wigglingさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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何者(2016年製作の映画)

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もし神様に「20歳に戻したろか?」と聞かれたとしたら、「こんな地獄のような青春はまっぴら御免です」と答えるでしょうね。若さを羨ましく思う頃もあったけど、こんな状況だともう同情しかないもんな。

いま就
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将軍様、あなたのために映画を撮ります(2016年製作の映画)

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北朝鮮による韓国人拉致事件の話なんだけど、加害者と被害者がまさかのWin-Win関係を築くというトンデモなお話。そんな大ネタを扱ったドキュメンタリー映画です。

金正日は大の映画好きだったそうで。不自
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幸福は日々の中に。(2016年製作の映画)

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鹿児島にある知的障害者施設しょうぶ学園を追ったドキュメンタリー。園生は重度の障害を持ち、他人とのコミュニケーションがままならない方も多い。彼らの日々は創作活動やバンド演奏をして過ごすというもの。

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シーモアさんと、大人のための人生入門(2014年製作の映画)

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まるで魔法のような80分でした。この時間が永遠に続いて欲しいと思った。
87歳のシーモア先生のピアノ指導は、幸せになるためのレシピを知る人だけが発することができる金言の宝庫でした。

「自分の心と向き
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永い言い訳(2016年製作の映画)

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爆音映画祭の『悪魔のいけにえ』で血まみれになった後、ゾンビや化け物だらけの天神の街をKBCシネマまで歩いて鑑賞。あまりの殺傷力の高さに呼吸困難で絶命するという、シネフィル冥利につきるハロウィンの夜でし>>続きを読む

天使の涙(1995年製作の映画)

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爆音映画祭 in 福岡にて。
去年の『恋する惑星』の人気にあやかろうとプログラムされたみたいだけど、期待ほどの客入りじゃなかったですねぇ。
自分はこれが初鑑賞でしかもそれが爆音上映でラッキーでしたが。
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プリンス/パープル・レイン(1984年製作の映画)

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爆音映画祭 in 福岡にて。
これが初鑑賞というプリンスファンにあるまじき事態。ミュージシャンが主演の劇映画っていい印象がなくて避けてたんですよね。だから『アンダー・ザ・チェリームーン』も『グラフィテ
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ハーダー・ゼイ・カム(1973年製作の映画)

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二度目の爆音映画祭 in 福岡、あの凶暴すぎるBLACKBELTサウンドシステムで映画を鳴らすというゴキゲンなイベントにて。PAじゃなくてサウンドシステムですからね。
そこでかかるのが本作ですよ。ジャ
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グッバイ、サマー(2015年製作の映画)

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ミシェル・ゴンドリーお得意のハンドメイド感満載のギミックはほとんど見られない。手作りログハウスがそれに代わってるのもあるだろうけど、彼の自伝的物語なんだから小細工などイラネってことでしょうか。
ゴンド
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ジプシーのとき(1989年製作の映画)

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ずっと観たかったクストリッツァの初期傑作。初公開から25年を経てやっと観ることができた。もうそれだけで胸熱。

消滅してしまった国ユーゴスラビア出身のクストリッツァが流浪の民であるロマにシンパシーを抱
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とうもろこしの島(2014年製作の映画)

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同時上映の『みかんの丘』と同じ時期、同じ地方、同じテーマの作品です。それなのに面白く観れるのは、生きるための営みが丁寧に描かれているからなんでしょうね。
こちらは川の中州でとうもろこしを育てる老人と孫
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みかんの丘(2013年製作の映画)

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91年のソ連崩壊の影響で勃発したアブハジア紛争に翻弄される人々を描いた作品。同時上映の『とうもろこしの島』と並んでジョージア(グルジア)映画の復活とされる作品なのだそうで。

というのも、ジョージアは
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溺れるナイフ(2016年製作の映画)

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言葉が物語をグイグイとドライブし、ありえないところまで登りつめる奇跡の映画『おとぎ話みたい』で山戸結希監督の崇拝者になった者です。
初の本格的商業映画ということで、期待よりも不安の方が大きかった。彼女
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ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

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欠点がないのが欠点、なんて言うと怒られるかな。安定感ありすぎて物足りなさを感じてしまうというか。
とにかく憎たらしいくらい上手いですよね。こんなのをサラッと作っちゃうんだから手に負えない。
クリント・
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淵に立つ(2016年製作の映画)

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語り口も映像表現も邦画離れしてるのに、でも紛れもない邦画という奇妙な感触が印象的。深田晃司監督の新作は、黒沢清作品とも比較されそうな家族ホラーにして今年の重要作のひとつ。

こういう物語だと、平和だっ
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七人の侍(1954年製作の映画)

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待望の4Kリマスター版で鑑賞。
何度も観てる作品だけど、これほど鮮明な映像で観るのは初めて。あらためて本作の素晴らしさに感動しました。修復作業に関わった方々の労を讃えたい。

惜しむらくは午前10時の
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ホース・マネー(2014年製作の映画)

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ペドロ・コスタ初体験は、去年観た『神々のたそがれ』に近い印象。つまり1ミリも理解できないのに、物凄いものを観てしまったという感覚だけが強く残るという。

完璧な構図とライティングで作られた光景はこの世
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レオン 完全版(1994年製作の映画)

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リュック・ベッソンの遺作にして最高傑作。もちろん冗談ですが、自分の中では本作を最後に彼は死んでいます。こんな傑作を残せたんだからそれでもいいじゃんね。

完全版を観るのは多分はじめて。レオンとマチルダ
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オーバー・フェンス(2016年製作の映画)

