朗らかなこっぺさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

籠釣瓶花街酔醒(2012年製作の映画)

3.1

 どうせ振るなら散々貢がれる前に初手で振るのがせめてもの礼儀というものよね、じゃないと痛い目に遭うよね、という人生への教訓なのかどうかはともかく、そんな一種の恐怖と狂気を孕む作品。醜男を表現するのにあ>>続きを読む

人狼(2018年製作の映画)

3.1

 タイトルで混同しやすいが、日本の人狼シリーズ作品とは何の関わりもない。南北統一反対派組織を鎮圧する目的で作られた後、公安とも袂を分かち、「人間であって人間でない」冷酷さ強さを持つ精鋭部隊を“人狼”と>>続きを読む

劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室(2023年製作の映画)

3.7

 ドラマを観ていた人なら間違いなく楽しめる。杏さんの役どころが典型的当て馬というか、もう少し立体的な個性があっても良かったと思う。カリスマ性だけでなく演技力もある方なので、少しもったいない気がした。反>>続きを読む

パリタクシー(2022年製作の映画)

3.6

 高齢施設に入所する予定の女性を乗せることになったタクシー運転手の物語。タクシーで寄り道するあちらこちらのパリの風景が実に美しい。偶然に出会った二人が心を通わせ合って、お互いに大切な存在となっていく過>>続きを読む

最後まで行く(2014年製作の映画)

3.1

 状況が切迫してるが故にどうにか誤魔化そうとする前半は、主人公にとっては絶体絶命なのだけど観てるこっちはなんだか笑ってしまう。後半戦は、主演お二人の体を張った演技対決という感じ。もうすぐ日本版が公開予>>続きを読む

METライブビューイング2022-23 ジョルダーノ「フェドーラ」(2023年製作の映画)

3.4

 ソニア・ヨンチェヴァさんが相変わらずお美しい。ベチャワさんは『リゴレット』の影響で適当な遊び人のイメージが強かったけど、今回は超がつくほどの真面目な男性。主演お二人が演技派なので、グッと引き込まれる>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.1

 一定の狙いを持った演出であることはわかるけど、船上の嘔吐シーンが長すぎる。くどい。不快の極み。『ザ・メニュー』のような豪華客船での食事、『東京島』のような理不尽がまかり通る無人島、映画全体でどこが中>>続きを読む

ちひろさん(2023年製作の映画)

4.0

 原作未読。好きだ。なんかこんなふうに生きていきたいよなぁ。強いなぁ。多恵さんの「あなたなら、どんな場所でも孤独を手放さずにいられるわよ」って言葉、パワーワードすぎる。心が疲れすぎたとき、何かある度に>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.5

紛うことなき純愛映画。
サリーが怖すぎる。
最後はハッピーエンドと思いたい。

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.9

 映画好きな会社の先輩におすすめされたので鑑賞。久々に頭をかち割られた。これはすごい。すごいけど、心が元気なときに観ないと引きずられる危険度100%。
 最初は、『明日、君がいない』や『明日の食卓』の
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仕掛人・藤枝梅安(2023年製作の映画)

3.5

 年齢を重ねられるほど鋭くなっていく豊川さんの色気は何なのでしょう。片岡愛之助さん、天海祐希さん、早乙女太一さん等各界のレジェンドたちが結集している構成に、京都の美しい冬景色も相まって、本当に贅沢な日>>続きを読む

レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)

3.3

 織田信長像って一人ひとり違うものだとは思うけど、自分のイメージとは結構かけ離れたキャラクター設定に感じる部分が多くて、完全なるフィクションと割り切って観た。綾瀬はるかさんの濃姫は強くて美しくて素敵。

METライブビューイング2022-23 ケヴィン・プッツ「めぐりあう時間たち」(2022年製作の映画)

4.3

 こんな素敵なディーヴァが3人も揃うことってある?!ずっと心待ちにしていたので嬉しい!
 アカデミー賞を受賞した映画作品があまりにも有名なので、小説、映画とどのように切り分けられるかがポイントだったよ
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ハッピー・オールド・イヤー(2019年製作の映画)

3.3

 立春に向けての大掃除期間に拍車をかけるべく視聴。そしたら見事に裏切られた。主人公は「ミニマリストになりたい人」。決して「ミニマリスト」ではない。10個近くのルールが出てくるのだが、【ものを増やさない>>続きを読む

美しき小さな浜辺(1948年製作の映画)

3.6

 全編通じて息づく、鬱々とした浜辺の湿気と街の閉塞感。徐々に明らかになる主人公の正体と、ラストの引き続ける海辺になんともいたたまれなくなる。ワンシーンワンカット全てが文学的で、情緒にあふれ美しい。あの>>続きを読む

肉体の悪魔(1947年製作の映画)

3.4

 他人のものになってから自分の気持ちに気づく、と言えば聞こえはいいが、他人のものだからこそ生じているかもしれない欲求とそれに制限をかけない様が、三島由紀夫の『春の雪』を思い起こさせる。二人に起こる出来>>続きを読む

狂熱の孤独(1953年製作の映画)

3.5

 ジェラールお得意の遊び人、ではなく一見遊び人に見える孤独な男性が主人公。旦那さんが亡くなったばかりでこんな簡単に落ちるやつがあるかい!とツッコミたくなるけど、ジェラールが相手なら仕方あるまい。珍しく>>続きを読む

しのび逢い(1954年製作の映画)

