ナガエさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ナガエ

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658km、陽子の旅(2023年製作の映画)

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とにかく、菊地凛子の存在感が見事な作品だった。

菊地凛子が演じたのは、20年以上前に父親の反対を押し切って東京に出てきたものの、夢破れたままほぼ引きこもりのような生活をしている工藤陽子。冒頭のシーン
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夢みる校長先生 子どもファーストな公立学校の作り方(2023年製作の映画)

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さて、この映画はホントに、「親、あるいは親になるつもりがある人」は全員観るべきだと思う。それは、「親でもないし、親になるつもりもない僕」が観てもためになったから、という理由もあるのだが、より実際的な理>>続きを読む

クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男(2019年製作の映画)

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さて、僕が観たことのある「クエンティン・タランティーノ作品」は、『パルプ・フィクション』だけである。しかも、最近映画館で観た。リバイバル上映的なやつだ。他の作品は、『KILL BILL』以外、タイトル>>続きを読む

炎上する君(2022年製作の映画)

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さて、まずは、ちょっとだけ「炎上」しそうな話から始めよう。

「なぜ、梨田と浜中は『変な人』として描かれなければならないのか」

についてである。

僕は今40歳なので、昭和のテレビ番組についてもざっ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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なかなか面白かった。この映画については、特に積極的に調べるまでもなく、なんとなくの評価が視界に入ってくるので、かなり良い評価と、かなり悪い評価で二分されているような印象だった。そんな印象のまま観に行っ>>続きを読む

ミャンマー・ダイアリーズ(2022年製作の映画)

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ちょっと悪い聞こえ方になるかもしれないが、こういう作品は「存在するだけで価値がある」と僕は思う。「その内容をどう評価し、どう批評するか」みたいなレベルとは違うステージに存在しているはずで、だからなんに>>続きを読む

ナチスに仕掛けたチェスゲーム(2021年製作の映画)

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つまらなかったというわけではないが、メチャクチャ面白いわけでもない、という感じの作品だった。

そもそもだが、『ナチスに仕掛けたチェスゲーム』というタイトルからなんとなくイメージしていた作品と全然違っ
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イノセンツ(2021年製作の映画)

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これはなかなか凄まじい映画だったなぁ。僕は恐らくこの映画、映画館で予告を一度も観たことがなく、上映直前になんとなくこの映画の話題がフッと湧き上がってきた、みたいな印象があった。そんなわけで僕は、予告も>>続きを読む

わたしたちの国立西洋美術館~奇跡のコレクションの舞台裏~(2023年製作の映画)

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映画としてメチャクチャ面白かったというわけでは決してないけど、普段見られない「美術館の裏側」を知れたことはなかなか興味深かった。国立西洋美術館は何度か言ったことがあるし、割と近くに住んでいるので、「改>>続きを読む

シモーヌ フランスに最も愛された政治家(2022年製作の映画)

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やはり世の中には凄い人がいるものだなと思う。「シモーヌ・ヴェイユ」という人物のことは、この映画を通じて初めて知ったけど、「人類の歴史に名を刻む人物の一人」だなと感じた。映画の副題に「フランスに最も愛さ>>続きを読む

サントメール ある被告(2022年製作の映画)

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これはちょっとダメだったなぁ。全然ストーリーが理解できなかった。あまりにも意味が分からなかったので、「裁判を傍聴していたラマが実は子供を殺した犯人なのだが、法廷に立っているロランスが彼女の身代わりとな>>続きを読む

裏切りのサーカス(2011年製作の映画)

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久々に、作品の考察を探して読んだ。

あらかじめ、「一度観ただけでは理解できない映画」という情報だけは知っていたので、覚悟して観ていたのだが、大枠の物語はさして難しくなかった。「英国情報部(=サーカス
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アイスクリームフィーバー(2023年製作の映画)

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さて、とてもビジュアルテイストで音楽チックな映画だった。いつもの如く詳しいことを知らずに観に行ったので、監督がアートディレクターを主戦場とする人であり、初の映画監督作品であるということも知らなかった。>>続きを読む

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

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僕は基本的に異性の友だち(僕は男なので、女友だち)が多い。というかある年齢以降、「女性とは友だちになろう」と思考を切り替えたこともあり、恋愛関係にならない女友だちが、普通の男よりは多くいると思う。>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

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これは良い映画だったなぁ。シンプルな設定だけど奥深いし、説教臭くなりがちなテーマを扱っているにも拘わらずまったく説教臭くない。それぞれの立場がさりげなく描かれつつ、お互いがお互いと関わることで、今の立>>続きを読む

Pearl パール(2022年製作の映画)

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いやー、しかし、イカレぶっ飛んだ映画だったなぁ。なにこれ???

