大島育宙さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

大島育宙

大島育宙

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ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV(2021年製作の映画)

4.0

再編集前のロッキー4、昔1回観ただけなのでほとんど覚えてないけど流石にめっちゃ変わっててわかった!

90分中40分も変わってりゃそりゃわかる!
別の映画だ!

ディレクターズ・カット版で長くしないの
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ビリーバーズ(2022年製作の映画)

4.6

原作にド忠実でより映画的見せ場を増やした、
「わかってらっしゃる…」と唸る実写化。
全ての漫画実写族はこのくらい原作を理解してからやりましょう。

強いて言えば、山本直樹にはあまりない巨乳への執着が出
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ゼイリブ(1988年製作の映画)

3.2

久しぶりに再見して、あまりにも『フリー・ガイ』の元ネタすぎて改めて面白かった。一番面白いシーンは

①初めてサングラスをかけるくだり
 広告のサブリミナルと本音、人の面と中身
 …ここだけで短編として
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ニューヨーク1997(1981年製作の映画)

3.1

設定と世界観が抜群に面白い!
オープニングでゾクゾクする!
メタルギアソリッドに影響力与えたのもわかる!

しかしアクションやサスペンスはそんなに上手くなく、結局プロレスシーンとかが見せ場になっちゃっ
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ザ・フォッグ(1980年製作の映画)

4.0

ジョンカーペンターオールナイトで再見。
3本の中では一番シンプルだけど、
単純に一番ウェルメイドに感じた。

100分ない中で
オープニングクレジットで10分近く使ってたが、
そこで人物関係や街の地形
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ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

4.0

①過去作観てる前提じゃない親切すぎる設計
②120分に収めてる
③前半ギャグが多い
④ヒロインが置物じゃなく、なんならキャラクターの中で一番変化してる
⑤悪役の位置付け、新しく映画にする意味がある
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哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

4.9

完璧な映画の一つ。
こういうのを観るために映画館に行く。
体感時間が一瞬、という体験をするために。

作ると決めてから8ヶ月くらいで公開されたとは思えないクオリティ。

存在するべきだが危険な映画だ。
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.3

タイトルのセンスが抜群。
複雑さを受け入れられない私たちのための物語。

女性映画だけど女性を弱者やかわいそうな存在として描いてない。男社会と戦う女、というティピカルな描き方でもない。等身大の優秀な女
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呪詛(2022年製作の映画)

4.0

呪怨、リング、パラノーマル・アクテビティなど2000年代以降のJホラーをきちんと受け継ぎ、仏教と道教と民間信仰が混在した宗教のごった煮感も混ざってて素晴らしい(そこが面白い)。

集合体・閉所・暗所恐
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X エックス(2022年製作の映画)

3.9

迷ったら絶対観るべき。観たことあるものも見たことないものも見たいものも見たくないものも全部観れちゃう108分。ホラーのサブジャンルをポンポンと軽やかに横断していく感じ、『キャビン』『ハッピー・デス・デ>>続きを読む

わたし達はおとな(2022年製作の映画)

4.1

男を徹底的にクズに描くが、悪人としてのクズではなく自己弁護・自己防衛・自己正当化に心血を注ぐ多重的なクズとして描くリアリティ。

恋愛、結婚、出産における男女の非対称性を、学生の恋愛を描く上で重く読み
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バズ・ライトイヤー(2022年製作の映画)

3.9

日米の声優が気になったので字幕も吹替も観てしまいました。

「おもちゃ的なコミカルな声から、ちゃんと人間のマッチョな声へ」というCV変更はとても慧眼。

重機の重量感や、金属のくすみ・光沢の質感表現が
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きさらぎ駅(2022年製作の映画)

3.3

挑戦としてはだいぶ面白い!
実験の意図やアプローチもよくわかる!

しかし万人に推せるかと言えば足りない…無念!
もちろんネット都市伝説の映画化ブーム自体は応援していきたい!


◎主観視点に近い(F
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名付けようのない踊り(2022年製作の映画)

4.4

『たそがれ清兵衛』で超遅咲きの演技デビューから映画・ドラマに引っ張りだこの田中泯の哲学と本業(ライフワーク)の舞踊を突き詰める。

二度と同じ踊りはないから作品を形に固定しない。弟子も取らない。ダンス
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.5

大画面のドルビーシネマで観られて、何者にも変え難い体験になった。心臓を直接鷲掴みにして揺さぶられる体験。やはり映画館で観る映画は、「音」だ。

役者本人たちが生命の危険を背負って体を張って魅せるエンタ
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メイド・イン・バングラデシュ(2019年製作の映画)

3.2

岩波ホールで。

劇中のメイントピックである搾取労働について告発した映画としての役割の重さはもちろんだけど、

登場人物がみんなカラフルな服を着ていて素敵だった。貧しいキャラクターの住む室内も壁やイン
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犬王(2021年製作の映画)

