ojiさんの映画レビュー・感想・評価

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悪は存在しない(2023年製作の映画)

5.0

濱口竜介監督最新作、ヴェネツィア銀獅子賞(審査員大賞)、アジア映画祭作品賞

もともと本作の音楽担当で『ドライブ・マイ・カー』の石橋英子さんによるライブパフォーマンス映像としての『GIFT』を制作した
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辰巳(2023年製作の映画)

4.3

『ケンとカズ』の小路監督の8年ぶりの新作
今回も自主映画になってしまったと語るが、そうでなきゃなし得ない、俳優なら誰しも触れてみたい熱量の脚本であり、それを上回る熱量の芝居が求められる作品

公開され
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ONODA 一万夜を越えて(2021年製作の映画)

3.9

アルチュール・アラリ、『落下の解剖学』で記憶に新しい彼は、監督作品として、30年ものの忠誠を誓い続けた兵隊を描いた

『辰巳』を見る前にと、小野田役を演じた遠藤雄弥を確認。随分と過酷な撮影に及んでいた
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海の上のピアニスト イタリア完全版(1998年製作の映画)

4.3

トルナトーレ監督の傑作
好きすぎた
イタリア映画だけれど、ハリウッドで見られるような、全体を回想で動かしていくのが、主人公ではないが、主人公をよく知る人物で、彼がなぜ1900を探し求めているのか
その
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パレード(2024年製作の映画)

3.9

藤井道人監督×Netflix
河村プロデューサー作品だったか
温かすぎやしないか

未練が死後に影響し、死にきれない。
あちらの世界に行くわけでもなく、まるで中間のような場所で彷徨う亡霊たち

ありそ
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プリシラ(2023年製作の映画)

3.7

ソフィアコッポラ最新作はエルヴィスプレスリーの奥さん、プリシラ視点で描く物語

ヴェネツィアで女優賞のケイリースピーリー
中学生の子供っぽさからの結婚後の大人っぽさまで幅がすごい!ちゃんと見える!
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.3

プロレス×家族・兄弟映画
プロレスのみならず、ファミリームービーとしての新境地を叩き出した

伝説のプロレス家族、フォン・エリック一家の栄光と没落
「栄光と没落」と言うとありきたりな感じもするのだが、
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この自由な世界で(2007年製作の映画)

4.0

さすがケンローチ
ヴェネツィアで脚本賞!

労働者を巡り、不法移民と不法労働という困難な状況、かつ生活がかかっているという点が、いつ観ててもしんどいなと感じる

主人公の言い分も分かるが、親切にした人
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回路(2000年製作の映画)

3.5

黒沢清、初期作と思ったら、『蛇の道』『CURE』の後だったという若干のショック

テーマ性はインターネットスリラーとしつつ、コミニュケーションや、人が存在の有無という人の在り方の本質を突くものであった
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マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

5.0

fan's voiceにて試写会

カメラが現実を映すとはこのことか
そして、映画は歴史を記録・記憶するとはこういうことを言うのか

これほど近現代において映画としての意義を感じた作品はない。
劇中と
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人間の境界(2023年製作の映画)

4.0

fan's voiceにてオンライン試写

ヴェネツィアにて審査員特別賞
フィクションなのか、ドキュメンタリーなのか分からなくなり、劇中で行われる数々の痛ましい状況に思わず声が漏れる
人間が生きてはい
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かくしごと(2024年製作の映画)

3.8

fan's voiceにて試写会!
認知症、介護、記憶喪失、児童虐待、誘拐
この社会の老若男女の課題があり、多角的な視点で見ることができた。
認知症の父親役を演じた奥田瑛二さんの彷徨う仕草、この世とあ
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ミッシング(2024年製作の映画)

4.2

fan's voiceにて試写会

吉田恵輔節が炸裂というか、傑作でしかない
みんな魂削って撮ってるのが目に見えてわかる。分かるというか、それさえ忘れるぐらい没頭させられるリアリズム
見終わって吉田監
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線は、僕を描く(2022年製作の映画)

3.8

気まぐれで観たかった作品
『ちはやふる』シリーズの小泉組

どう観てもちはやふるだった。特に線を描くシーンはそう。音楽も引き続きって感じ。

過去や躓きなど、自分を見つめることで、新たな線を見出してい
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アインシュタインと原爆(2024年製作の映画)

3.9

『オッペンハイマー』予習用として鑑賞したんだけれど、普通に歴史認識として大事な話だった。
アインシュタインがユダヤ人でドイツを捨てた話
相対性理論を公表したことが、良くも悪くも世界を動かしてしまったこ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.4

ノーラン監督最新作×アカデミー7部門、その他映画賞を席巻!

はじめに言っておくと予習は必須
もっとハードル下げておくとネタバレ?的なの見ても問題ないのかな。それで見たって理解しきれないんだから。ノー
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銀平町シネマブルース(2022年製作の映画)

4.1

こういう映画がいいのよ
城定監督作品

また唯一の映画館と、潰れかけの映画監督
双方の再生を追いかける。

ちょうどいい

青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

4.2

止められるか、俺たちをpart2
今回は、劇中の井上淳一監督自らがメガホンを取るというアツい展開
普通に、面白くないかこれ。映画愛が詰まりに詰まっている。
映画館、映画制作、映画監督という
主に3つの
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.6

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品
前作を遥かに凌駕するストーリーと圧巻の映像体験
スターウォーズを当時見た人は、ある種こういう感覚に陥ったのだろうかと回帰的な映画になった

主役級のキャスト陣
前作に加え
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関心領域(2023年製作の映画)

4.2

fan's voice試写会にて。

アカデミー音響賞・国際長編映画賞受賞!

