shunsukehさんの映画レビュー・感想・評価

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隣人は静かに笑う(1999年製作の映画)

3.0

非常に良くできたブライアン・デ・パルマ風のサスペンス。鑑賞後、どこまでが企みで、どこからが成り行きなのか考えると2度楽しめそう。

式日-SHIKI-JITSU-(2000年製作の映画)

1.5

2時間ちょっとの映画だが3時間くらいに感じた。抽象画を見ていて、感覚で捉えればいいのか、象徴を捉えて意味を考えればいいのかずっと分からない感じ。最後に抽象画の解説にあたるような件が出てくるが、それでも>>続きを読む

雨あがる(1999年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

三沢伊兵衛は剣の達人だが、諍いを好まず、仲良くして助け合う、そのような生き方をしている。また、自分に合わない役人の仕事には見切りを付けるが、剣術指南番としても身を落ち着けることが出来ず悩んでいる。彼に>>続きを読む

近江商人、走る!(2022年製作の映画)

1.5

設定とストーリーが極めてありきたり。ときにはカタカナ語を使う現代的な言葉遣いや、現代的な歌や踊りなどのおふざけも中途半端。全く取るに足らない映画。

セッション(2014年製作の映画)

3.5

この映画では二つの相克が描かれている。一つは、唯一無二の高みを目指す者と平凡な幸せ求める者の間の大きく深い隔たりだ。前者はアンドリューで、後者は彼の恋人になりかけたニコルやアンドリューの家族だ。アンド>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.0

この映画を観て、大きな権力を持つ者が繰り返すセクシャル・ハラスメントや性加害を起こす要因のひとつを思いついた。彼らが行ったことは彼らが支配する人間関係の中で共有される秘密となる。彼らが直接加害に及んだ>>続きを読む

夫婦フーフー日記(2015年製作の映画)

3.0

私は、死後にコウタの前に現れ、彼にやいのやいの言うユーコは、亡霊ではなく、彼自身がしばしば言っているように、コウタが頭の中で描いた像だと思う。コウタとユーコは時間をかけてお互いを理解し合いお互いの人生>>続きを読む

間宮兄弟(2006年製作の映画)

3.5

この映画は森田芳光監督の「家族ゲーム」と同様、違和感のある演出が行われている。それは、普通とは異なるコミュニケーションの取り方だ。「家族ゲーム」の場合、有名な家族が横一列に並んでいる食卓のシーン、距離>>続きを読む

隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)

3.0

題名の「隠し砦の三悪人」とは誰なのか。やはり、太平、又七、六郎太だろう。しかし、彼らは「悪人」なのか。太平と又七は百姓だが、戦を経ての出世や、一攫千金を狙っている。彼らはただ自分の欲に正直なだけの男た>>続きを読む

Pearl パール(2022年製作の映画)

1.5

この映画の残念なところ。終盤に主人公が長尺の台詞で自分のことを説明してしまう。主人公の母親は主人公の本性を見抜いていたことを匂わせるがその突っ込んだ描きがなかった。主人公の父親が動くことも喋ることも出>>続きを読む

アウトロー(1976年製作の映画)

1.5

今では巨匠のクリント・イーストウッド監督の初期の駄作のうちのひとつ。緩急がなく無駄に長い。自分の妻を奪われ子を殺された男の復讐劇のはずだが、その切迫感が感じられない。脚本に緻密な組み立てが感じられない>>続きを読む

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

1.5

この映画の理解には、キリスト教、新約聖書、黙示録などに関する知識が必要なようだ。鑑賞後黙示録に関して少し調べてみたが、私の理解力のせいかこの映画への考察を深めることには繋がらなかった。単純なホラーとし>>続きを読む

K-19(2002年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

一番心に残ったのはヴァディムの葛藤だ。無防備で原子炉の修理にあたることは死を意味する。ヴァディムは仲間が入れ替わり立ち替わり果敢にそれに臨む中、泣き震えながらそれを拒む。文字通りの決死の作業に挑むヴァ>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

冒頭とラストに同じ絵がでてくる。男が鏡の方を向いている。しかし、鏡に映っているのは男の正面ではなく後ろ姿だ。ということは、それは鏡ではなく、別の誰かがそこにいるということか。しかし、これが合わせ鏡でそ>>続きを読む

ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

3.0

謎めいた物語が淡々と進み最後にえげつないバイオレンスとモヤモヤのクリア。いつものタランティーノです。舞台がほとんどひとつの部屋なのは「レザボア・ドッグス」式。「淡々」から「バイオレンス」の切り替えの角>>続きを読む

モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

4.0

少年期から音楽を浴び浸ってきた私だが、この映画を観て、改めて音楽が人間の本性に深く結びついて、その感情を動かしたり、記憶を呼び覚ましたりする強い力を持つことを実感した。それは、匂いにも通じるが、それと>>続きを読む

対峙(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

この映画の原題は「mass」で、直訳では「質量」「かたまり」というような意味だ。登場する二組の夫婦は、一方は理由もなく殺され、一方はその殺人を行い自殺するという形でそれぞれの息子を失う。そしてそのこと>>続きを読む

エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

1.5

設定のみで強引に押し切った映画。とってつけたような伏線や、易々と成功するエスターの凶行に安っぽさを感じる。深く考察したくなるようなポイントは掴めなかった。

ひとりぼっちじゃない(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

暗示や象徴がそこここに散りばめられ、とても難解な映画だ。鑑賞から1週間経ち見直しもしてみたが、未だに読み解けない。しかし、そろそろ関心を他の映画に移したいので、一旦のここまで思いついたことでの考察を行>>続きを読む

