アー君

ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風のアー君のレビュー・感想・評価

3.5
イタリアが舞台のギャングスターを目指す主人公であり、ユニークなストーリーではあったが、ただDIOの息子が主人公という強引な設定に些かではあるが、作者もかなり嫌気がさしている印象はある。人気漫画家としての創作活動は運命の奴隷という自虐の意味もあるのではないだろうか。(承太郎が康一君に頼んだジョルノの細胞摂取の話は一体どうなったのだろうか?)

連載時は見ていたけど、後半からコマ割りが粗くなって分かりにくいところもあったが、今回のアニメ化で補完できたので満足度は高い。

途中から組織を裏切る流れとなるが、仲間のフーゴだけが異を唱えて残るあたりは面白く、最後は敵として再会をして欲しかったが、原作者曰くパープル・ヘイズのスタンドが強すぎて収拾がつかず降板をさせたのが主な理由らしい。

第三部のポルナレフの登場には唐突で少し驚いたが、(ミスタの性格が似ている)作者はこのような事をしない性格だと思っていたので、いくらファンサービスとしても異例な部類になる。

アニメ制作においては、かなり漫画には忠実であり製作サイドが仕事として割り切らずに、心の底から原作漫画に思い入れがある人たちのプロ集団であった。

運命と過去による罪悪感に対して漠然ではあるが、荒木なりの不安というのも垣間見る世界観を感じ取った。

[2019年7月28日:MXテレビ]
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