ブルームーン男爵さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.8

有力映画プロデューサーの性犯罪の記事がきっかけで、"MeToo 運動"が世界中に広まった。その記事を書いた女性ジャーナリストの奮闘を描いた実話である。その加害者はハーヴェイ・ワインスタインで圧倒的な影>>続きを読む

我らの罪を赦したまえ(2022年製作の映画)

3.5

ナチスは社会的に役に立たないとされた障害者を抹殺し、また断種等により障碍者等の発生を抑制する計画「T4作戦」を実行したが、その作戦の様子を手に障害がある少年を主人公に描いたショート映画。ただ障害がある>>続きを読む

その瞳に映るのは(2021年製作の映画)

4.0

1945年にデンマークで行われた「カルタゴ作戦」をベースにした作品。その作戦とは、戦時下のデンマークで活動していたレジスタンスの救出のために、コペンハーゲンのゲシュタポ司令部を英国軍が攻撃というもの。>>続きを読む

7人の女たち(2021年製作の映画)

3.8

フランスの劇作家ロベール・トマ作の戯曲「8人の女たち」を、2002年にフランソワ・オゾン監督がミュージカルタッチで映画化したが、本作はイタリアで製作されたリメイク版となっている。オゾン監督のものはミュ>>続きを読む

家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.0

英国の巨匠ケン・ローチ監督の作品。ケン・ローチは英国の労働者階級や貧困層をテーマにした作品が多いが、本作も訪問介護士の妻と過剰なノルマを課される宅配事業者の夫の夫婦とその二人の子供を軸に、非人間的な労>>続きを読む

Vin Japonais ヴァン・ジャポネ the story of NIHON WINE(2022年製作の映画)

3.8

私がリクエストしていたドキュメンタリー映画がFilmarksに登録された!素朴に嬉しい( ´艸`)

かなり限定公開のドキュメンタリーであるが、日本のワイナリーに迫った力作のドキュメンタリー。147分
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KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

3.9

1979年の朴正煕暗殺事件をベースにした政治サスペンス。フィクションの体裁だが、1976年のコリアゲート事件や朴正煕暗殺事件など実際の事件がモチーフとなっている。

KCIAなどの権力争いに、サスペン
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.0

リドリー・スコット監督の作品にハズレ無し。中世フランスを舞台に騎⼠の妻が、夫の旧友に乱暴されたと訴え出るが、彼は無実を主張する。決定的な証拠もなく目撃者もいない。真実の⾏⽅は、夫と被告による⽣死を賭け>>続きを読む

オペレーション・フィナーレ(2018年製作の映画)

3.3

「ユダヤ人問題の最終的解決」を指揮したナチスの戦犯アドルフ・アイヒマン。アルゼンチンに潜伏するアイヒマンを秘密裏に捕縛し、イスラエルに移送する作戦の一部始終を描いた映画。

アイヒマン裁判は有名であり
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チーム・ジンバブエのソムリエたち(2021年製作の映画)

3.8

ワイン文化もない貧困国のジンバブエ共和国から、4人のソムリエが「世界ブラインドワインテイスティング選手権」に初参戦する様子を追ったドキュメンタリー。ワインテイスティングの大会の準備や出場だけではなく、>>続きを読む

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.0

原作はドイツの長編小説。1930年に一度映画化されているが、本作はNetflix製作のリメイク版。第一次世界大戦の西部戦線を舞台にした戦争映画。主人公が、愛国心を煽られ、志願兵として前線で戦うが、塹壕>>続きを読む

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

4.0

3時間12分という長さで観るか迷ったが、映像美がすごいというので鑑賞してきた。ほんと異世界の自然や生物が実在するかの如く美しくて驚異的な映像体験だった。本作を鑑賞する際は、IMAX 3Dでの鑑賞を強く>>続きを読む

ペルシャン・レッスン 戦場の教室(2020年製作の映画)

4.0

傑作。ユダヤ人でありながら、ペルシャ人だと偽り、創作したデタラメのペルシャ語を収容所の大尉に教えることで生き延びたお話。目を覆いたくなるシーンは控えめだった。

とにかく主人公の演技力が素晴らしく、と
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あのこと(2021年製作の映画)

3.9

ノーベル文学賞を受賞したフランスの作家アニー・エルノーの自伝的小説が原作。1960年代、中絶が違法だったフランスで妊娠してしまった大学生の葛藤を描いた作品である。2021年のヴェネツィア映画祭で金獅子>>続きを読む

デリシュ!(2021年製作の映画)

3.9

18世紀、フランス革命直前期。美食は貴族が独占し、庶民は重税に苦しんでいた当時、誰しもが食事を楽しめるレストランをオープンし、フランス革命の平等思想をいち早く実践していた男の物語。実話ベースらしいが、>>続きを読む

シルバー・スケート(2020年製作の映画)

3.6

帝政ロシア時代のサンクトペテルブルクを舞台にして、ラブストーリーに女性の自立、近代化、貧富の格差などの要素を混ぜたストーリー。ロシア製作だが、とこどろこに漂うディズニー感。かなり分かりやすいストーリー>>続きを読む

マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説(2021年製作の映画)

3.7

ミニスカートを流行させ、保守的な英国のファッション界に激震を与えたデザイナー、マリー・クワントのドキュメンタリー。 第二次世界大戦後、英国は、戦争の傷跡、階級社会と保守的なファッションの在り方が残って>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