1秒先の彼女(2020年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

DJモザイクがこう言っていた。「人生とは沢山の記憶のパズル。恋が記憶を創造するんだ。お互い、相手の記憶に刻まれていたら最高だね。でも君の大切な記憶は相手にとって無意味かも。それが人生だね。」
ウー・グ
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ワイルド・リベンジ(2022年製作の映画)

2.0

主人公が復讐に向かう必然性の作り方は上々で説得力を持つ。リベンジのアクションもやり過ぎず程よい加減だ。一方、デ・ニーロ演じる保安官に関する描写が中途半端で本筋にはほぼ関係なく、デ・ニーロは端役に過ぎな>>続きを読む

ディア・ドクター(2009年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

主人公伊野治はなぜ偽医者としての道を歩むことになったのか。途中から私の興味の重点はそれになったが、この映画は最後までそれを明確には説明してくれなかった。
手がかりはある。
まず、本人が研修医の相馬啓介
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

3.5

ミュージカル映画について考えてみた。
そもそも私はミュージカル映画を好まなかった。その理由は、ミュージカルシーンで感じる違和感だ。さっきまで普通の演技、演出だったのに、ある瞬間、突然、登場人物が歌い踊
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パール・ハーバー(2001年製作の映画)

2.0

この映画は、次の二つのテーマを描いていると言える。
一つは、友情と恋愛というテーマだ。友人の恋人を奪ってしまうというありふれた話。それを死んだはずの友人が生きていたという、これも、聞いたことがあるよう
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デッドハント(2015年製作の映画)

2.0

アクションはそれなりに良かった。カメラマンの主人公が何故こんなに強いのか、ジャングルで逃げる相手に必ず出くわすことが出来る追手が腹落ちせず、組織のボスの演説が鼻についた。

炎のデス・ポリス(2021年製作の映画)

2.5

「ダーティ・ハリー2」のテーマ曲から始まったときには、そのオマージュがちりばめられた映画なのかと思ったがそうではなかった。終盤まで主人公が誰を当てにしていいのかが分からない緊迫感、ほとんどのシーンが警>>続きを読む

青春の夢いまいづこ(1932年製作の映画)

3.0

時代背景は、恐らく、凄まじい就職難。大卒人口は少ないはずなのに、なかなか就職先を見つけられない
斎木、熊田、島崎は、大学生として青春を謳歌し、友情を育むも、就職難の波に飲み込まれる。行き詰まり、大学を
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淑女と髭(1931年製作の映画)

2.5

華族の幾子は、剣道の腕は達つが顔一面に髭を生やした岡島を不潔で荒々しいものとしてとらえ嫌っていた。しかし、岡島が髭を剃った途端、自分を守れる強い男として好意を持つ。不良のモガも髭を剃った岡島が、自分の>>続きを読む

非常線の女 4Kデジタル修復版(1933年製作の映画)

2.0

ハードボイルドなアウトローが国籍不明の街で見せる恋愛模様。アメリカ映画への強烈なオマージュ。そういう意味で、三谷幸喜の「ザ・マジックアワー」を思い出した。

生れてはみたけれど(1932年製作の映画)

3.0

この映画のテーマは「偉い」というのはどういうことなのかだ。登場する子供たちは皆自分の父親が一番偉いという。どんなところがかというと、いい車に乗っているだったり、歯を抜き差しできるであったり。まるで分か>>続きを読む

出来ごころ(1933年製作の映画)

3.0

浪曲が演じられている寄席の場面が始まりである。ここで描かれる場面が暗示的である。
浪曲に聴き入る客が座る座敷に冴えない財布が落ちている。一人がそれを拾って中身を見ると何も入っていない。彼はその財布を座
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シャイロックの子供たち(2023年製作の映画)

3.0

金融界での悪事とそれを叩くプロセスを非常に巧妙に丁寧に作り込んだ映画で、自ずと面白い。ごく善良と思われる何人かがそれぞれの切っ掛けで金にまつわる不正を犯してしまう。金に魔力があり、それが人に魔をさす様>>続きを読む

摩天楼はバラ色に(1986年製作の映画)

3.0

気楽に観て楽しめる映画。パーティーのシーンで主人公が対面する相手毎に本人となりすましている架空の重役を巧みに使い分けるところが一番の見どころ。活字では表現し得ない映画ならではの妙味を感じた。

月の満ち欠け(2022年製作の映画)

3.0

仏教が説く輪廻は、終らない苦しみを意味するが、この映画は生まれ変わりを肯定的な側面から捉えたファンタジーとして、大切な人を思う深い情愛を描いている。子供は親を選んで生まれてくるという説は、生まれたばか>>続きを読む

Winny(2023年製作の映画)

2.5

主人公金子勇はプログラム開発の天才である。恐らく、作曲の天才がいくつものパートのメロディーを、同時にあとは音符にするだけのレベルで頭に思い浮かべられるように、頭にプログラムが浮かぶ人だったのではないか>>続きを読む

希望のかけ橋(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

この映画では、次の三つのものが象徴的である。
一つ目はキャンディーの空き缶。ポーランドから日本赤十字に助けられ日本にやって来た少年は、これをとても大切そうに持っている。開けると、ふわっと白く光りながら
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