサブ3」が見たいから、「ムービング」が見たいから、「最悪の悪」が見たいから…と、あと1ヶ月だけ延長しようとかれこれDisney+を3ヶ月はやめられずにいます。

韓国、中国、日本を股にかけた大掛かりな麻薬取引の現場を押さえ、麻薬組織を一網打尽にするために、ヤクザの江南連合に入り込んた潜入捜査官を描いた韓国ノワールです。
チチャンウク感謝祭をひとり開催中につき、普段はたいして興味のないジャンルに手を出して見ましたが、いやー、めちゃくちゃ面白かった!

信頼と裏切りと疑いと…騙し騙されギリギリの中で繰り広げられる心理戦がスリリングで、チンピラとしてヤクザの組に潜入してるのがいつバレるか手に汗握ります。
潜入捜査官のジュンモが、組織のボスであるギチョルの信頼を得るために一線を越えるごとに、自分の中の大切なものを失っていき、追い詰められて狂気を孕んでいくのが鬼気迫り、あのチチャンウクがシバルだのケーセッキだのを柄悪く連発するのも怖い…。

ジュンモの妻ウィジョンが夫のピンチを救うべく、過去につながりのあったギチョルに近づいていってからは面白さが加速し、妻とギチョルの仲を目の当たりにするジュンモの葛藤も胸が痛むし、めちゃくちゃ悪人のギチョルのウィジョンへの思いが純真であるのもまたすごく切なくて、この3人のそれぞれの思惑と葛藤、交錯する愛に、チチャンウク、ウィハジュン、イムセミの素晴らしい演技で、とても感情移入しました。

ほんとに最後まで目が離せず、ジュンモとギチョル、ギチョルとヴィジョンのそれぞれの特別な関係性の描き方や、ジュンモとギチョルの過去なども丁寧に描かれてて、その人物が抱える複雑さがちゃんと伝わってくる立体的な人物描写もとても良かったです。

韓国ノワールらしく血飛沫ほとばしるエゲツナイ暴力にウッとなりながらも、ただのヤクザの話にならずに、深いドラマになっていてとても見応えがありました。

チチャンウクの作品はまだ少ししか見てませんが、ラブコメの主人公を演じるイケメン俳優というイメージを打ち破る、凄みのある演技に痺れました。
妻への思い、ギチョルに対する複雑な思いがひしひしと伝わってきて、ほんとに良かったです。

52
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