なお

SPY×FAMILY Season1 第1クールのなおのレビュー・感想・評価

SPY×FAMILY Season1 第1クール(2022年製作のアニメ)
4.0
”誰そ彼”

世間のブームに少し乗り遅れてようやくシーズン1完走。
『鬼滅の刃』しかり『呪術廻戦』しかり、シーズンごとに巷でも話題になるようなアニメ作品が出てくるというのはやはり素晴らしいことですね。

✏️ただのスパイには興味ありません
タイトルを読んで字のごとく、近年のアニメでは珍しい印象のある「スパイもの」を取り扱った作品。
また主人公の「黄昏」ことロイド・フォージャーの人物設定も「東側諸国と西側諸国の平和と秩序を守るため暗躍するスパイ」という、悪く言えば手垢がベットリついた設定である。

だがしかし、そんな彼に課せられた「偽りの家族を作り要人を殺害する」というミッションが、この物語にクセになるスパイスと何とも言えぬ魅力を与えてくれている。

✏️”父役”ロイド・フォージャー
超一流で腕利きのスパイであり、頭脳明晰・容姿端麗。
できないことなど何もない…!といった感じの彼だが、今までのスパイ活動でも経験したことのない「家族を作る」というミッション。

”良き父”としての表向きの顔と”自らのミッション達成のため”裏向きの顔を使い分け、「理想の家族」を構築しようと悪戦苦闘する彼の姿は見ていて楽しい。

✏️”母役”ヨル・フォージャー
幼いころに両親を亡くし、以降「殺し屋」として育てられた彼女。
驚異的な身体能力と野性的なセンスで、狙った獲物は必ず仕留める一流の殺し屋。

ひょんなことからロイドと出会った彼女もまた、自らの利のために偽装結婚をすることになる。

殺し屋モードでないときの彼女は実に温厚で優しく、良き母になろうと努力するひとりの女性。
時に母性溢れる行動で、時に暴力的な衝動で、母として家族を守る。

また、中の人が早見沙織さんなのも個人的には高ポイント。
普段は温厚な人物だけど、怒らせるとヤバい、みたいな女性を演じさせたら右に出る者はいないと思う。

✏️”娘役”アーニャ・フォージャー
本作のアイコン的な存在でもある彼女が本当に可愛らしく、第1話の時点で心を奪われてしまった。
「他人の心が読める」という超能力を持つ彼女は、スパイの父と殺し屋の母を両親に持つことになる。

勉強はどちらかというと苦手で、基本的に「アホの子」的なキャラクターであるが、孤児院で育ったアーニャは「家族」という共同体に対しての憧れと執着が人一倍強い。

そんな家族を守るためにはちょっと本気を出すアーニャ。
ロイドとヨルが抱く「利」を唯一知るアーニャは、これまた自分の「利」を守るために心を読み、二人の家族生活をサポート。
時に幼児らしく天真爛漫に、時に大人顔負けの辛辣なコメントで我々視聴者を楽しませてくれる。

☑️まとめ
スパイ・殺し屋・超能力者---。
某ただの人間には興味のない女子高生が見たら泣いて喜びそうな「ごった煮」な設定ではあるが、それを感じさせないテンポの良さとキャラクターの味付け方はクセになるものがある。

既にシーズン2の制作が決定しているようなので、今から楽しみ。
なお

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