浅野公喜

機動新世紀ガンダムXの浅野公喜のレビュー・感想・評価

機動新世紀ガンダムX(1996年製作のアニメ)
3.6
90年代に放送された「ガンダム平成三部作」の一つ。「ガンダムを考えるガンダム」というのがテーマで、打ち切りというイメージからかあまり注目されていない、地味な作品とも言われているとか。

その評判通り、展開や戦闘シーン等を含め全体的に地味な印象は否めなく、癖の強いレギュラーキャラはフロスト兄弟位で良くも悪くもまともなキャラが多めなのがその印象に拍車をかけているかもしれません(内容が濃かったVガンダムを前に観たせいかもしれませんが)。しかしながらヒロインのティファを守る為奔走する主人公のガロードはストレートな魅力に溢れており、彼の声を担当する「名探偵コナン」の元太でお馴染みワタル・タカギの声質も最初は違和感が有ったものの慣れてきます。超人的能力を持つ人間=通称ニュータイプに対する否定的(=平等主義的?)解釈も結構しっくりくるもので後味が良いものでした。

すぐ退場するものの、フロスト兄弟達が送り込むニュータイプ候補四天王はキャラもMSも割と個性的でもう少し活かせ(生かせ)なかったかなとも考えてしまいます。

エンディングの最中にそのまま予告編を挿入し、劇中の台詞がそのままサブタイトルになるのが斬新。イントロのシンセリフにテンションが上がるOPのRomantic Mode「Dreams」、大物プロデューサーデヴィッド・フォスターファミリーの一人である故ウォーレン・ウィービーが歌うEDの「Human Touch」はどちらも名曲です。
浅野公喜

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