オロゴンさんの映画レビュー・感想・評価

オロゴン

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タイムズ・スクエア(1980年製作の映画)

4.0

テレビを街に落として破壊し、ラジオで集まってきたファンの中に飛び下りる。それを上から見ている人、引いていくと街と人混みと人が映るのですがそれが美しいです。

ハミダシシスターズが逃げ回ることは街にテレ
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恋恋風塵(れんれんふうじん)(1987年製作の映画)

3.9

トンネルで映画が始まり途中坑道などもでてきますが、屋内の暗いところから奥行きを撮った画面もまたトンネルのようであり、映画やテレビ画面が映るときもトンネルのようです。

看病していた女がバルコニーを出て
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みかへりの塔(1941年製作の映画)

4.6

子どもがバーっと走る。伝達のための声が飛ぶ。造った川に水がドバーッと流れる。

建物の中に人物がどっしりといる画面もあれば、外を生き生きと動き回る画面もあります。例えば山の斜面で寝転ぶところに自然地形
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.6

子どもと大人の間の時に、居場所が無い感覚がどうしようもなくあるということかもしれません。

ただ、その居場所の無さと向き合いどこまでも彷徨い続けようとすることが、成熟した老人の行動とリンクすることに、
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珈琲時光(2003年製作の映画)

3.9

2000年代初期の東京が映っています。

電車を外からも中からもとんでもない撮り方をしています。
駅に電車が着いて、ちょうどいい位置の扉から俳優が下りてくるのが一連で見られますが、もうすごいなあ…と思
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ありふれた教室(2023年製作の映画)

3.8

面白いです

学校は授業の中で数学的な意味での「証明」は「主張」とは異なることを教えますが、社会(共同体)としての学校は主張によって運用されている、みたいな話

証明を理解する少年が社会によって不当な
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地下室のメロディー(1963年製作の映画)

3.8

結構チャラいですが、いざ作戦が実行され始めてからは硬派に空間の活劇です。最後は次々とやってくる警察官たちのサスペンスから洒脱な終わり方。全体的に演出がキザな印象はありますが、最後まで緊張感が高まり続け>>続きを読む

冬冬の夏休み(1984年製作の映画)

4.0

のんびりした田舎の夏を素早く通過する横の動きに驚かされます。

冬冬と妹が二階の廊下を何度も何度も往復しますが、その足音を聞きつけた医者のおじいちゃんが奥行きからやってきます。
それは楽しげな運動です
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胸騒ぎ(2022年製作の映画)

3.6

おお〜これは怖い。シンプルに話が怖く、事態の真相が明らかになってから怖さがちゃんと加速するアメリカンなホラーだなと思いました。

近年のホラーは派手過ぎるか変過ぎるかで怖さを逸脱しているものも多い印象
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水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)

2.4

これは青春映画ではなく不条理劇です。

干上がったプールに降り積もる砂は掻き出しても掻き出してもなくなる気配がありません。
『砂の女』を思い出すような地獄絵図の中、抑圧された若者がもがきます。

脚本
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異人たち(2023年製作の映画)

4.0

主人公がゲイであることを母に話す場面の演出が印象に残ります。

テーブルまたいで向かい合う母と息子。息子が母に打ち明けた後、母が自分で淹れた紅茶を台所に捨てに行きます。それに合わせてカメラが横移動。こ
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荒野にて(2017年製作の映画)

4.1

面白かったです。

距離も時間も長くとって見せることの多いこの映画の最初の顔と顔の切り替えしが馬と少年です。
その馬と少年のロマンチックな出会いの印象と対照的に、両者の決定的な別れは作り込まれた1ショ
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.4

三浦友和の健康診断の場面、聴力検査と視力検査によってこの映画の音と光に対する思考が端的かつユーモラスに表現されます。

三浦友和はヘッドフォンをし、「音が聞こえたらボタンを押してください」と検査を受け
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子猫をお願い(2001年製作の映画)

3.3

面白かったです
登場人物達に好感が持てる作品でした。

トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン(1980年製作の映画)

3.1

話というかテーマが難解です。
始まり方がぶっ飛びまくっていて最高にかっこよく中盤のしっちゃかめっちゃかギャグも笑えます。
宇宙とキリストのイメージなんかは単純に表現としてめっちゃ面白いのですが、ちゃん
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巨人の惑星(2021年製作の映画)

3.0

ファーストカットがあまりにも引用でどうなのかなと思いましたが、野球マンガの巨人の星から巨人の惑星というタイトルで、ああこの映画は冗談のようなものなのかとスイッチが入り見やすかったです。
最後にちゃんと
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じゃ、また。(2023年製作の映画)

3.0

面白かったです。
私も友達と二人で映画撮ったりしたことがあって自分の思い出も色々と引きずり出されましたし、大変夢があるなと思いました。

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

2.7

うーん、、猿の惑星シリーズのファンですが退屈に感じました…ゲームだったら面白そうな内容だなと思いました。

完全に類人猿側の視点でスタートして共同体の外にいる未知の存在が人間という構造、動物達がきれい
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オクジャ okja(2017年製作の映画)

