ナガエさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ナガエ

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美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

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小林製薬の紅麹問題が大きな話題になっている今、とてもタイムリーな作品と言っていいだろう。もちろん、規模も性質もまったく違う。何せアメリカでは、サックラー家が創業した製薬会社パーデュー・ファーマが発売し>>続きを読む

RHEINGOLD ラインゴールド(2022年製作の映画)

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なかなかおもしろかった。やっぱり、実話が基になっている作品は面白い。本作は正直「冗談みたいな話」であり、フィクションだったらまず受け入れられないだろう。何せ、「銀行強盗で捕まり禁錮8年を食らったのに、>>続きを読む

ビニールハウス(2022年製作の映画)

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決してつまらなかったわけではないのだが、良かったなぁ、という感じでもなかった。

というかこの作品の場合、必然的に観客のハードルが上がる状況がそもそも存在すると言える。

本作の予告は、映画館で散々観
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人体の構造について(原題)(2022年製作の映画)

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うーん、何だったんだ、この映画。凄かったと言えば確かに凄かったが、しかし、全体的には不満足の方が強い。

公式HPには、こう内容紹介が書かれている。

【実際の外科手術を医師の視点で撮影し、人間の体の
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

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いやー、やっぱり浅野いにおは面白いなぁ。『うみべの女の子』はマンガを読んで、実写映画も観たし、『ソラニン』『素晴らしき世界』『おやすみプンプン』辺りはマンガを読んだ。『零落』は実写映画だけ観た。どれも>>続きを読む

燃えるドレスを紡いで(2023年製作の映画)

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もちろん、そんなことは知っていた。世界中の服がアフリカに捨てられている、なんてことは。ただ「知っている」のと「見て体感する」のとでは、やはり違う。もちろん、「実際に経験する」ことともまったく違うだろう>>続きを読む

12日の殺人(2022年製作の映画)

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本作のテーマは「未解決事件」。公式HPによると、映画では設定をちょっと変えているようだが、本作にはモチーフとなる実際の事件が存在する。そしてその事件は、今も未解決のままだ。

そして本作も、事件は未解
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海がきこえる(1993年製作の映画)

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何に驚くって、そこそこ広い映画館が満員だったってこと。しかも、数日前に座席をチェックした時点でほぼ埋まりかけていたので、慌ててチケットを取ったぐらいだ。若い人も多かったように思う。調べてみると、どうも>>続きを読む

方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~(2024年製作の映画)

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今年もTBSドキュメンタリー映画祭が始まった。自分のスケジュールに合う限り、興味のある映画を観るつもりだ。

とりあえず最初に観たのは、「イエスの方舟」を扱った本作。イエスの方舟が社会問題化したのは、
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π〈パイ〉 デジタルリマスター(1998年製作の映画)

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面白かったかというと、ちょっとなんとも言えない。ただとにかく変な映画で、どことなく惹き付けられる感じもある。全編に渡って「天才の狂気」が充満する作品であり、そのわけの分からなさに放り込まれる感じは、や>>続きを読む

映画 マイホームヒーロー(2024年製作の映画)

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さて、「齋藤飛鳥が出ている」というだけの理由でドラマ『マイホームヒーロー』を観ていて、まあ正直ドラマ版には齋藤飛鳥はあんまり出てこないんだけど、それなりに面白かったので、映画も観てみることに。

なか
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すべての夜を思いだす(2022年製作の映画)

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うーん、ちょっとなんとも言えないなぁという感じの作品だった。悪くはなかったけど、なんともなんとも。

恐らくだが、「単純にストーリーだけを切り出す」みたいなことなら、30分とか45分ぐらいで描けてしま
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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

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何にせよとにかく、『52ヘルツのクジラたち』というタイトルが絶妙だなと思う。この作品はもう、このタイトルで”勝ってる”って感じがする。厳しい言い方をすれば、本作で扱われる様々なテーマは、「現代的な問題>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

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昨日、たまたま観ていたEテレの番組『ニュー試』に、フランスのエリートを養成する学校「グランゼコール」の試験問題が出題された。試験時間は6時間。その問題文は、とてもシンプルだ。

「人間とは何か?」
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英国式庭園殺人事件(1982年製作の映画)

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さて、あいも変わらず、誰なのか知らない監督の、何なのか分からない映画を観に行った。ピーター・グリーナウェイという監督で、1982年公開の映画のようだ。

冒頭が、何かパーティーのような場なのだが、そこ
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ソウルメイト(2023年製作の映画)

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「ソウルメイト」という単語は僕にとって、割と馴染みのある言葉だ。年下の女友達とよく、その話になるからだ。彼女はよく「ソウルメイトが欲しい」と言っている。そして一応、僕もその「ソウルメイト枠」に入れても>>続きを読む

彼女はなぜ、猿を逃したか?(2022年製作の映画)

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いやーホント、途中までどうなることかと思ってた。全然、設定も展開も何もかも、意味が分からなかったからだ。しかし、中盤以降徐々に、「なるほど、もしかしたらそういうことなのか?」となり、やがて「なるほどや>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

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最近、ビクトル・エリセの31年ぶりの映画『瞳をとじて』が公開された。ビクトル・エリセの名前さえ聞いたことがなかったが、予告で結構流れたし、なんか「巨匠」っぽい扱いだったから、観ようかどうしようかと思っ>>続きを読む

WILL(2024年製作の映画)

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いやー、これはメチャクチャ面白かった! 正直、観るかどうか迷ってて、観ない可能性の方が全然高かったので、マジで観て良かった。

観ない可能性が高かった理由は、シンプルに、東出昌大に特に興味がなかったか
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

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実に興味深い作品だった。しかし、その内容に触れる前に、もう1つ興味深かった点に触れておこう。

それは、「今日の満員の観客は、一体どこからやってきたのか?」だ。つまり、「本作の何に惹かれて映画館まで足
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

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まあそりゃあ、「意味分からん」ってのは想定済みなわけなんだけど、にしても意味分からんよなぁ。なんなんこれ?

