ユーライ

明日ちゃんのセーラー服のユーライのレビュー・感想・評価

明日ちゃんのセーラー服(2022年製作のアニメ)
4.7
今期のCloverWorksがヤバい!その2。少女表象の性的搾取は100%正しくて、物語自体はETVで放送可能なのに、選択されるカットが大体気持ち悪い。その視線のエグみを中和するために監督脚本を女性にし「少女時代へのノスタルジー」で誤魔化すのは妥当な判断だが、それでも気持ち悪いって!女性が作ってるから無罪放免なわけない。オープニングから存在する秋元康的気持ち悪さ。それでも友達が落とし物をした程度が鬱展開になってしまう不気味なくらいの優しい世界は、ロリコンと百合オタの桃源郷か走馬灯としか思えない迫力があるから好きだ。人物作画にばかり目が行くが、実はそれ以上に凄いのが背景だと思う。1カットしか使われない細部が本当に凝っていて、逆に不安になってくる。ベストは七話、サブカル女子がスピッツを下手くそに弾き語りする。一番リアリティが無いのは主人公である明日ちゃんなので、クラスメイトの様子も見たい派としては裏方に回っているくらいでちょうど良かったりする。木崎さんのいちいち湿っぽいアプローチは『裏ピク』の空魚を思い出した。一人だけ本気度が違う。作者がこれまで摂取してきた非実在少女をあの教室に闇鍋でブチ込んでる。
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