早嶋すみちゃんさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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女と男の観覧車(2017年製作の映画)

2.5

悲劇のヒロインな自分に酔い溺れていくケイト・ウィンスレットの痛々しさは圧巻。
そんなヒロインを中心にして映す世界はイライラに満ちていて観てるこっちも頭痛くなってくる。

羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(2019年製作の映画)

5.0

まさに縦横無尽。凄いとは聞いていたけど想像の遥か上を行くアクションは純粋に楽しくてしかたがなかった。
そしてこれだけのキャラクター、設定、展開が詰まった物語の密度とそれを勢い良く見せる塩梅もハイクオリ
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.5

戦場を行く主人公の神経に密着した撮影は圧巻で手に汗握る緊張感。終始出ずっぱりで戦争のあらゆる感情を体現し続けるジョージ・マッケイも流石で、その表情や一挙手一投足が胸を打つ。

娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)

4.0

胸を裂くような映像にドキュメンタリーである事を忘れてしまいたくなってしまうが、何度もこれは現実で今も起きている事なんだとハッさせられる瞬間があり背筋が伸びる。観て良かった。

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)

4.0

ストレートに映し出される怒りに圧倒されるが、ラストはそんな受け身姿勢は許さんぞと言わんばかりに問いを残し、観客に自分なりの咀嚼・消化をするよう投げかける。

踊ってミタ(2020年製作の映画)

3.0

個人的には踊ってみた文化に触れたことが全く無いため「そんなに味のするコンテンツなのか?」という引っかかりはあったが、小気味良いギャグと何より岡山天音の上手さがちゃんと繋ぎとめてくれる。
大袈裟過ぎない
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ねむれ思い子 空のしとねに(2014年製作の映画)

3.0

SF設定やキャラクターを飲み込むのに少々難儀するけど50分にバランス良くかつしっかりとした密度で詰まっていて満足感十分。
エンディングの切なくも微笑ましい幸福なシーンたちがヒロインの行く末を想像させる
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暗闇から手をのばせ(2013年製作の映画)

3.0

この映画内でリアル部分の一端を担うホーキング青山が軽快で明るく、この映画のテーマに対するポジティブな道しるべとなっていて印象に残る。
モロ師岡パートは唐突で蛇足に感じなくもないが、いつの間にか起きてい
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ゴーストランドの惨劇(2018年製作の映画)

4.0

前半は観ていて違和感や謎が浮かぶ流れだが、ある時点で転調するとそれらの違和感や謎の存在自体に胸を締め付けられた。
シンプルなストーリーながら時間と空間の広がりがあり、その広がりこそが切なさや絶望を増幅
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マニアック(1980年製作の映画)

3.0

頭皮を剥いだり頭をすっ飛ばしたりとそういうシーンは気合が入っていてインパクトがある。
ストーリーはなんとか映画として形成するためのつなぎの様なもので特にどうと言うものは無いです。

噂には聞いていたけ
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果し合い(2015年製作の映画)

3.5

年老いたちんばの部屋住み下級武士。
剣の達人だけど大人数をバッタバッタとはいかないしすぐにヒイヒイ息が上がる。老いの悲哀や格好悪さが包み隠さず描かれているのが切なくて良い。
シンプルに仲代達矢を味わっ
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少女は異世界で戦った(2014年製作の映画)

2.0

若手女優たちのアクションを見るものと割り切ればそこそこ楽しめる。
内容は3.11以降のトレンド要素を取り入れたSFなのだけど、そのSF設定と低予算とのギャップやバランス良くパンチ不足なお話によって難し
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翔んで埼玉(2018年製作の映画)

3.0

スケールも演技も予想以上の力作。
ふざけた世界観を舞台劇のようなテンションで真面目に演じるというバランス具合が良い。
変にちょけてお笑いノリで演じていたら目も当てられない事になっていただろうな。

ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.0

覚めながら見る悪夢。
浮世離れした美しい画とやってることのエグさと「お祭りだから!おめでたいことだから!」という圧とのブレンド具合がたまらない。
観る者の痒いところに手が届くようきっちり組み立てられた
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吉原炎上(1987年製作の映画)

3.5

話に関してはもう少し踏み込んだ繊細さが見たかったと思うところではあるけど、如何ともしがたい情念を重視してフォーカスを当てた感じか。
女優たちの熱演が生み出す鬼気迫るシーンの数々が良くも悪くも強烈に焼き
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巫女っちゃけん。(2017年製作の映画)

3.5

口当たりはコメディだけど、女性を取り巻く問題や神社とは神道とはを押さえている意外と地に足のついた映画。
主演の広瀬アリスもしっかりコメディをしつつ締めるとこはきっちり締めていて、もう好きです。

劇場版ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル(2019年製作の映画)

3.0

物足りなさを感じるスケールだけど、物語のテーマを考えるとこのくらいの方がちょうど良いのかもとも。
グリージョの場面はジーンとした後のゆるギャグでズッコケたが、最後の勝負どこはちゃんと熱く締めてきてホッ
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.5

まずすごいのはシビアなテーマが生む喜悲劇を堅苦しさを感じさせないエンタメ作品に仕上げているところ。
そしてその中に貧困や格差の切れ味鋭い描写を散りばめてきっちりインパクトを残してくるのが秀逸。
とにか
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37セカンズ(2019年製作の映画)

