湯っ子さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

エクソシスト(1973年製作の映画)

4.2

言わずと知れたホラー映画の金字塔。やっぱりすごい作品だった。
「君の名前で僕を呼んで」でのハエが気になったところから、ハエの羽音が印象的だったこの映画のことをなんとなく思い出していて。
今回は、リーガ
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キャリー(1976年製作の映画)

4.0

誰も幸せにならない…悲しいお話。

何歳だったんだろ?大昔テレビで観た。私の記憶に残っていたのは、冒頭のシャワーのシーンと、目を左右させてお母さんにナイフを投げるシーン。やはり今回観ても強烈に恐ろしか
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彼女のいない部屋(2021年製作の映画)

3.8

夢、記憶、想像。現実と非現実がともに存在する彼女のビジョンを、モザイクのようにつなぎ合わせて見せる。静かで美しい映像に、ピアノの音色が物語的にも耳にも印象深く、光あるラストが救い。

ヌイグルマーZ(2013年製作の映画)

3.6

こちらもぬいぐるみとしゃべる人の映画。
しかもこちらは本当にぬいぐるみがしゃべっていて、人間と合体してヒーローに変身します。
原作大槻ケンヂ、に惹かれて観ました。筋肉少女帯として活動してる頃、私は音楽
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ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

3.9

ふわふわしたものに、つぶらなおめめをつければ、それはぬいぐるみ。

ぬいぐるみサークルの学生たちが言う「やさしさ」は、「共感性」のことなのではないかと感じた。ひとの気持ちがわかる、ひとの痛みがわかる、
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.0

ずっと気になりつつそのままになっていたけど、夏も終わるし…とこのひと夏ものをチョイス。
ティモシー・シャラメ…まともに出演作品を観たのはこれが初めて。
ほぅ…(ため息)私にとってのリアル・ジルベール(
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さよならミス・ワイコフ(1978年製作の映画)

3.7

とても消化が難しい作品。
ミス・ワイコフの生活歴や人となりであったり、当時のアメリカ中西部の空気を丁寧に描いていてドラマとして見応えがあるし、彼女が何を考えていたのかということにも掘り下げる価値のある
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プラットホーム(2000年製作の映画)

3.6

「青の稲妻」と二本立て。

長くて、特にお話らしいお話がなくて、なのに寝なかったのが自分でも不思議。この人の映画のじんわりとしたおかしさや物哀しさはやっぱり好みなんだなぁ。
唯一、映画的と感じたのが字
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ナイン・マンス(1976年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

哀愁漂う劇伴も印象的だけど、鑑賞中私の脳内では🎵生きて〜る生きている〜が再生されていた。日曜のけだるい午後、つけっぱなしのテレビから流れる「ザ・ノンフィクション」をなんとなく眺めているうちに釘付けにな>>続きを読む

アダプション/ある母と娘の記録(1975年製作の映画)

3.6

「ナイン・マンス」との二本立て

信じて疑わなかった幸せの素顔を見たとき、あなたならどうするか。そう問いかけているように感じた。

小さな悪の華(1970年製作の映画)

3.9

あまりにも反キリスト教的で淫靡な内容から、フランス本国を初め各国で上映禁止になり、アメリカと日本のみで上映された作品とのこと。
ふたりの少女は悪に心酔し、サタンに身を捧げることを宣誓する。ふたりだけの
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THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティ(2017年製作の映画)

4.0

美しい悪夢との闘いと勝利。涙は心にとどめて、今この瞬間を見据えよう。

ファーストシーンから、夢うつつの世界観に心奪われる。え〜、これって「チワワちゃん」の監督なんだよね?すごくいい。なんで「チワワち
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Cosmetic DNA(2020年製作の映画)

3.6

「人類はやがてメスだけになるらしいよ」と教えてくれた人がいる。すでにたくさんの動植物に単為生殖(一般には有性生殖する生物で雌が単独で子を作ること、なんですって!)が発見されてるみたいだし、あながち嘘じ>>続きを読む

シャイニー・シュリンプス!世界に羽ばたけ(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

シャイニー・シュリンプスが東京へ!ときたら、ワクワクせずにいられない、と劇場に駆け込んだ人々が一転、「こんなハナシなの…?」と愕然とする…というレビューをタイムラインで見かけていたのですが、まさかこん>>続きを読む

エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

-

ウトウト通り越してスヤスヤしてしまった…、
でも、今活躍してる監督たちにいろんな影響を与えたっぽいことはなんとなくわかった。

アボカドの固さ(2019年製作の映画)

3.8

ジャック・ブラック似の彼が原案・主演。自分の見え方をとてもよくわかっている人なのかもしれない。思いがけず別れを宣告された男性がジタバタする様子を、観察記録のように綴る。絶妙な気持ち悪さが素晴らしい。>>続きを読む

真実(2019年製作の映画)

3.9

樹木希林母娘をモデルにしたのでは?と言及されたフォロイーさんのご紹介を受けて。
ドヌーブのセリフや動作を、自然と希林に変換しながら観ていた。ドヌーブの濃厚なエロスと貫禄を、ユーモアと狂気に変換すると希
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バービー(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

夢の国バービーランドでは、カワイイが正義!女の子最強!…ってことに溜飲を下げるほど、私たち女はもはや弱者ではない。女性もいつまでも被害者意識に甘んじてちゃいけないと思う。
この映画の中でも、バービーた
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モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

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天才。モリコーネという人は、映画を音で語れる人なんだな。
私がこの人の名前を認識した時にはすでに巨匠と呼ばれる存在だったけど、もともとは映画音楽は地位が低かったり、なかなかオスカーが獲れなかったりと、
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歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

