湯っ子さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ザ・ヒューマンズ(2021年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

密室会話劇、不穏な空気、評価高げ、あとスティーブン・ユァンが出てる…と興味を惹かれ再生。建物の写し方が不気味でスタイリッシュなオープニングにワクワク。だけど、実際家族が集まってみると…、う〜んこれいつ>>続きを読む

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

3.9

そこにいてそこにいないようなこの男の世界の中で、破壊した冷蔵庫やコーヒーマシンや家だけが、強く「現実」を感じさせた。
顧客係のシングルマザーとその息子との不思議な交流は、もしかしたら夢だったのかもね。
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C.R.A.Z.Y.(2005年製作の映画)

4.3

かっこいい音楽と、ちょっと不思議なエピソードや演出と、そして何より愛にあふれた映画だった。
ゴリゴリマッチョな父親は、よくある欧米のホームドラマみたいに、「愛しているよ」とか「誇りに思っているよ」とか
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悪魔のシスター デジタルリマスター版(1973年製作の映画)

3.0

先日「バッド・ルーテナント」を観た時、その前にこの作品を観て会場から出てきた人が、「面白かった〜」と、心の底から言っていたように感じてすごく観たくなったので。
冒頭のピーピング・トムのところはわくわく
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映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

台所仕事しながらスマホで観る映画って意外と迷う。腰を落ち着けて観たい作品は選べないから、作業してても内容が理解できて、それなりに楽しめるものがいい。というわけで、評価は高いけど絵柄で敬遠していたこの作>>続きを読む

バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

5.0

もう最初から最後まで、ああ映画だ、これが映画だよと思いながら観てた。
彼の行動は赦しや贖罪と呼ぶこともできるし、虚しい自慰行為と吐き捨てる事もできよう。
哀れで惨めでみっともなくて、どうしようもなく寂
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ロブスター(2015年製作の映画)

3.8

噂の変な映画、ついに観た〜。ダークなSFって感じかな。
パートナーがいないと動物にならなきゃいけない世界。パートナーは異性でも同性でも良いってことは、生殖が目的ではなさそう。しかも、カップル成立してす
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LORO 欲望のイタリア(2018年製作の映画)

4.0

ソレンティーノの映画に出てくる建築物やインテリアって、なんであんなに素晴らしいんだろう…私の拙い表現では追いつかないラグジュアリーさ、ゴージャスさ。そして次々に登場する女性たち。みんなミス・ユニバース>>続きを読む

EO イーオー(2022年製作の映画)

3.6

「ロバから見たらこんなふうなんじゃないか」と人間が想像して撮った映画だった。そんなの観る前からわかっていたのにね。思ったよりもずっと、人間から見た人間と、人間が「こうあってほしい」と願う動物を描いた映>>続きを読む

オール・アバウト・マイ・マザー(1999年製作の映画)

4.2

「欲望という名の電車」を先に観ておいて良かった。そして、あの戯曲に対する見方が変わった。アルモドバルは、「欲望という名の電車」を女性讃歌としてとらえているようだ。
運命に翻弄され、ボロ雑巾みたいに惨め
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LOVE LIFE(2022年製作の映画)

3.7

序盤、主人公の家族と義父母の食事会の場面がいちばんヒリヒリしたし、深田晃司の映画観てるぅ!って思った。小さな不和と分断を引き延ばして見せてくる。
逆に、あれだけの出来事があったその後の方が、物語の面白
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ペーパー・ムーン(1973年製作の映画)

4.0

テンポも効率も良くて、すごく良くできた脚本だと思う。トリクシーとメイドの女の子のエピソードがすごく良かった。あと、時そばみたいなセコい稼ぎ方も面白かった。終わり方も鮮やかだけど、あの選択は間違ってると>>続きを読む

X エックス(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

だめだ〜寝ちゃった。仕事柄、10年以上ジジババと付き合っているけど、セックスしたくてしょうがないというおばあちゃんに出会ったことがない。アメリカにはいるのだろうか。あと、ちょうど夫と、「男はいつまでた>>続きを読む

Saltburn(2023年製作の映画)

4.0

あの「プロミシング・ヤング・ウーマン」の監督であり、「キリング・イヴ」の脚本も手がけたエメラルド・フェネル監督作品と知って飛びついた!最後まで先が読めない展開だったし、キャストもドンピシャにハマってた>>続きを読む

新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に(1997年製作の映画)

5.0

大晦日に最後の方だけみかけて一気に引き込まれ、新エヴァシリーズ鑑賞に至った作品。そのあとこの作品を最初から観た。いやこれ何?スゴイ!
テレビシリーズが流行ってる時、深夜の再放送で最終回の日はちょっと話
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.5

ずっと追いかけてきた人にはどんなふうに映るんだろうなぁ。大団円なラストには賛否両論あったんだろうと想像する。にわかな私にはなるほどすっきりな気もしたし、ちょっと語りすぎ?とも思った。でも、長いことこの>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

4.0

緻密に作り込まれた設定を理解するのはハナからあきらめているので、エヴァの世界はシンジ少年の葛藤と成長を描く精神世界のお話と考えて観ています。
この世界は母性で溢れてますね。どこかでアダムという言葉が出
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

4.2

えらいところに手を出しちゃった。超いまさら、エヴァ沼の浅瀬に指をつっこんで、その深みに慄いております。ただ、この沼にズブズブとハマりにいく集中力と渇望が私にはありません。これはやはり、「自分とは何か」>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年製作の映画)