4.0

ポジティブな面にバランスを寄せた優しさが良い。
作中ではユマを助けてくれるやたら親切な人たちが出てくるが不思議と都合が良いと感じて冷めることは無い。脚本上ではそれぞれの人物に背景があり、その中からユマ
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屍人荘の殺人(2019年製作の映画)

3.0

舞台となるペンションをどうやって外界と断つかで予想外の跳躍を見せる。その要素によってどういうスタンスで観たらいいか迷うとこはあるが、その分ジャンルミックスの面白さが生まれているのも確かでトントン。
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うる星やつら いつだってマイ・ダーリン(1991年製作の映画)

3.0

特に尖ったところもなくイメージ通りのドタバタで安心感のある面白さ。ガラッと変わったこのアニメらんまっぽい絵柄も実は好き。

シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション(2018年製作の映画)

3.5

全体的にコメディ部分はキツめのギャグ連発でシリアス部分はハードボイルドというより小洒落スマートな仕上がり。
実写版というよりもフランス版シティーハンターという印象が強く、安心感と同時に新鮮味もあって面
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わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)

3.5

画面や間の使い方が贅沢だなというのが第一印象。
消えゆくものから見出す希望。言葉でうまく説明できないけど、詩という存在の本懐を映し出したように感じる映画だった。

劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)(2023年製作の映画)

3.5

前半は話にあまり動きがなくおふざけもくどめでうーん?となったけど、後半はクライマックスに向けてちゃんと締まった空気になってよかった。
最終章の一作目としてはこれで十分なんじゃないかな。

名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023年製作の映画)

3.5

哀ちゃんをヒロインに据えることで、阿笠博士に見せ場ができた事と蘭姉ちゃんをシンプルに兵力として器用できた事は良い副産物。
ここ何作かの中では一番面白かったと思う。
今回がドンピシャでシリーズで一番好き
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名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊(2023年製作の映画)

3.5

屋敷の幽霊に名探偵が挑むという構図は好きな感じ。
画的にも物語的にも動きが小さめなところはホラー色の強い演出で良い具合にカバーされていてちゃんと楽しめた。

シライサン(2020年製作の映画)

3.5

意外にもなかなか面白かった。
こういう呪い系のホラーでお化けがガンガン姿を見せると怖くなくなるのだけど、シライサンの“目を逸らしたら死ぬ”という設定によりそれが裏返る。
イヤホン上映もプラスα程度だけ
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新聞記者(2019年製作の映画)

1.5

社会派というよりは反体制派用ズリネタ映画。
実際の事件や疑惑を取り入れることによって飛躍したフィクションも現実っぽく見えてしまうのはこの映画の上手さでもあり危うさでもある。
劇中に印象操作の場面が出
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(2005年製作の映画)

3.0

主役の老人と少女は台詞が無く舞台も浮世離れした船上ということでどこかおとぎ話のような雰囲気があり、家族としての間柄を純粋に求めた愛の物語に見える。が、同時に異常なまでの執着と独占欲の気持ち悪い物語にも>>続きを読む

初恋(2020年製作の映画)

4.0

最高や!クソ面白いわ!登場人物がどいつもこいつも魅力的。それらが絡み合い集結していく展開の疾走感と高揚感たるや。
一見アンバランスだけど鑑賞後はこのタイトルがこれ以上無く沁みる。

ぼんとリンちゃん(2014年製作の映画)

3.5

引用武装のモラトリアムぼんちゃんがDVを受けている友達を助けに行くという冒険を経て自分の理解の外側と向き合う。
拗らせた思考をこねくり回す感じの生々しさが絶妙やね。世界との真っ向勝負とも言えるホテルの
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犬鳴村(2020年製作の映画)

3.0

都市伝説という現代的でライトな入口から恐ろしい起源を掘り起こしてしまう流れはなかなか惹き込まれる。
恐怖シーンは終盤に不気味さが薄味になってしまうとこもあるけど全体的には雰囲気あったし、確実に芯喰って
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音楽(2019年製作の映画)

4.0

前半は漂う脱力感が心地よく、登場キャラみんな好きになると同時に主人公ケンジの底知れなさも感じ取れる絶妙な塩梅。
音楽熱が高まるにつれてロトスコープ手法が真価を発揮し始め、クライマックスでは最高のライブ
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Fukushima 50(2019年製作の映画)

4.0

英雄的な描き方はどの程度脚色されてるのかなと思うとこではあるけど、題材が題材なだけに骨のある映画を作ろうというのがひしひしと伝わってくる。
一本の映画として面白かったし、何より現場で命がけで奔走した人
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蟹の惑星(2019年製作の映画)

4.0

魅力と驚きが詰まった蟹萌え映画。個人で蟹の観察・研究を行っている吉田さんのこれまでを追いかけるように観客も蟹の面白さにハマっていく。
シンプルに根気勝負で撮影したという蟹たちの姿は驚異的かつ神秘的で大
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TENBATSU(2010年製作の映画)

1.5

60分程で全体的にざっくりでコンパクト。これといった無駄も無くサクッと観やすい。
ただ物語の核心部分についてがちょっと分かりづらく、多くを語らない怖さというよりも説明不足という印象の方が強く感じる。