4.2

私が専業主婦で息子たちは赤子〜幼児だった頃、義母は孫の顔見たさと、おそらく隣に住む親類へのアピール(隣家の親類は早婚の家系で、子供が次々と産まれていたのが羨ましかったようだ)で、最低でも月に一度は義実>>続きを読む

シャドウプレイ 完全版(2018年製作の映画)

3.8

走る、飛ぶ、跳ねる、揺れるカメラ。にじむ極彩色に、ぶつかり合う激情。
場面や時系列があちこちに散らばってめまぐるしく惑わされ、ときに驚かされ。けだるく埃っぽい夜の街を駆け抜けているみたいな気分になる。
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隣の女(1981年製作の映画)

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スーパーのお寿司と南蛮漬けwith缶チューハイの夕飯を食べてすぐに布団に倒れこみ、泥のように眠り…あれ?私歯磨いたっけ…とのろのろと起き出した午前2時。テレビをつけたらこの映画がかかっていました。開始>>続きを読む

イロイロ ぬくもりの記憶(2013年製作の映画)

3.9

シンガポールに住むある家族。夫婦は共働きで妻は妊娠中、やんちゃなひとり息子が悩みのタネ。そこへやってきたフィリピン人メイドとの日々を描く。
飾りや甘さをいっさい排除した演出で、大人も子供もこんなにあり
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アダマン号に乗って(2022年製作の映画)

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フランスのセーヌ川に浮かぶデイケアセンター、アダマン号。この船がほんと素敵。ゆっくり開く窓から光が差し込んで、アダマン号の1日は始まる。やってくる人々が自由に発言し、自分を表現できる場所。
想田和弘監
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大人のためのグリム童話 手をなくした少女(2016年製作の映画)

4.2

グリム兄弟による原作を知らなかったので、最後までこの物語がどんなふうに転がっていくのかとハラハラドキドキしながら観た。鑑賞後、原作を調べたら、大きな筋は同じだけど、ちょっとずつ、今の時代の価値観にしっ>>続きを読む

できごと(1967年製作の映画)

3.7

美人で思わせぶりな若い女、屈託なく彼女に恋する若い男、虎視眈々と彼女を狙う中年男たち。
若者もおっさんたちも、誰も彼女がどんな人間かとか、何を考えてるかとかには興味ない。
おっさんたちが若い女を求める
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古の王子と3つの花(2022年製作の映画)

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切り絵風の映像が美しかったけど、お話をちっとも面白いと思えなくて、ほとんど眠りの世界でした。この監督作品は初めて観たのですが、レビューしているのはリピーターだったりファンの方しかいなさそう。私には合わ>>続きを読む

奇跡(2011年製作の映画)

3.8

なんでだろ、小学生がわーっと走っていくのを見るだけで、うれしくてしょうがなくなるんだよな。
是枝監督おなじみのドキュメンタリーっぽい撮り方、だけどお話は児童文学の趣。どこまでも子供が中心で、大人はこの
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エゴイスト(2023年製作の映画)

3.5

ときめいたしエロかったし泣いたけど、好きな話じゃなかった。なんかキレイすぎるし嘘っぽい。
劇伴がなく、揺れるカメラで丁寧に人物の感情の機微を描く演出には惹きつけられるが、意外とセリフに語らせすぎる。役
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三姉妹(2020年製作の映画)

3.8

タイトルとジャケットから、女の人生いろいろ…みたいにジワるホームドラマかと思いきや。
いやいや、思ってたのと違った。なんだかずっと不穏な空気が流れていて、不快な人物たちを見せられて。
韓国でキリスト教
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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今日から公開ってことも今日知ったし、特に観に行こうと思ってなかったけど、前情報なしに宮崎駿作品を観られる機会は最初で最後なのかも…!という衝動に突き動かされて行ってきました。

ハヤオの映画は、一度観
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スピリッツ・オブ・ジ・エア(1988年製作の映画)

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どこまでも広がる橙色の荒野と澄んだ空の美しさ、その中に佇む一軒家はまるでアート作品。
どこを切り取っても素晴らしい画と、不思議に響く音楽。ただ、主人公の兄妹がとにかくギャンギャンうるさくて、苦痛のあま
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どついたるねん(1989年製作の映画)

3.7

子供のまんま大人になったみたいな主人公で、この人と関わるなら一発二発殴られてもへっちゃらじゃないと無理。人生を全て拳に賭ける男、これがロマンでなくて何だというのだ。


<よだん>
ハタチくらいの頃、
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Never Goin' Back ネバー・ゴーイン・バック(2018年製作の映画)

3.8

こんなことしちゃだめなのはわかってます。
でも、私の中の女の子が、すげー楽しそう、こんなめちゃくちゃなことしてみたい、って言っていたし、仲良しの友達と一緒にいて、ふたりならなんだってできると思った瞬間
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

3.8

道に倒れて誰かの名を呼び続けたことがありますか、と、かつて中島みゆきは問いかけた。
そして今、私は問いかけよう。窓から裸で飛び出して、フルチンで逃げたことがありますか、と。

なにかとお行儀の良さを求
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憧れを超えた侍たち 世界一への記録(2023年製作の映画)

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今になってみて、メキシコ戦の9回をリアルタイムで観られたのはラッキーだったな。ちょうどその時間だけ職場でテレビが見られたの。
あの場面で打てる大谷、もう彼は別次元。
打てない打てないだった末に、最高の
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