クドゥーさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.5

『根絶やしにされるのは、生き方がつまんねえからだ』

ゲゲゲの鬼太郎誕生の謎が明かされるテレビシリーズの劇場版。まなちゃん不在の中第6期に地続きというのはモチベ維持困難と思いきや、ゴジマイの完全上位互
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(2023年製作の映画)

2.5

『大変なことになっているのは、時を超えて万国共通』

自分の眠るベッドに毒蛇を発見した男の物語だと普通に分かる短編映画。昨日よりもダイアログの割合がさらに増しているからだろうか、こういう見せ方もありか
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ネズミ捕りの男(2023年製作の映画)

2.5

『他人を再現するどころか、他種族を顕現させる意義』

ネズミ駆除を生業にしている男を描いていると僕にでも分かる短編映画。これまでの作品と比べてダイアログの割合が多いおかげだろうか、何がしたいのかを読み
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白鳥(2023年製作の映画)

2.5

『いじめられた記憶とは、成長した僕の隣に並び立つ』

いじめっ子の標的となった少年が大人になって回想しているはずの短編映画。例によってこの語り口では情報の処理として終わってしまうが、最後じいさんが要す
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ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

2.5

『感情は全く動かない、見聞きするもの全てが情報』

ネトフリのあらすじもよく分からないことになっている金持ち主役の短編映画。ウェス・アンダーソンは苦手な監督の一人であるのだが、短い時間に様式を詰め込ん
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駒田蒸留所へようこそ(2023年製作の映画)

4.0

『繰り返し回転する時代に、変わらない芯となるもの』

家族の蒸留所を受け継いだ若き女性社長が新米編集者と事業の復活を目指す吉原正行監督作品は、望まない道が仕事になっていくまでの過程が淡々と内なる熱さの
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さよならの朝に約束の花をかざろう(2018年製作の映画)

4.0

『最後まで一緒にいられない、別れの呪いに祝福を』

十代半ばで発育の止まる少女が人間の少年の母親になるファンタジー映画。ベースが脚本家だからこそ踏み込むラストに劇場では号泣したが、達観して鑑賞した今悪
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沈黙のパレード(2022年製作の映画)

3.5

『大企業の事案だし、法律相談は済んでいるだろうが』

天才物理学者が警察から少女殺害事件の捜査協力を依頼されるミステリー映画。お馴染みのやり取りもパズルを組み立てる感覚も面白いが、トリックどころか外敵
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.5

『命を捨てるのは簡単、抗い続ける困難に向かって』

戦後マイナスとなったこの国で市井の人々が巨大怪獣に挑むゴジラ映画。面白くないものはただ切り捨てられるシンゴジラ以降の時代、その象徴たる男が作家性を全
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デジモンアドベンチャー02 ディアボロモンの逆襲(2001年製作の映画)

4.5

『最強の象徴を超えて、聖騎士がその力を覚醒する』

復活した最強の敵に対し選ばれし子供たちが総出で戦うデジモン映画。オメガモンで卒業するかパラディンまで経験するかはあまりに大きくて、空ちゃんは先に太一
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デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!(2000年製作の映画)

4.5

『ぼくら世代が最強を知る、その最たるものがオメガ』

人間世界に帰還した選ばれし子供たちが最強の敵と戦うデジモン映画。SF映画としても圧倒的な情報量による面白さの暴力を誇るのに、空ちゃんとのすれ違いな
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デジモンアドベンチャー(1999年製作の映画)

4.5

『信じられないようなものを、あの頃の僕は見てきた』

選ばれし子供たちとデジタルモンスターが初めて出会うデジモン映画。未知と遭遇した兄妹の無垢な心と勇気の行動は言葉よりもずっと雄弁で、高らかに鳴り響く
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バビロン(2021年製作の映画)

4.0

『映画を映画たらしめる、時を忘れる編集の魔法』

ハリウッド黄金期を駆け抜けた三人の男女の栄枯盛衰を描いたドラマ映画。技術が発展するにつれて創作の幅が狭まるという皮肉に前にして、彼らが生きた証は彼らが
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デジモンアドベンチャー02 THE BEGINNING(2023年製作の映画)

4.0

『選ばれなかった大人たちへ、これは僕らの冒険だ』

次世代の選ばれし子どもたちがその裏にある真実に迫る「デジモンアドベンチャー02」劇場版は、観客たちに引導を渡すことで思い出補正されたドラマを締め括っ
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

4.0

『ただ一人の自分がいて、光の中で始まった物語』

映画館で働く女性と新人として入った青年の交流を描くラブストーリー映画。映画も黒人差別も日常の一コマとしてそこにあることで、作劇に奥行きがあるしこういう
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.0

『これからの僕たちは、予定調和を超えるしかない』

男同士の友情の決裂が死を待つだけの人生に一石投じていくマーティン・マクドナー監督作品は、象徴化したいならこれぐらいやれよと叩きつけてくる挑戦状に脳み
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リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

2.5

『45日ルール形骸化の今、君たちに何ができるか』

人間の王子に恋をした人魚姫が魔女と怪しげな取引きをするディズニー実写化。思ったとおりこの内容で2時間超えている狂気の作劇で、ポリコレがどうこうと言っ
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リトル・マーメイド(1989年製作の映画)

3.5

『どこをどう切り取っても、一枚絵を飾れる美しさ』

人間の王子に恋をした人魚姫が魔女と怪しげな取引きをするディズニー映画。つまらん理屈を並べているよりも欲望に忠実でいいし、スコアの魅力で持っているとい
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ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出(2023年製作の映画)

