あちぴろ

寄生獣 -ザ・グレイ-のあちぴろのレビュー・感想・評価

寄生獣 -ザ・グレイ-(2022年製作のドラマ)
4.5
つい先日、賀来賢人と鈴木亮平が「だれかtoなかい」にゲストで出ているのを観た。
その中で鈴木亮平が「お隣韓国は20年先をいってる」と役者バカと呼ばれる鈴木亮平に言わしめるほど、韓国の作品が優れていると。

その話の通り、本作の出来は素晴らしかった。
日本の大人気漫画「寄生獣」を新たな視点で描いた本作。
監督は「新感染」、「地獄が呼んでいる」などのヨン・サンホ。

結論から言うと素晴らしい。
染谷将太が演じた映画も観たし、原作の漫画も2周くらいは読んだ記憶のある作品。
果たして韓国版はどうなるのか?と思いきや全く違う視点で描きながら、原作へのリスペクトを感じつつ、グイグイと引き込まれる作品に仕上がっている。

VFXの素晴らしさもさることながら(これについては日本の「ゴジラ-1.0」でアカデミー賞を取ったので日本も負けてないと思いたいが、ドラマでこのクオリティは日本は無理だろう)、脚本が素晴らしい。
色んなシーンがきちんと繋がる伏線の回収、原作でもあった様なシーン、役者の技量、どれも素晴らしく、本当に釘付けになるほど見入ってしまった。

【キャスト】
❇️チョン・ソニ(チョン・スイン):オン眉の女の子。寄生される瞬間に瀕死だった為、完全に脳を支配されずに共生することになる。
ハイジとスインをうまく演じ分けているのもとても良かった。だんだん可愛く見えてくるんだよねー、オン眉なのに。
「花様年華」?出てた?
❇️ク・ギョファン(ソル・ガンウ):ヤクザの下っ端で姉が寄生され妹が殺されて巻き込まれた。「D.P.」の印象強め。本作もD.P.の様なクギョファンらしい演技で憎めない。
❇️イ・ジョンファン(チェ・ジュンギョン):寄生生物専門「グレイ」のチーム長。夫が寄生され寄生された人間を殺すことだけ考えてる。「新感染半島」?出てた?
❇️クォン・ヘヒョ(キム・チョルミン):ナミル警察署刑事。スインを救った心優しい刑事。「気象庁の人々」、「D.P.」(チョンへインのおとん)、「ウェディングポッシブル」など多数。最近よく見る。

グロい系が苦手な人は回れ右かもですが、グッと我慢して観てもらいたいほど面白いドラマでした。
短めの6話で終わるので一気見してしまう。
あまりにもあっけない主要キャストの退場。悲しみにくれる間もなく…こんなシーン原作にもあったよね。そこで持ってくるか…とニヤリとさせられる。

ハイジが残した、「よくも悪くもお前は独りではない」
この言葉はグッと刺さる言葉だった。


原作や映画が日本に飛来した寄生獣とするなら、韓国にも当然飛来していたであろう寄生獣を描いていると考えた作品だと勝手に解釈するが、なるほどと納得してしまう。

なぜなら……(後述、ただしネタバレ)











▼▼▼▼▼ここから、ネタバレ▼▼▼▼▼








そう、最終6話に泉新一が出てくるのです。
「寄生獣」でミギーを宿した主人公がまさかの菅田将暉が演じる泉新一で登場!!
これにはほんとにびっくりした。
実際にはTwitterで菅田将暉が出ると言うのをネタバレされてたんだが、まさか泉新一とは…
このあたりだけでもファンにはたまらない設定ではないかしら。
染谷将太ではなく、菅田将暉というところは疑問に思う方もおられるだろうが、こと映画ではなくドラマなのでこのあたりは致し方ない。さらに誤解を恐れずに言えば、役者としてのパワーバランス的な部分も否めないのではと勘繰る。

ぜひとも続編を作ってもらいたい。
一旦は韓国から寄生された人間はいなくなったと言う展開で終わったけれど、ガンウもグレイで勤めることになった訳だし、スインも誘われていたんだし。

もっと観たかったと思える良作でした!!

(2024/3/6)
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