さて、一応僕のスタンスを書いておくと、どうしても僕は「視覚的な情報」にはあまり上手く反応出
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雨降って、ジ・エンド。(2020年製作の映画)

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いやー、凄いところに突っ込んでいくな、と感じた。正直なところ、最後まで物語を追うと、「面白かった」とは言いにくい作品だ。特に、男の立場だとなおさら。

しかし、そういう自覚を持っているということを前
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

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たまにだが、女友達と生理の話になったりする。

みたいなことから話を始めてもいいのだが、止めておこう。本作では確かに、PMS(月経前症候群)とパニック障害が扱われるのだが、そのような「病気」は決して、
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その鼓動に耳をあてよ(2023年製作の映画)

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ホントに、シンプルな感想としては、「とにかく頭が下がる」である。「究極の社会奉仕」「究極の人相手の仕事」という表現が作中に出てきたが、まさにその通りだ。

映画で扱われているのは、「断らない救急」を1
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熱のあとに(2023年製作の映画)

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女友達とよく、恋愛観の話になる。ちょうど昨日も、そんな話をした。昨日は結局、こんな話になった。「告白っていうのが、『YES』か『NO』か決めなきゃいけないものとして突きつけられちゃうだけだけど、なんか>>続きを読む

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

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いやーこれは、メチャクチャよく出来た物語だった!一応「史実」を基にしているらしいが、舞台は1645年だし、当時の朝鮮の王だった仁祖が記述した日記(かな?)の僅かな記述を基にしていると思われる。映画の冒>>続きを読む

ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

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いやー、これは面白かった!「ゲームストップ株」という単語になんとなく聞き覚えはあったのだけど、それ以外のことは何も知らないで映画を観たので、「これが実話かよ!」と驚かされた。ってかこんな話、「実話」じ>>続きを読む

フェルメール The Greatest Exhibition-アート・オン・スクリーン特別編-(2023年製作の映画)

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とても意外だったのは、フェルメールに関しては書簡も日記も文献も何も残っていない、という話だった。確かに、他の有名な画家だと、「ゴッホが自分の耳を切った」「ピカソには愛人がたくさんいた」のような「絵その>>続きを読む

ホームレス理事長 退学球児再生計画(2013年製作の映画)

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いやーホント、なんか色んな意味でざわざわさせられる映画だった。ホント、何をどう感じたら良いんだろうなぁ、という感じ。

映し出されているのは、「『高校中退した元球児』を集めて再教育するNPO」であり、
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

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僕にとって意外だったのは、原題が「Poor Things」だったことだ。というのも僕は、「哀れなる者たち」だと思っていたからだ。原題をそのまま訳すと、「哀れなる物たち」ということになる。「Things>>続きを読む

鶏の墳丘(2021年製作の映画)

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自分の体質として、マジでどうにかなってほしいなと思っていることがある。それは、「『理解不能なもの』に触れると、抗いがたい睡魔に襲われること」だ。

最近の話で言うと、映画『オオカミの家』がそうだった。
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千年女優(2001年製作の映画)

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いやーーーーーーーー、これはメチャクチャ面白かった!!!「作中で描かれている状況」だけ取り出したら全然大したことないのに、「演出」によってこんなに面白くなるのかと驚愕させられた。

しかし、観てる分に
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

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とてもシンプルで、丁寧な物語だった。ハリウッド映画みたいな怒涛の展開がないと満足できない、みたいな人には恐らく退屈さを感じてしまう映画だと思うけど(まあ僕も、若干退屈を感じないではなかった)、どうにも>>続きを読む

緑の夜(2023年製作の映画)

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なんともザワザワさせられる物語だった。冒頭からずっと「何かちょっと描写が欠けている」と感じるくらい、2人の関係性が謎めいたまま進んでいく。しかし、その謎めいた感じが、割と良いと言えば良い。ギリギリのラ>>続きを読む

王国(あるいはその家について)(2018年製作の映画)

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いやー、久々に、超絶ぶっ飛んだ、なかなかにイカれ狂った映画を観たなぁ。たぶん「永遠に未消化のままの作品」になるだろうけど、一旦観終わった感想としては「観れて良かった」と思う。ちょっとありきたりな表現に>>続きを読む

みなに幸あれ(2023年製作の映画)

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いやー、これはムチャクチャな話だったなぁ。いや、面白かったし、満足度は高いんだけど、ハチャメチャな話だった。ただ、ちゃんと読み解こうとするとかなり深い話だし、それを「ホラー」という枠組みの中で最大限エ>>続きを読む