3.1

話、落とし所まで見事で面白いです。

リッチだけどアクションがもたついていて、グダグタ感が叙情的で良いところと、普通にグダって退屈なところがあるのがややこしいです。

オクジャは可愛いのですが、動物と
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Seventh Code(2013年製作の映画)

4.5

これは最高です。

台詞と設定が無茶苦茶なのに演出が丁寧を極めるプログラムピクチャーの正統DNAをトップアイドルのミュージックビデオでやる倒錯的な感慨

日本人がなぜかロシアでロシア料理屋経営しててそ
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生きるべきか死ぬべきか(1942年製作の映画)

4.8

素晴らしいです。

演技すること自体のサスペンスとコメディ。演技を見ることの緊張と緩和。

俳優達が芝居の力でスパイを上回って出し抜くという展開は痛快極まりないですし、権力を徹底的に馬鹿にしてどこまで
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コンクリート・ジャングル(1960年製作の映画)

3.4

背景にいる人達が自律的に動くので社会システムのようなものが存在しているように感じられます。
単に運動としてあるのではなく、例えば刑務所の囚人やパーティーの出席者達が騒がしくなったり静かになったりするこ
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脱獄(1962年製作の映画)

4.3

見たの結構前ですが、これ面白いです。

主人公だけ西部劇的世界観で馬とともに世界の果てを目指しますが、車とヘリが追いかけてきます

狼獣(けだもの)たちの熱い日(1983年製作の映画)

5.0

とんでもない映画でした。傑作です。

冒頭の現金輸送車の強盗シーンは、ほぼ戦争です
ゆったりと攻め時をうかがう強盗団とキビキビと展開していく警察、リーマーヴィンがロケットランチャーを現金輸送車にぶっぱ
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クライム・ゲーム(2021年製作の映画)

2.8

雰囲気すごく良いです。
ディテールとして面白い瞬間もありますが、話が分かりづらいです。

カリフォルニア・ドールズ(1981年製作の映画)

5.0

最高!痛快!幸せ!!

泥まみれになりながら戦っていた女レスラーコンビがキンキラ衣装でド派手に現れ、権威もろともぶっ飛ばします。

映画を観て泣きながら笑うこと

どこまでも痛快で晴れやかな気分にさせ
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あしたの少女(2022年製作の映画)

4.7

素晴らしい作品、面白いです。

映画はダンスの練習場で一人目の主人公が鏡の前でダンスし、その映像を自分で見ることから始まりますが、中盤にその場所で二人の主人公がすれ違います。そのときは一人目の主人公は
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マスコット(1933年製作の映画)

-

観たのは『マスコット』から切り出されたという『不思議な舞踏会』ですが、見つからなかったのでこちらに。

アニメーション、ヌルヌル動きます。すごいです。悪魔みたいなのの耳がヌルヌルと動くの気持ちいい。
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空想の旅(1926年製作の映画)

4.7

柳下美恵さんのピアノ生演奏と共に鑑賞しました。
まず、館内が暗くなりサイレント映画のボワっとした明かりの中、ポロンと聴こえてくるピアノの音というその体験に感動して泣いてしまいました…笑

同じ映画を今
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

4.1

観る度に次観るときは人物の相関図と物語を把握してから観ようと思って毎回忘れてしまいます…
なぜなら、ショットを説話的に重ねて物語っていく映画ではなく、ショットの積み重ねがある時空間を構築するような映画
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変な家(2024年製作の映画)

2.0

警察は何をしてるんでしょうか…
この作品世界では警察が何もしないor存在しないのだとすれば、暴力によって支配できるのは老人と子どもの集団ではなく若い輩の方だと思います。

ただ、それ以外のツッコミどこ
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

素晴らしい、いい映画です。面白かった。

画面の外側に死や不幸があり、それが不意に入ってくることでギョッとさせられるのですが、最後のショットはそれが犬と家族で救われます。
その前のシーンで老夫婦のうち
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エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命(2023年製作の映画)

4.4

面白い…

誘拐された少年が母と面会して本心を自覚した後の夜イエス・キリストの像の釘を抜くとイエスが動き出す
アイデア一発でこんなに感動したのはいつぶりでしょうか…

ユダヤ教とキリスト教の間に刺さっ
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私の少女(2014年製作の映画)

4.2

めちゃくちゃ面白かったです。

物語の構造としてはファム・ファタールものなのですが、魔性の女のポジションに虐待される少女が置かれ、振り回される主人公にレズビアンの警察官が置かれることで、映画的な物語構
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バカ塗りの娘(2023年製作の映画)

3.8

面白かったです。

職人を目指す娘と最も対立するのが家を出ていった母というのが面白いです。
祖父の通夜で離散した家族が集まり、すぐ帰ろうとする母に何かを渡そうと娘がとんとんとんと階段を駆け上がる。間に
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