ブルームーン男爵

皇妃エリザベートのブルームーン男爵のレビュー・感想・評価

皇妃エリザベート(2022年製作のドラマ)
4.5
オーストリア帝国の傍系王家の血筋のエリザベートが、宮廷に嫁ぐお話。6話で終わるけど、中途半端な終わり方。第二シーズンはあるのかな?(追伸: 非英語ドラマとしては大ヒットで次シーズンの更新が決定されたそうだ)

歴史的事実を踏まえつつ、かなり脚色されており、ストーリー自体は面白いし、調度品なども豪華で見応えがある。ちなみに、エリザベートのお姉さんより妹のエリザベートが選ばれたくだりは事実だが、本作のように嫁ぐ前提だったわけではなく、あくまでお姉さんもお妃候補の一人に過ぎなかったそう。

ただエリザベート皇妃がいかんせん紀律を守れない野生的なトラブルメーカーにしか見えないのが残念。

なお、本ドラマの登場人物は数奇な運命をたどる。皇帝の弟のマキシミリアンはナポレオン3世の後ろ盾もあり、メキシコ皇帝に即位するが、あえなくメキシコ帝国は崩壊し、彼は捕縛され処刑される。エリザベートはイタリアで暗殺された話は有名だが、エリザベートの皇位継承権者の息子はマイヤーリンク事件で自決している。そのため結果的にフランツ・フェルディナント大公が皇位継承権を得るが、サラエボ事件で暗殺され第一次世界大戦が勃発し、この大戦でオーストリア帝国は敗北し、帝国は解体されるのだ。

エリザベートの嫁いでからオーストリア帝国は激動の時代へと突入する。ここらへんをシリーズでドラマ化してくれたらぜひ観たい。