4.6

圧倒的大傑作。

平家物語の琵琶法師のグルーヴそのままに現代語にした古川日出男版の味わいがアニメで忠実に再現されていることにまず驚愕。
一文一文が簡潔な、走るような踊るような歌うような古川日出男名文の
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.3

阿部サダヲが怖いのは意外でもなんでもない!
彼はもともと怖いよ!
そもそもコメディ演技の時も目が笑ってない。
今回の役に通底するのは「底知れない過剰なサービス精神」
喜劇をやってる時も異常なサービス精
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実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)(2007年製作の映画)

4.1

早稲田松竹で鑑賞。
スクリーンで3時間10分体感して良かった。

若松孝二が『突入せよ!あさま山荘』の一方的な描写に怒り、赤軍メンバーにも報道だけではわからない裏側がいろいろあった、ことを描く。親交の
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

3.9

過酷な労働環境の描写がエグくてずっと動悸していた。「痛快!爽快!熱いお仕事ドラマ!」という感想を見かけるけどそんなカンタンな話ではないと個人的には思う…

あのまま追い込まれてメンタルヘルスを病んだり
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.8

「恋愛映画みたいな恋愛」じゃない恋愛を描けた恋愛映画。

大きな事件を起こさず、過剰な共感に振り切らず、これだけ静かに「時間の尊さ」にフォーカスできる。日本の静かな恋愛映画が戻ってきた。

松居大悟監
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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.2

観ている間は楽しめたが、感想を記録するのを忘れて放っておいていたらほとんど記憶が消えてしまった。

映像やキャラクターは概ね魅力的だけど…

旅行に行けなかった時代には海外旅行モノの推理小説や映画は価
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.2

ロバート・パティンソン&ゾーイ・クラヴィッツにインタビュー。試写室と巨大なドルビーシネマで2回試写を観せて頂いたけど、後者の体験がレベル違いだった。

重低音が体に響く。色んな種類の黒が見える!

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ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード(2021年製作の映画)

3.2

監督にインタビュー。

前作はたぶん未見だけど全然ついていけた。

ボケ数多くて面白かった〜

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

4.1

単独で知識なくても観ても楽しさが減らないMCU作品が久しぶりで清々しい。徹底的に「身体」「身体性」を巡る話なのが、手を失ったドクターストレンジの2作目として圧倒的に正しいし、ストレンジがやる意味のある>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.0

予備知識が少なかったせいか、肝となるシーンがわからぬままスッと終わってしまった。子供の時はずっと(ティガ〜コスモスくらい)観てたはずなんだけど…そういう知識は役に立たなかったみたい。メフィラス星人が主>>続きを読む

生きててよかった(2022年製作の映画)

4.0

格闘シーンの生々しさが全てを下支えしている。
主演の木幡竜さんがプロボクサー、
日本を代表するアクション監督の園村健介氏とは言え、地下格闘技のステゴロシーンはどう撮ったの?と不安になるようなリアルさ。
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パリ13区(2021年製作の映画)

4.1

凄く良かった。白黒の方が集中力上がる、と久しぶりに思った。70代でこんなにカット割れるのがまず凄い。サントラも現代的。

「セクシャルなシーンがエロくなく美しい」
という評をよく見たが、自分はとてもエ
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神は見返りを求める(2022年製作の映画)

4.5

YouTuberの世界を描いているようで、
承認欲求ポイントレースがルール化した地獄社会全体をリアルに余さず描き込んでいる。凄い。

【スマホのカメラが銃口になった戦争映画】

田母神(ムロツヨシ)は
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流浪の月(2022年製作の映画)

-

※公開後に詳しい感想とスコアつけます。

李相日監督の豪華キャスト映画は「競演」のようでいて実は1人か2人勝ちになってしまう印象がある。『悪人』は満島ひかりと岡田将生がステージを爆上げし、『怒り』は森
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ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

4.1

「歴史に残る傑作」とかではないが、
映画を見始めた頃の根源的な興奮を味わえてかなり良かった。過去のホラー映画群からのインスパイアが大量で、新鮮なソリッドなものを作りたいというより綺麗なノートにコラージ
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.8

前半は映画館で久し振りに興奮した。
鳥肌がちゃんと立つ、皮膚感覚/身体感覚にしっかりフォーカスした大喜利の乱れ打ち。
芸人の誰かが言った「口淫は究極の信頼である」という言葉の裏返し。

5分に一度ツッ
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N号棟(2021年製作の映画)

3.5

惜しい…!高級感がちゃんとあって、強い萩原みのりさんが観れる!黒沢清的なと言うべきような「死」についての論考から入るスムーズさは安定感があったが…

萩原みのりファンは絶対観るべき。
放送禁止とかが好
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湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

1.4

思い出すだに最低の映画。

役者陣や技術スタッフに罪はないが、
物語の根幹とベースの価値観が有害過ぎる。

鑑賞当時に一言だけ
「親の価値観を力尽くで子供に押し付けないでくれ〜」とだけコメントしてあっ
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