すいさんの映画レビュー・感想・評価

すい

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アスファルト(2015年製作の映画)

4.0

オストルンド的なシニカルなオープニング、イザベル・ユペールはいつ出てくるんだいと不安になったが、観終わってみたらほっこり優しい物語だった。

ヘリコプターを地上から見上げるように下から撮った画が好き。
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スノータウン(2011年製作の映画)

3.9

閉鎖的なコミュニティ、貧困、虐待、支配。これが実話っていうのがさらに心が沈む。

性的虐待をはたらいた近所の男に仕返しをしてくれた母の恋人ジョンを父のように慕うジェイミー。ジョンは同性愛者や小児性愛者
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

4.0

色がない世界。寂れた建物。未来の技術が詰め込まれた機械は有機質的で虫や動物を連想させるグロテスクで前時代的な造形。ガクングクン揺れる食事補助のブレックファスターチェア…食べられんだろ。

手術はセック
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エリザベス:ゴールデン・エイジ(2007年製作の映画)

3.5

衣装や照明でエリザベスがどんどん神格化。
裏切られて一人の女として怒り狂うエリザベスの姿は悲しい。

ベスめちゃくちゃ可愛かった。

エリザベス(1998年製作の映画)

3.7

登場したときは可憐な姫だったエリザベスがラストは威厳に満ちた女王に。ケイト・ブランシェットすごい。

ヴァンサン・カッセルのアンジュー公が割と好き。

スカーフェイス(1983年製作の映画)

3.9

冒頭の難民収容所の暴動とラストの銃撃戦のシーンの迫力。

“The World is Yours”

終始つまらなそうなミシェル・ファイファー。コカインの山に顔突っ込んだ後、鼻頭に粉つけてるあざとい系
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EO イーオー(2022年製作の映画)

4.5

離れ離れになったカサンドラを求めて放浪するEO。

EOのつぶらな瞳を通して映し出される愚かな人間たち。鮮烈な赤。森の中のレーザー光線。風力発電装置とバードストライク。四つ脚ロボット。逆再生されるダム
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明日に向って撃て!(1969年製作の映画)

3.8

頭の回転が速いブッチ、早撃ちの名手サンダンス・キッド。列車強盗や銀行強盗で名を馳せた二人。新天地ボリビアで心機一転のはずだったが。

強盗としてしか生きられない二人。エッタを連れたボリビアへの逃避行。
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ソフィーの選択(1982年製作の映画)

4.5

南部からブルックリンにやって来た作家志望のスティンゴ。下宿先で出会った美しいポーランド人ソフィーと嵐のような男ネイサンのカップル。

共依存のような激情的で破滅的で蜜月なソフィーとネイサンの愛。ソフィ
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何がジェーンに起ったか?(1962年製作の映画)

4.1

”ベイビー・ジェーン”として一世を風靡した子役ジェーンに巣食った慢心と、ジェーンの陰で復讐心を育ててきた姉ブランチ。大人になり立場が逆転したかと思いきや、ブランチは事故で車椅子生活となり女優としてのキ>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

4.5

最高にハッピー。マーゴット・ロビーとライアン・ゴズリング見事にはまってた。『アグリー・ベティ』大好きだった自分としては、アメリカ・フェレーラが出てるのも嬉しい。

mojo dojo casa hou
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ライフ・ウィズ・ミュージック(2021年製作の映画)

3.2

アルコール依存症の姉ズーと自閉症の妹ミュージック、これまでミュージックの面倒を見てきた祖母の急死により始まった二人暮らし。優しい隣人エボ。ミュージックを離れたところから見つめる少年フェリックス。

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イノセンツ(2021年製作の映画)

3.9

父の転職により団地に越して来た4人家族。バカンスで多くの家庭が家を空けており、閑散としている団地。イーダは、自分の心の闇と共鳴したかように出会ったベン。自閉症で話すことができないイーダの姉アナの心の声>>続きを読む

イヴの総て(1950年製作の映画)

4.0

イヴが大女優マーゴの追っかけから女優として上り詰めるまで。

可憐なイヴが徐々に本性を現し貫禄ある悪女に変化していく様は見事。ベティ・デイビス演じるマーゴもかなり自分勝手なんだけど、策士のイヴは利用で
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マップ・トゥ・ザ・スターズ(2014年製作の映画)

3.8

自惚れ子役スターのベンジー、胡散臭すぎるセラピストの父、ベンジーのマネージャーを務める母。セレブ一家には決して触れてはいけない過去と秘密がある。

落ち目の女優ハヴァナ。若くして亡くなった大女優の母の
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サンセット大通り(1950年製作の映画)

3.8

売れない脚本家ジョー。借金取りから逃れたどり着いたのはサイレント映画のスター、ノーマ・デズモンドの屋敷。自らサロメの脚本を書き映画界に返り咲こうとするノーマを利用して、借金を返そうと目論むジョーだった>>続きを読む

イエス様 マリア様 ヨセフ様(2018年製作の映画)

3.8

けたたましく泣き喚き続ける妻(嘆きの中に嫌味を挟むのも忘れない)。家ほったらかしの父をなぜか敬愛し、父の望む葬儀のため奔走する息子イーシ。ゴシップ大好きご近所。怖いものなしの看護師長。傲慢な聖職者。面>>続きを読む

Mank/マンク(2020年製作の映画)

3.9

ハーマン・J・マンキウィッツが自身と新聞王ハーストの過去を回想しながら『市民ケーン』を書き上げるまでの物語。劇中オーソン・ウェルズはほぼ出てこないし、マンクが全編を一人で書いている。しかもクレジットに>>続きを読む