3.0

『この感動に取り残される、これが僕の人生であると』

ディズニーキャラクターが100周年記念に写真を撮るショートアニメ。テレ東のミッキー以外思い入れもないのでふーんって感じだが、ここ数年記憶に残るキャ
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

2.5

『原作がないことは、オリジナリティの証明ではない』

AIとの戦争で妻を失った男が目的のため少女型AIに近づくSF映画。この作品での人類対AIは戦争映画における自国対他国であり、人ならざる者への葛藤が
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北極百貨店のコンシェルジュさん(2023年製作の映画)

4.0

『走り続けた先で、あの日憧れた背中が待っている』

お客様が動物の百貨店で新人コンシェルジュが一人前を目指すお仕事映画。連作短編集的な構成とプリキュアの尺が噛み合っており、工夫を凝らした展開とそれを彩
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.0

『じゃあな最悪、都合いい時代に生まれただけの凡夫』

報道記者たちが大物映画プロデューサーの性的暴行事件を告発するドラマ映画。作品に罪はないという痴れ事は日本でも改まりつつあり、スポンサーという数の暴
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.0

『夢追う理由は一つ、それはこの世に生まれたから』

映画の魅力に取り憑かれた少年がその道で生きるまでの半生を描くドラマ映画。家庭の不和や青春の痛みを昇華する生易しい物語ではなく、人生を変えた出来事さえ
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.0

『自分を守るために、捨てられることが容易い世界へ』

性犯罪被害に遭った村の女性たちが未来の選択について話し合うドラマ映画。朴訥とした語りはT・マリック然としていて流れていくが、何を言っているのか分か
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AIR/エア(2023年製作の映画)

4.0

『世界を変える神通力は、人間同士の摩擦にしかない』

誰もが知るバスケットシューズ「エア・ジョーダン」の誕生を描く伝記映画。勇気を持ってワンチャン掴み取る魅力的なお仕事映画だが、誰がどう観ても心に刻ま
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.0

『この枠でしかできないことが、まだあると信じてる』

コインランドリー経営者の女性が並行世界をトリップし宇宙を救うSF映画。今の時代「最後に愛は勝つ」って叫んでも誰も聞かないので、脳が震える程のアイデ
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死霊館のシスター 呪いの秘密(2023年製作の映画)

3.0

『往々にして予告編がピーク、分かってはいたけれど』

ルーマニアの事案を解決したシスターが遂にその元凶と対峙するホラー映画。ウォーレン夫妻がいないと設定がよく分からないのだが、『ダンケルク』みたいな最
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死霊館 悪魔のせいなら、無罪。(2021年製作の映画)

3.0

『この先見直されるであろう、悪魔を検証する意義』

悪魔に取り憑かれた殺人被疑者のためウォーレン夫妻が奔走するホラー映画。恐怖体験としては冒頭がピークでその後は緊張感に欠けるが、悪魔相手に最後に愛は勝
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アナベル 死霊博物館(2019年製作の映画)

3.0

『会いたい人がいる、それがたとえ呪いだとしても』

アナベルを封印した部屋が夫妻不在の間に大変なことになるホラー映画。博物館っていつものウォーレン一家宅じゃねえかと思いきや、よく分からん日本の甲冑など
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ラ・ヨローナ~泣く女~(2019年製作の映画)

3.0

『自らの命を捨てる程の、本能と本能のぶつかり合い』

シングルマザーの家庭に子どもたちを執拗に狙う悪霊が襲い来るホラー映画。今度の敵はワンチャントラブルに端を発しているとはいえ、溺死への異常な執着は現
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死霊館のシスター(2018年製作の映画)

3.0

『何としても正史に結びつける、その執念こそが最恐』

見習いシスターが修道院で自ら命を絶った尼僧の真相に迫るホラー映画。アナベルさんの不在のためか一ミリも怖いシーンがないのだが、儀式的な構図はそれだけ
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アナベル 死霊人形の誕生(2017年製作の映画)

3.5

『ちょっと様子を見てくる、それが命取りの時代に』

孤児院を追われた少女たちが幼い娘を喪った夫婦の館に身を寄せるホラー映画。「死霊館」本編と最も異なっているのはドラマ性の有無であり、恐怖そのものが目的
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デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆(2020年製作の映画)

4.0

『進み始めたその道が、四半世紀後の引導だとしても』

大人になった太一とアグモンたちに突然別れの時が迫るデジモン映画。アバンに「ボレロ」が奏でられた瞬間にこれは僕らだけの映画となり、世代を超越し社会現
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.5

『善人一人が懸けた年金は、悪人百人の命よりも重い』

安住の地を見つけた男が悪を見過ごせない心と葛藤するシリーズ第三弾。美しい街並みと人々の優しさに作品を間違えたかと思ったが、カタルシスを通り越して道
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ガールズ&パンツァー 最終章 第4話(2023年製作の映画)

4.0

『たとえ昨日に止まっても、今日は新しい風が吹く』

過去最長のお預けを食らっている間に十年選手へと突入していた大洗女子学園の最終戦第4章は、これまで無双状態だったあんこうチームの不在というシリーズ最大
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死霊館 エンフィールド事件(2016年製作の映画)

4.0

『孤独の闇に立ち向かうのは、味方の味方という光』

ウォーレン夫妻が周りの手に負えなくなった海外事案に挑むホラー映画。前作からモリモリでマシマシになった恐怖演出もさることながら、被害家族以上にこの界隈
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