浅野公喜

機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争の浅野公喜のレビュー・感想・評価

3.8
知り合いの方にクリスマスの時期が舞台のガンダムが有ると勧められ鑑賞に至った全6話からなるガンダム初のOVA。

スピルバーグ監督「太陽の帝国」がヒントになっているからか、主人公はガンダムのパイロットではなく戦争に興味が有るアルという少年なのが特徴で、彼の目線メインでストーリーが展開。戦闘ではなく人間ドラマに重きを置いた作風は一部ガンダムファンからは批判が有ったそうで、確かに全体的に淡泊な印象は否めませんでしたがあんまりモビルスーツやメカ云々に詳しくない自分にとっては入り込みやすい内容で、出逢いと別れといった実体験を通じて戦争への印象が憧れから恐怖や悲しみへと変わっていく過程が〇。

最終話となる6話では俯瞰で見れば無意味、少年の主観では皮肉にも意味が有った戦い、戦いで奪った命を知らない幸福と残酷さ、「戦争を知らない子供たち」状態の周りから浮くも確実に成長したエンディング等様々なコントラストが盛り込まれ強く印象に残ります。戦いに憧れたりロマンを感じるけど犠牲は嫌だという自分含む人間の矛盾にも気付かされた気分。

ガンダムよく分からないよ、という人にもオススメかもしれません。
浅野公喜

浅野公喜