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佐藤泰志の函館三部作、映画では最終章だけど執筆順では最初なんですね。小説家になる夢を諦めかけ、故郷の函館で職業訓練校に通っていた経験が元になっているのだとか。

激情型の女性を愛してしまう男を描いた映
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冬冬の夏休み(1984年製作の映画)

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デジタルリマスター版にて、『恋恋風塵』とあわせて鑑賞。もちろん両作品とも台湾映画を代表する傑作です。

母が入院しているあいだ、小学校を卒業したばかりのトントンと妹のティンティンは田舎の祖父の家で過ご
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アスファルト(2015年製作の映画)

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フランス郊外の老朽化した団地を舞台に、偶然出会った6人の男女が織り成すファンタジックな群像劇。
シュールさ一歩手前の独特の間と静かな語り口が北欧映画を思わせます。ベント・ハーメルやアキ・カウリスマキが
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あなた、その川を渡らないで(2014年製作の映画)

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先日観た『ふたりの桃源郷』でも、こんなに仲のいい夫婦が存在しうるのか?!と驚いたものですが、韓国にはそれを凌ぐ夫婦がいました。
90代と80代のご夫婦なのに、まるで10代の恋人同士のようなふたり。悪戯
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

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シネツインさよなら興行のフィルム上映にて。
もはや語り尽くされてる作品なので、自分なんかが付け加える事など無いのですが。

自由や利便性と引き換えに孤独を背負うことになった現代人は、その疎外感や焦燥感
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ティエリー・トグルドーの憂鬱(2015年製作の映画)

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予備知識なしで鑑賞しその素晴らしさに驚いた。ダルデンヌ兄弟の新作なの?とエンドロールで確認するもさにあらず。
ステファノ・ブリゼというフランス人監督、作品数は多くないけど興味を惹かれるフィルモグラフィ
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ストリート・オーケストラ(2015年製作の映画)

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サンパウロのスラム街にある学校で音楽を教えることになった名バイオリニストと劣悪な環境に育った生徒たち、反発しつつも信頼関係を築き、途中起きる悲劇を乗り越えて見事な演奏を披露する。
サッカーやストリート
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イレブン・ミニッツ(2015年製作の映画)

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スコリモフスキの他の作品は『エッセンシャル・キリング』しか観ていないので作家性とかはよくわからないです。なので単品での感想を少々。

様々な人間模様が11分後の事件に収斂していく群像劇のような作りなん
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汚れた血(1986年製作の映画)

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広島の老舗劇場シネツインのさよなら興行にて。80年代のマスターピースをフィルム上映で鑑賞できる幸せ。特に若い頃に同時代で観た作品の映像が経年劣化していく様は自分の肉体の衰えとも重なるわけで、味わい深さ>>続きを読む

食卓(2016年製作の映画)

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PFFアワード入選作を配信で鑑賞できると知り、まずはグランプリ受賞作品から。

最底辺生活者コメディとでも言うのが適当でしょうか。
年金生活の父とニートの息子のゴミ溜めのような生活。ある日、父が結婚相
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What Is It?(原題)(2005年製作の映画)

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カナザワ映画祭2016のラストを飾るのはクリスピン・グローヴァーの朗読パフォーマンス「ビッグ・スライドショー」と併映の本作。前日の終わらないQ&Aセッションに辟易しつつも、映画はきっと素晴らしいに違い>>続きを読む

花に嵐(2015年製作の映画)

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カナザワ映画祭2016期待の新人監督枠にて。
観客賞と出演俳優賞(里々花)をダブル受賞した作品。自分も今回の3本の中ではダントツに好きだったので一票を投じましたよ。

大学の映画サークルに入った”僕”
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さいなら、BAD SAMURAI(2016年製作の映画)

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カナザワ映画祭2016期待の新人監督枠にて。
期待の新人監督賞を射止めたのは本作でした。監督本人も驚いてたけど、カナザワらしさということでは順当な結果かと。

はじめて作った自主制作映画『BAD SA
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狂える世界のためのレクイエム(2015年製作の映画)

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カナザワ映画祭2016期待の新人監督枠にて。
社会に怨恨を持つ男が自殺女性を救った縁からふたりはテログループを結成する。メンバーを集め一人一殺を掲げトレーニングに励むも実行される事はなく目的を失いはじ
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好色日本性豪夜話(1971年製作の映画)

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カナザワ映画祭2016オールタイムベスト作品リバイバル上映にて。
といっても、オールタイムベストは本宮映画劇場田村修司館主の語りと「ピンク映画いい場面コレクション」で、本作は関連作品として併映されたも
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It Is Fine! Everything Is Fine.(原題)(2007年製作の映画)

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カナザワ映画祭2016オールタイムベスト作品リバイバル上映にて。
監督のクリスピン・グローヴァー本人が朗読する「ビッグ・スライドショー」とペアでないと上映できないという、鑑賞ハードルが極めて高い作品。
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ハードコア(2015年製作の映画)

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カナザワ映画祭2016ジャパンプレミア&爆音上映にて。
全てのシーンが主人公の主観視点のアクション映画。いつか誰かがやるだろうと思ってたけど、まさかロシアから出てくるとは。

主人公のヘンリーが目覚め
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戦争のはらわた(1977年製作の映画)

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カナザワ映画祭2016戦争映画特集の一本。
いつもは悪役としか描かれないドイツ軍の物語を強烈なバイオレンスで描写したペキンパー作品。ドイツ語版&爆音上映で。

原題は「鉄十字勲章」というドイツ軍人にと
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