ユーライ

白い砂のアクアトープのユーライのレビュー・感想・評価

白い砂のアクアトープ(2021年製作のアニメ)
3.7
やりたい要素を詰め込んだ結果、どれも中途半端で全体が薄味になっている。沖縄を舞台にした、NTかとツッコみたくなるようなスピリチュアル交感、水族館で働くお仕事もの、そして百合、どの要素も踏み込みが甘い。どう扱うのか注視していた郷土信仰とキジムナーを最後に思い出したように絡めるのはどうなんだ。海の生物たちはCGを使ってどれも精緻に描写されており、人物より背景の作画に力が入っている歪さがある。2クール目の新社会人編から風花が作劇のために都合よく聖人化して扱われているような節があり、くくるの葛藤に尺を割くために片方が疎かになってしまった感。二人の関係性も最初は割となぁなぁから始まり、共依存めいた疑似姉妹百合という境地に至るのだからもっとその危うさに突っ込むべきだった。というか終始「もっとイチャイチャしろ」と思っていた。こうなるのは諸要素が取っ散らかった結果、何をやりたいのか不明瞭な事態から来る不満でしょう。各同僚の個性も決着させることのないまま放置し、全体を通して空にパンして流す演出の多用から、雰囲気で誤魔化してばかりの印象。沖縄なら許される訳でも無い。
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