Rocco

一流シェフのファミリーレストラン シーズン1のRoccoのレビュー・感想・評価

4.2
エミー賞を受賞したのと、先にレビューを書いた『イルマーレ(The Lake House)』でキアヌの弟役だったエボン・モス=バクラックが出ていたので視聴開始。シカゴという街の空気感(とその中で自分が好きだった部分)が凝縮されていて一気にのめり込んだ。

ウィンディ・シティ、街の中心にそびえる高層ビル、中心を縫って走る高架鉄道、金融街と高架下のさびれた感じ、金持ちと貧しい人達の居住区が見事に上下に分かれてるし、毎週銃による殺傷事件がある危険度の高さながら、NYにもLAにもない、街から感じる不思議なエネルギー。その真ん中で、がんばる白人とがんばる黒人が融合してる感じ。

主役と従弟。青い瞳ってほんとうにずるい。悲しみを封じ込めてる。特にエボンのは、マイケル亡き後のハイテンションと愚行を全て正当化してしまうかのようだ。

兄が亡くなり、ダウンタウンの労働者が日参する食堂を引き継ぐことになった高級レストランのシェフが、従弟やスタッフ、亡き兄の信奉者と日々ぶつかり合いながら最後に融合するまでの過程が生き生きと描かれる。文にするとチープなんだけど、この瞬間を共有しているような没入感とスピード感がすごくいい。

ベースに料理を愛する気持ちや亡くなったマイケルへの愛情があるから、各自が派手にぶつかり合いながら、最後には家族のように盤石にまとまるまでがシーズン1。

ドラマにもなった英映画『ボイリングポイント』と類似点は多いけど、こちらはシカゴならではの魅力が凝縮されていて実によかった。エンディングも最高だし、惜しいのは邦題だけ。
Rocco

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