市民ケーン(1941年製作の映画)

5.0

全てを手に入れて、全てを失った男、ケーン。愛を求め続けたケーン。
彼の遺した「バラのつぼみ」の言葉の意味するものを明らかにしようと、新聞記者は彼の人生を辿る。

撮影がすごい。特殊メイクがすごい。
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マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

4.5

マルセル愛おしい。

家族と引き離され、おばあちゃんとふたり暮らしのマルセル。人間に見つからないようひっそり暮らしていたが、ディーンと出会い世界が広がっていく。
家族や仲間に再会したい気持ちと、おばあ
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ドラキュラ(1992年製作の映画)

3.3

亡き妻に瓜二つのミナを手に入れようとあの手この手を駆使するドラキュラ伯爵。伯爵にどうしようもなく惹かれていくミナ。いくら前世の繋がりがあるとしても、あまりにもあっさり伯爵に転んでしまって。
キアヌ・リ
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ノスフェラトゥ(1978年製作の映画)

4.3

オープニングのミイラの映像ゾワッとする(本物のミイラらしい)。
画面を埋め尽くす夥しい数のネズミと棺桶の行進。死が訪れるまで宴に興じる人々。
透けるような白さのイザベル・アジャーニとその腕に抱かれてう
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ヴォイツェック(1979年製作の映画)

3.9

“立派な殺人 見事な殺人 正真正銘の殺人
人が望み得ないほど見事な殺人
かくも見事な殺人は久しくなかった”

貧しい兵士ヴォイツェク。人体実験に協力している彼の食事は豆だけ。彼には「声」が聞こえ、いつ
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.2

絵は綺麗。

思ってたよりは面白かったけど、いちいち恋愛絡めなくていい。椅子になった男をキスして起こすとか唐突に椅子に座るとか気持ち悪い。「好きな人のところへ!」で総毛立った。あれさえ言わなければもう
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ツィゴイネルワイゼン(1980年製作の映画)

4.4

士官学校のドイツ語教授青地とかつての同僚中砂、旅先で芸者の小稲と出会う。1年後、結婚なんかしないと豪語していた中砂が良家の娘と結婚したと知らせを受け中砂家を訪れた青地、彼を出迎えた中砂の細君は小稲と瓜>>続きを読む

バーバリアン(2022年製作の映画)

3.4

思ってたのとはまた違う怖さを味わえた。しかしあの人はあの体型なのに屈強すぎるし俊敏すぎる。そしてあの家の事情を知りすぎているあの人はなんなの。

テスの荷物の『ジェーン・エア』が意味深。

MAMA(2013年製作の映画)

3.5

やっぱり虫(今回は主に蛾)が出てくるのか。

5年間育てたヴィクトリアとリリーに執着し続けるママ。我が子そっちのけで2人を取り返そうと必死。徐々にアナベルに対して心を開いていくヴィクトリアに対して、終
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哀しみのトリスターナ(1970年製作の映画)

3.8

貴族の身分に驕り労働者を蔑むロペ。家族からは疎まれ、両親は彼に遺産を残さなかった。そんな男のもとに養女として引き取られた可憐な少女トリスターナ。彼はトリスターナを自分の所有物と勘違い。“父親であり夫で>>続きを読む

ステラ(1990年製作の映画)

3.4

酒場でバーテンダーとして働くステラ。インターンとして町にやって来た医大生スティーブンは自分と正反対の彼女に一目惚れ。2人は期限付きの恋を楽しんでいたが、想定外の妊娠。スティーブンは彼女にプロポーズする>>続きを読む

サンセット(2018年製作の映画)

4.0

第一次世界大戦前夜のオーストリア=ハンガリー帝国、貴族御用達の高級帽子店。かつては両親のものだったその店で働くためにブダペストを訪れたイリスは兄の存在を知る。兄の行方を探すうち、イリスは激動の渦に飲み>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

5.0

“我は死なり、世界の破壊者なり”
科学者としての残酷な好奇心が世界を変えてしまった。

ちょっと気を抜くと置いていかれる怒涛の180分。トリニティ実験は劇伴も相まって手に汗握った。

ラミ・マレック全
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ナイン・マンス(1976年製作の映画)

4.5

自立心が強い女と家父長制に囚われた男。2人がうまくいくはずもなく。2人が宿した命はユリの胎内でただ粛々と誕生の時を待つ。

ヤーノシュが初めてユリに出会った時の、じとっとした視線の動きをなぞったカメラ
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水のないプール(1982年製作の映画)

1.8

水のないプールでシャボン玉を吹く謎の女と会うたび露わになっていく、男の倒錯した欲望。

冒頭の女性のモノローグから気持ち悪かったけど、全編通してずーっと気持ち悪い。こんなに不快な作品もなかなかない。

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.6

和山やま作品のじわじわ押し寄せてくる笑いが、映像作品だとやっぱりちょっと違ってくる。でも十分楽しい。狂児と聡実かわいすぎだろ。

げんきおまもり、私もほしい。

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.1

サスペンス系かと思ったら、是枝監督お得意擬似家族のお話だったのか。思いがけず泣けた。ソン・ガンホと赤ちゃんの組み合わせが微笑ましい。

韓国の出生率は日本よりもさらに低い。劇中、赤ちゃんポストを利用し
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王女メディア(1969年製作の映画)

3.9

半人半馬のケンタウロスがあるときは人間の姿をしていたり、メディアがコリントス王の娘に呪いをかけるシーンは細部を変えて2回繰り返されたり、古典邦楽が使われてたり。

エキゾチックで美しい風景と衣装。マリ
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