舞台となるのは、1918年のアメリカ。当時は「スペイン風邪」が世界中猛威を振るっており、特に年配の人ほど過敏になっていた。
田舎の農場
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キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(2021年製作の映画)

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映画のタイトルになっている『キャロル・オブ・ザ・ベル』は、歌の名前だそうだ。一般的には「クリスマスキャロル」として知られているらしく、僕も、曲名にはピンとこなかったが、作中で何度も歌われたその歌は、聞>>続きを読む

To Leslie トゥ・レスリー(2022年製作の映画)

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物語的にグッと来たかというとそんなことはないのだけど、とにかく主演の女優の演技が見事だったなぁ、と思う。ひたすら、「嫌な女」だったし、その「嫌な感じ」をメチャクチャ上手く演じていた。かなり引き込まれる>>続きを読む

英国王のスピーチ(2010年製作の映画)

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ここ1年ぐらいの間に、ビートルズのドキュメンタリー的なものを3つほど観た(特にビートルズには興味はないのだが)。その中の描写で驚かされたのが、「ビートルズが、イギリスの階級社会をぶっ壊した」という描写>>続きを読む

山女(2022年製作の映画)

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ちょっとなんとも言いにくい映画ではあったなぁ。ダメだったってことはないんだけど、ズバッと来たという感じでもない。ただ、上手く説明できないが、「観て良かった」という感じはする。

先に書いておくと、そも
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スラムドッグ$ミリオネア(2008年製作の映画)

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さて、インド映画だからこそ成立するという感じではあるけど、面白い映画だったなぁ。別に「スラム出身」の少年が主人公だからというわけじゃなくて、「さすがにそれは、ちょっと都合良すぎるだろ」みたいな展開が多>>続きを読む

マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

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いやー、面白いじゃないか、マルセル。これは、メチャクチャ良い映画だった。正直、観ようかどうしようかって当落線上の映画だったんだけど、今日がファーストデイで良かった。違う日だったら、観るのを後回しにして>>続きを読む

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

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いやー、ホント、やっぱり世の中に「天才」っているもんだよなぁ、って思った。凄いもんだわ。

だって、「タイムループ」ものですよ。そんな設定、もう、世界中でやり尽くされてるじゃないですか、たぶん。もちろ
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告白、あるいは完璧な弁護(2020年製作の映画)

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いやー、面白かった!久しく小説を読んでないし、映画もドキュメンタリーとか実話を基にしたフィクションとかばっかり観てるから、こういうバリバリのミステリって久々って感じだったけど、これはまあよく出来てたな>>続きを読む

ミッドサマー ディレクターズカット版(2019年製作の映画)

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なかなかヤバい映画だった。「ヤバい」ということは知っていたが、なんとなくもっと「分かりやすいヤバさ」だと思っていたのだ。血みどろのパニックホラーみたいなイメージだ。まず、全然そんな物語ではなかったこと>>続きを読む

世界が引き裂かれる時/クロンダイク(2022年製作の映画)

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やはり、ベースの状況に馴染みがないからだろう、物語の前半、どうも設定や展開が理解できず、ウトウトしながら観てしまった。それもあって、結局、どういう話だったのかよく分からないままだった。

もちろん、「
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アシスタント(2019年製作の映画)

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これは凄い物語だった。

正直なところ、この物語を「何も起こらない物語」と要約することも出来ないことはない。いや、もちろんそんなわけはないのだが、観る人によっては、「えっ? これ何の物語?」と感じるか
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

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想像している以上の何かがあったわけではなかったけど、なかなか面白い映画だった。特に、ChatGPTが世界的な話題になっている現在では、よりリアル感をもって受け止められる映画だと思う。恐らく映画の制作は>>続きを読む

ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

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凄い話だった。恐らく、この物語をギリギリ成立させているのが、「実話を基にしている」という外的要素だろう。なんというのか、「実話を基にしている」と言われなければ、あまりにもフィクショナル過ぎて、「受け入>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

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良い映画だったなぁ、良くある物語、よくある構成、と言われればその通りかもしれないけど、その中でとにかく丁寧に物事を描き出していく。展開も上手いし、役者の演技もさすがだなと思う。

予告の段階から、印象
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ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)

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これはメチャクチャ良かった。マジで、特に子育てしている人は観た方がいい映画だと思う。もし僕の子供時代に、こんな先生(に限らないけど、大人)が周りにいたら、少しは社会に希望が持てていたかもしれない。>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

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すごくシンプルな物語で、そのシンプルさ故に、受け取り手の想像力が試されるタイプの映画だと感じた。僕はたぶん、ちょっと想像しきれなかった側の観客かもしれない。この映画が描き出そうとしている「何か」を10>>続きを読む

ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

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いやー、これは凄まじかった。ここ最近、正直、観る映画は「ハズレだなぁ」と感じることが多かったのだけど、久々にズドーンと来る映画だった。凄いものを観たなぁ。


登場人物の一人が、こんなことを口にする場
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アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(2022年製作の映画)

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良い映画だと思う。少し前(レーガン大統領が当選するとかしないとかっていうニュース映像が流れる時代)のアメリカを舞台に、マイノリティに対する差別感情が今以上に厳しかっただろう時代を描いている。あとで知っ>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

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とても引力の強い映画だった。リディア・ターという女性指揮者が主人公なのだが、そのターが放つ「何か」がとても強く、最初から最後までスクリーンに釘付けにさせられた、という感じだった。

ただ、「分かったか
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EO イーオー(2022年製作の映画)

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うーーーーん、最近どうも、「うーーーーん」から始まる感想が多いけど、これも「うーーーーん」って感じだなぁ。

相変わらずどんな映画なのか知らずに観に行っているので、まずは「まさかホントにロバが主人公な
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