浅野公喜

トライガンの浅野公喜のレビュー・感想・評価

トライガン(1998年製作のアニメ)
3.9
人間災害またはヒューマノイド・タイフーンと呼ばれ指名手配中のヴァッシュ・ザ・スタンピードと彼を追い掛けるメリルとミリィの保険屋女性コンビの活躍と旅を描くSF西部劇。今年リメイクもされました。

ガンマンとして圧倒的な実力や豪快さを持ちつつも飄々として不殺主義を貫くヴァッシュの2.5枚目キャラがとても魅力的。様々な人との出逢いや騒動を通して最初は周りから恐れられている彼の本当の姿にメリル達が気付いていく流れが良く、少しテンポの悪さを感じるもののレトロとモダンが入り混じった個性的な世界観とキャラがそれをカバー。ヴァッシュの過去が明らかとなる17話辺りからは時に内省的な展開となり、危機を救う為に人を殺めなければいけない葛藤や不殺という理想と現実の衝突が描かれストーリーに奥行きが出ます。

今までのヴァッシュのイメージに反して想像以上に苦悩しますが対峙する問題に対し彼がどう悩み、どう折り合いをつけるのかが注目点の一つかも。出色のエピソードはヴァッシュに強い影響を与えた女性、レムと兄弟のような存在にして最大のライバルとなるナイヴスらが登場する回想回でもある前述の第17話「レム・セイブレム」。
浅野公喜

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