音と映像で見せるホロコーストの残虐さ
決して、殺害シーンや焼却シーンがあるわけではない。
全て、アウシュビッツ強制収容所
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.1

ビクトルエリセ作品

これは、アナの映画だった。
『フランケンシュタイン』に魅せられた少女は、人とは違う感覚に目覚める
中盤以降がまさにそう。

アナの眼差しが、我々が見るべきこの世の真理を見ているよ
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エル・スール(1982年製作の映画)

3.9

ビクトルエリセ作品

久しぶりに映画を見たこともあり、映画の見方を忘れていた気がするが、恐ろしいほど光と影の使い方が上手い
それは、見た目だけでなく、父の知られざる謎という点でも、ストーリーに光と影が
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GIFT(2023年製作の映画)

4.0

渋谷PARCO劇場にて
『悪は存在しない』公開前に見られて良かった。『GIFT』としての映像編集(音無し)に、石橋英子の即興演奏という仕組み。
驚くほど、未体験を経験できた

本編音がないからこそ、何
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「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち(2022年製作の映画)

-

評価をつけるとかじゃないので。(つけるなら満点以上)

「学校が子供達の命の最後の場所になってはならない」

被災地にいたけど、ちゃんと理解していなかったこと所にやっと近づけた気がする
冒頭の小学校の
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シークレット・サンシャイン(2007年製作の映画)

4.2

イチャンドン作品、チョンドヨンがカンヌ女優賞!

秘密の陽射しが、降り注ぐ街で起きた事件で、シネが神をも敵に回すことになろうとは。

赦しについての作品
面会のシーンはまさにそれである。
赦しを与えよ
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.5

やばすぎてやばすぎてやばい
アニメーションシリーズ2作目にして、もっとやってほしいって、思うほどだった!

作画が前回以上になってて、前回のコメディタッチより、今回はシリアス展開になってて、より感情が
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

4.5

スパイダーマン!!!!作画凄すぎる
俺が知っているアニメーションの限界値を軽々と超えてくるし、アニメ・漫画愛が恐ろしく沸き溢れている作品だった!
あと、この作者、日本好きだろ。

限りなくアメリカっぽ
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親密さ(2012年製作の映画)

4.0

見たのにチェック忘れてた

ENBUゼミナールのワークショップの延長で作られているはず。
後半の舞台映像差し掛かる前までのお膳立て。演劇団体のいざこざ。彼が戦争に行ってしまうその瞬間に、何かがグッと動
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伯爵(2023年製作の映画)

3.8

ヴェネツィア脚本賞!
吸血鬼伯爵の話、でありながら宗教とか、遺産相続とか、いつまでも吸血鬼になれないとか、家族問題楽しんじゃう系女子とか、謎すぎた

爺さん生きすぎじゃね?死んでくれないと遺産貰えんの
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マイ・エレメント(2023年製作の映画)

3.9

元素がクラスエレメント・シティ

火はどれに対しても相性が良くない
つまり、彼らは居心地が良くない

それでも、相性を越えて、理解し合い、交わろうとする姿が、この世界の根本的なあり方であると、教えてく
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このハンバーガー、ピクルス忘れてる。(2023年製作の映画)

3.8

木村聡志シネマティックユニバースの実質3作目!

シリーズの会話のテンポ感、会話のしょうもなさ=日常の私たち
これを俯瞰して見ていることの愉快さ
つまりは、自分たちを笑っているということ

この二重、
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ナイアド ~その決意は海を越える~(2023年製作の映画)

4.3

『フリーソロ』などでドキュメンタリーを撮り評価されてきたエリザベスとジミーコンビの初劇映画作品
とはいえ、フロリダ海峡を遠泳達成したナイアドの半生を描いた伝記映画。所々に実際の映像が挟まれる、半ドキュ
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π〈パイ〉 デジタルリマスター(1998年製作の映画)

3.9

fan's voice試写会にて。
アロノフスキーは好きで観てるけど、初期だけ辿れておらず、観られてよかった

なんか、既視感あると思ってたらやはり『鉄男』だったかぁー
メタリックな質感と、狂気的な音
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

4.0

ガイリッチー!!!
爆発、ガンアクション、ナイフアクション炸裂!!

冒頭から休めない
終盤前に状況整理来るけど、基本的に不穏と緊張感が迫り続けてて、凄いな

ラストにいく展開が良いな
やけに救出展開
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雪山の絆(2023年製作の映画)

4.3

『インポッシブル』の監督 J・A・バヨナ
前作見てないけど、ジュラシックワールドは観てたから、この力の入れ具合は本当のプロだ
制作過程は同じく配信されているドキュメンタリーを見てほしいが、俳優も技術ス
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恋のいばら(2023年製作の映画)

3.6

城定監督作品

なんか、それっぽく作られてて。
データ削除するために不法侵入するドキワク感から、次第にお互いの伏線回収。あるようで無かったかもって思うけど、結局見たことあったかもなぁという感想

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