3.4

 名シーンが多いロマンスものだったはずなのに、ラストがかなり怖い、、山田詠美の『賢者の愛』のようなシニカルで希望と絶望の入り混じった終わり方で、同じくジェラール作品の『美しき小さな浜辺』といい、この頃>>続きを読む

-25℃ Simple Life(2023年製作の映画)

3.3

 ホントに必要なものってそんなに多くはないんだよね、、真っ白な雪景色と広大な大地に包まれながら、生きるって何だっけ?と改めて考えさせられるシーンに満ちたドキュメンタリー。
 2023年は断捨離しようと
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キンキーブーツ(2018年製作の映画)

3.5

明快なストーリーとメッセージが心地良い!
明日を生きる活力を与えてくれる作品。

冬の旅(1985年製作の映画)

3.0

 各所で評価の高い作品だけど、ちょっとしっくり来ない。どこにも行き着くつもりのない流浪の旅を主人公と共有できる時間そのものに価値があるのかもしれない。村上龍の『限りなく透明に近いブルー』のような、破滅>>続きを読む

非常宣言(2020年製作の映画)

4.3

 空にイ・ビョンホン、キム・ナムギル、
 陸にソン・ガンホ、チョン・ドヨン姐さん、
 テロリストにイム・シワン、
 という最強の布陣。
 キャスティングに制作費の半分以上かかってるよね、と心配になるく
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パルムの僧院(1947年製作の映画)

3.4

 なぜスタンダール作品の映像化でジェラール・フィリップ主演が多いのかというと、スタンダール作品の主人公はいずれもやや粘着気質というか偏執的な部分があって、ややもすると拒絶につながるものを彼の爽やかさが>>続きを読む

ジェラール・フィリップ 最後の冬(2022年製作の映画)

3.3

 昔は俳優に対する労働基準のようなものもかなり曖昧だったろうから、ジェラール・フィリップのような有名人であってもかなり過酷な環境を強いられたのだろう。彼のマネージャーの役割も果たした奥さんがすごい人だ>>続きを読む

貞子DX(2022年製作の映画)

3.3

 ちょうどいいタイミングで配信開始されたので、聖なる夜に観るならこの一本と決めてました(笑)
 いや〜なかなかよく考えられた筋書きだと思う。呪いではなく、完全にウイルスとしてもっとも合理的な形に落ち着
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モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

5.0

 極上のコンサートに連れ出されたような気分。
 1960年代からその人生の幕を閉じるまで、約60年にわたり映画音楽を形作り、支え続けたエンニオ・モリコーネの"偉業"を振り返る157分。
 『ニュー・シ
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モンパルナスの灯(1958年製作の映画)

3.7

 ジェラール・フィリップさんが画家モディリアーニの生涯を演じている。奇しくも彼自身がモディリアーニと同じ36歳?とかで亡くなっているのが何ともやるせない。
 モディリアーニの破滅的な生活や悲運な末路に
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METライブビューイング2022-23 ヴェルディ「椿姫」(2022年製作の映画)

4.5

 『ランメルモールのルチア』を観てから、ネイディーン・シエラさんの大ファンなので早速鑑賞。やっぱり彼女の歌と表現力はスゴい。舞台裏ではとても明るくておしゃべりな感じの人なのでヴィオレッタはキャラクター>>続きを読む

トゥモロー・モーニング(2022年製作の映画)

3.5

 ミュージカルって陰か陽か方向性がはっきりしているイメージだけど、本作は結婚前夜と離婚前夜という、プラスとマイナスをかなり頻繁に(ワンシーン毎とかで)行ったり来たりするので、最初はその世界観にやや戸惑>>続きを読む

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

5.0

 年月とともにジェイクとネイティリにはたくさんの子が生まれ、ファミリーに。スカイ・ピープルから逃れて海の民へと。前作をちゃんと見ていても、前半はキャラクターを把握するのに忙しい。推しが見つかりすぎて、>>続きを読む

ハッピーニューイヤー(2021年製作の映画)

3.6

 グランド・ホテル形式のため主人公多数。さまざまな理由で年末をホテルで迎えることになった人たちの人生が、次第に絡み合っていき、、、というお話。
 一年遅れで日本にやってきた作品なので、新年を迎えるラス
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夜、鳥たちが啼く(2022年製作の映画)

3.2

 山田裕貴さんと松本まりかさんの組み合わせだと、どうしてもトラウマ的に「先生を消す方程式」を思い出してしまうのだけど、今回はおふざけなしに大人のしっとり作品。「結婚してないのに家庭内別居」はそれほど違>>続きを読む

赤と黒(1954年製作の映画)

3.4

 スタンダールの名作を映画化した作品。長い、『風と共に去りぬ』や『タイタニック』には及ばないが、3時間はなかなか。主人公がややサイコパス気質に思えるのだけど、ジェラール・フィリップが演じると「カリスマ>>続きを読む

夜の騎士道(1955年製作の映画)

3.3

 ストーリーはよくある話だけど、終わりの潔さが結構現代的な切り方で好き。若き日のブリジット・バルドーに注目が集まりがちだけど、リーズ・ドラマールさんの華やかさには目を奪われる。キャストが豪華。

花咲ける騎士道(1952年製作の映画)

3.7

 お決まりのハッピーエンドが欲しいんだよ、という方にはおすすめ。2つのインチキ占いが結果的に両方とも現実化していく過程が、どこか予定調和的でありつつも、王道のラブストーリーという感じで面白い。個人的に>>続きを読む