4.0

大晦日にアニマックスでかかっていたエヴァンゲリオンを途中からみかけて気になり、新年の始めはU-NEXTにあったこちらを。
年末はずっと仕事だったので、元旦朝からお雑煮のつゆを作りながらスマホ鑑賞しまし
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イ・チャンドン アイロニーの芸術(2022年製作の映画)

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今年の映画館納めは、敬愛するイ・チャンドン監督のドキュメンタリー。
「ペパーミント・キャンディ」のように現在から過去へ遡り、監督が自ら、その作品や自身について語る。私はイ・チャンドン作品をスクリーンで
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アレックス(2002年製作の映画)

4.2

「時は全てを破壊する」
「悪などない。行為があるだけだ」

冒頭に語られる印象的な言葉について、ずっと考えていたけれども、このセリフを口にする人物がろくでもない奴ってことからして、監督はまるっきり逆の
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

おかえりなさいのカウリスマキ。
ウクライナやパレスチナや、他にも世界中で起こっている戦争があって、日常的にそのニュースが報じられる今、監督はそれを黙って見ていることができなかったんですね。こんなにシン
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欲望という名の電車(1951年製作の映画)

2.8

これって有名な賞をもらってる戯曲だし、映画としても舞台としても名作らしいですね。「『欲望という名の電車』のブランチみたいな女性」っていう言い回しを、何度か聞いたことがある。
確かに、これは演じてみたい
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.7

前半の「何かありそう感」の演出が良い。横溝正史の世界観をアニメで観るのも、画の作りが映画っぽいのも新鮮。私はなんの映画でもアクションシーンになると興味を失いがちなので、後半ややテンションが落ちたが、ア>>続きを読む

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

3.8

バーナデットが専業主婦として過ごした20年間は描かれていない部分だけど、その結果が夫や娘との関係であるし、愛らしく賢く伸びやかに育った娘ビーなのだと思う。
その中で営む生活を含めての「家」をデザインす
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ほつれる(2023年製作の映画)

3.9

旦那さん役の人、どっかから連れてきたシロウトさんかと思った。ヘタってわけじゃなくて、めちゃ普通の人で、演技してないみたいに見えた。ナチュラルに微妙なさじ加減のモラハラ夫。
ロケーションと映像が美しいの
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不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

4.0

びっくりするくらい普通に夫婦の話だった。
ふたりの属性はたしかに特殊、だからそのへんに対しての周囲の偏見や差別などの不協和音はあるものの、描かれているのは絶望ではない。
「幸福が楽しいとは限らない」っ
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13回の新月のある年に(1978年製作の映画)

4.3

今日はずっとエルヴィラのことを考えてた。あとは、つるりと皮を剥かれる牛と、無駄のない手さばきの屠殺業者。
生があるから死があって、生きるために殺して食べて、死ぬほど絶望してるのに歌って踊ったりするとな
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Bi Gan | A SHORT STORY/ビー・ガン | ショートストーリー/壊れた太陽の心(2022年製作の映画)

4.0

胡蝶の夢ならぬ、猫の夢の中にいた。目覚めたあとにもいつまでもいつまでもこの夢を思い返して、だけど正確には思い出せなくて。いまだに体の中にこの夢がゆらゆらと漂っている気がする。人生でいちばん大切なこと。>>続きを読む

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.0

ブシェミ演じるシーモアが不憫じゃった…若い女の子にあれだけアプローチされても、ギリギリまでは理性でおさえてたのに…
だけど、イーニドの気持ちもわかる。自分なんかを相手にしない大人の男だったから好きにな
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フェミニズムの結果(1906年製作の映画)

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男女のパワーバランスの不平等を訴えるのが目的ではなくて、人間という生き物を観察する視点で面白がってしまおうという趣旨を感じました。
100年前の女性がこんな作品を作ったということには驚きと尊敬がありま
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ステップフォード・ワイフ(2004年製作の映画)

3.5

確か公開後すぐにレンタルして観たから、20年ぶりに再鑑賞。原作は「ローズマリーの赤ちゃん」のアイラ・レヴィン、1972年。当時は面白かった印象があるけど、今回観たところこんなもんだっけ?な感想でした。>>続きを読む

ねこぢる草(2000年製作の映画)

4.2

懐かしさと恐ろしさと後ろめたさがぐるぐると。マンガではけっこうセリフの存在感があったような気がするけど、このアニメにセリフはほとんどなくて、それが逆にマンガの世界観を壊さない。セリフのかわりに聞こえて>>続きを読む

綿の国星(1984年製作の映画)

3.8

原作はずいぶん昔に読んだけど、すでに手放してしまっていて、ほとんど覚えていません。なので、チビ猫にはこのアニメで初めて出会ったのと等しい感覚。
チビ猫はもちろんかわいらしくて健気だし、ふわふわの髪に白
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ポエトリー アグネスの詩 4K レストア(2010年製作の映画)

4.3

残酷な現実についての映画であるのに、同時に美しい詩の映画でもある。
「美しい」「醜い」「苦しい」「悲しい」「惨め」、感情をあらわすこれらの言葉を使わずに表現するのが詩なのだと思った。
詩の教室の生徒た
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劇場版 センキョナンデス(2023年製作の映画)

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フォロイーさんたちの高評価で気になってたこの作品がU-NEXTに!私にわかるかな〜と不安でしたが、面白かったです。

実は「なぜ君は総理大臣になれないのか」も以前観ているのですが、どういうレビューを書
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