3.8

非常に丁寧に作られており、様々なところに配慮が行き届いており、監督の力量がうかがえる。渋谷・松濤に住む箱入り娘の華子と、地方から上京してきた美紀の二人の女性を軸に、日本、とりわけ東京に歴然と存在する格>>続きを読む

ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.9

富裕層とレビュー社会を痛烈に皮肉った風刺映画。ブラックジョークやエッジの効いたユーモアが理解できるならオススメしたい。ただそこそこ予想通りな内容だったが、料理の本気度がすごかった。実際、スペインのエル>>続きを読む

ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

3.8

英国の家政婦の中年女性が、ある日、たまたま見たディオールの洋服に一目惚れして、お金を貯めてパリのディオールに買いに行くストーリー。ただディオールは上流階級向けのオートクチュールで、最初は相手にされない>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

2.5

感動したか否かだと、結構感動はしたので★3.8でもいいかなって思ったのですが、ごめんなさい、やはりストーリーの唐突さとか鈴芽と草太が惹かれあう理由の薄弱さとか、説得力の無い謎のファンタジー要素、なぜ3>>続きを読む

戦地で生まれた奇跡のレバノンワイン(2020年製作の映画)

3.8

レバノンという国をご存じだろうか?中東にあり、北と東ではシリアと、南ではイスラエルと国境を接する人口500万程度の国である。最近だと、カルロス・ゴーンの逃亡先と、また大規模爆発があった国として有名だろ>>続きを読む

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

3.8

前作の主人公役のチャドウィック・ボーズマンが亡くなり、第二作は軌道修正を強いられたが、故ボーズマンへの哀悼が全編を通して感じられて良かった。

3時間近いが時間の長さはあまり気にならなかった。戦闘シー
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ソウル・オブ・ワイン(2019年製作の映画)

3.6

ロマネ=コンティをはじめとする世界最高水準のワインを生み出すワインの聖地である、フランス・ブルゴーニュ地方のワインの作り手を追ったドキュメンタリー。フランスの美しい風景に心が癒される。

冬から春と季
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チケット・トゥ・パラダイス(2022年製作の映画)

3.2

よくあるお気軽なアメリカンラブコメディ。舞台がバリ島で異国情緒が良い。そしてジョージ・クルーニーに、ジュリア・ロバーツの豪華共演。飛行機のシーンが面白い。予定調和なラストだけど、だからこその安定感。>>続きを読む

スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

3.7

映画タイトルの”スペンサー”はダイアナの旧姓。スペンサー家は英国の歴史ある伯爵家である。本家はマールバラ公爵家であり、英国首相のチャーチルの出身家であったりする。

もうちょっとファクトベースの話かと
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RRR(2022年製作の映画)

4.0

「バーフバリ」「きっと、うまくいく」でインド映画にはまったが、年々インド映画はクオリティを増しており、国際市場でますます存在感を増しそうだ。

観終わった感想は「クッソワロタ(良い意味で)」。少年ジャ
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響け!情熱のムリダンガム(2018年製作の映画)

3.8

原題はSarvam Thaala Mayamで、直訳すると”すべてがリズムに満ちている”。インドのチェンナイで暮らすインドの楽器ムリダンガムの職人の息子ピーターは、父が作ったムリダンガムで巨匠演奏家が>>続きを読む

ダウントン・アビー/新たなる時代へ(2022年製作の映画)

4.2

125分の中にいろいろな出来事が目白押しであっという間でした。観終わってみると、「新たなる時代へ」の副題の意味がなかなか重かったですね。1928年を舞台に、大英帝国の落日とアメリカの台頭という時代の変>>続きを読む

2046 4Kレストア版(2004年製作の映画)

3.8

1960年代の香港を舞台に繰り広げられる作家の「現在」と、彼が劇中で執筆する小説が交錯するSFが織り交ぜられたラブストーリー。ウォン・カーウァイ監督は続編であることは否定しているが、「欲望の翼」「花様>>続きを読む

花様年華 4Kレストア版(2000年製作の映画)

4.2

とにかくマギー・チャンのチャイナドレス姿が美しい。"映画を通してとにかく美人の良い香りがする"というと、変な表現だろうか。タイトルの花様年華は「人生で最も美しい瞬間」という意味だが、劇中でも使用される>>続きを読む

キングメーカー 大統領を作った男(2021年製作の映画)

3.5

第15代韓国大統領となった金大中と、彼の選挙参謀だった厳昌録の実話をベースに、陰謀が渦巻く韓国大統領選を描いた政治サスペンスである。日本でも選挙はかなり規制が厳しいが、そうしないと、本作のように贈賄工>>続きを読む

ブエノスアイレス 4Kレストア版(1997年製作の映画)

3.8

シネマート新宿の「WKW」(ウォンカーワイの4K特集)で観たのだが、あまりの人のごった返しぶりに驚いた。特に「恋する惑星」にいたっては昼の時点で夜の回までチケット売り切れなど大盛況。こんなに人気だった>>続きを読む

Blue Island 憂鬱之島(2022年製作の映画)

3.8

文化大革命・天安門事件・雨傘革命(時代革命)と3つの時代をそれぞれ生きた実在する3人をドキュメンタリーとドラマを融合させて描いたドキュメンタリーだ。香港は清朝の時代に英国に租借され、その後、英国領だっ>>続きを読む

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

3.2

ジュラシックシリーズの完結編。やはりスピルバーグの初回作がピークだと思う。ただIMAX 3Dで観たがひたすら映像がすごい。本当に恐竜が存在するようにリアルで、音響もすごい。恐竜同士のバトルはほんと見応>>続きを読む