摩睺羅伽さんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

パターソン(2016年製作の映画)

5.0

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やさしい神さまがしっかり見守ってくれているタイプのニーチェの馬

大きな出来事が起こらない映画と語られがちな気がするけど、パターソンさんの人生のうちでは相当いろんなことが起こりまくってしっちゃかめっち
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パーソナル・ショッパー(2016年製作の映画)

2.0

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幽霊のせいかと思ったら怖いのは結局生きてる人間かと思ったらやっぱ幽霊いた。なに?
クリステンスチュアートの顔面だけでは乗り切れない土台の弱さ

お嬢さん(2016年製作の映画)

5.0

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虐げられてきた少女ふたりがクソジジイ所有の貴重なエロ小説と春画をめちゃくちゃに引き裂いて笑顔で走り去ったら星5にするしかない

小人の饗宴(1970年製作の映画)

4.0

「恐るべき子どもたち」などがなあなあに覆い隠したものを全部取り払って剥き出しにした感じ。
彼らには美しさも純粋さも死も手を差し伸べない。
でも楽しかったね。

「ショッキングな映像を撮ってやろう」とい
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カスパー・ハウザーの謎(1974年製作の映画)

5.0

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同じように有名な野生児を題材にしながら「野性の少年」とのこの差はなんなんだ。
ブルーノ・Sがあまりにも切なく美しい容姿なので「世の中クソだからやっぱ美しいものは生きていけないよな」という気持ちに浸って
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ノスフェラトゥ(1978年製作の映画)

3.0

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キンスキー顔おもしろ映画
「枕変わると寝れない(´・ω・`)」みたいな感じでいつもの棺を積むとこかわいい

ジュリアン(1999年製作の映画)

5.0

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とても危ういバランスの上にギリギリで成り立っていた希望(のようなもの)はいとも簡単に死んでしまう。「ガンモ」とやってることはだいたい同じと言えそうだけど、向こうは躁でこっちは鬱。鬱すぎる。死ぬ元気すら>>続きを読む

グリズリーマン(2005年製作の映画)

5.0

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人間としてかなり最低だけど勇壮なくまちゃんとかめっちゃかわいいきつねちゃんとかの映像を残したよ🐻🦊

ミスター・ロンリー(2007年製作の映画)

4.0

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7年目に浮気できなかった彼女はマリリンでいられなくなった。マリリンでなくなった彼女は何者でもないのであった。
暗闇で揺れる彼女の顔がぼやけてよく見えないのが本当に悲しくて悲しくて。

墜落した飛行機を
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バッド・ルーテナント(2009年製作の映画)

3.0

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ドアの陰にしれっといるとこからの鼻チューブぶっこぬいて「このババアがどうなってもいいのか!」って脅すとこが好き

エル・トポ(1970年製作の映画)

4.0

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先にリアリティのダンスを見ていたので、だいたい同じ話であることが泣けちゃった。
ずっとお父さんと闘っていたのね。許すために。

ホーリー・マウンテン(1973年製作の映画)

3.0

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はい終わり終わり!解散!帰れ!
思ってた出産シーンが撮れなくてやる気無くすのはわかるけど、そうは言ってもやっぱこのラストは「逃げたな…」と思っちゃったねえ。

サンタ・サングレ/聖なる血(1989年製作の映画)

5.0

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最初から自由だったのでした。(人はいっぱい死んだ)
さよならピエロちゃんたち。こんにちはぼくの手。

ホドロフスキーの虹泥棒(1990年製作の映画)

4.0

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最後にディマを下水の中へ向かわせたものは、ヴォネガット言うところの「common decency」なのだと思う。
ジジイの親切がしょぼくも美しい奇跡を起こす。

ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

4.0

生まれずに死んでしまったDUNEのかけらがしかしいろんな映画に降り注いだ…と思うとなんかとても美しい。
これを見た上でリアリティのダンスの冒頭の金の詩を思い出すと味わい深い。

リアリティのダンス(2013年製作の映画)

5.0

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ホドロフスキーが人生を大決算していくのを我々はただ眺めるだけ。じじいすげー…
あとイェレミアスくんかわいすぎ…どこで拾ってきたのよこんなかわいい子…

永遠と一日(1998年製作の映画)

4.0

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人生最後の日の長さは永遠と一日分。のんびりしちゃってもまだあと永遠分ある。どんなたのしいことをしようかゆっくり考えましょう。

プロスペローの本(1991年製作の映画)

4.0

ここまで完璧な実写化ある?

舞台のフォーマットでありながら映像表現の極北だ、こんな素晴らしい映画がこの世にあって良かった、世界ありがとうグリーナウェイありがとう…と思った私は数年後ベイビーオブマコン
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エル・スール(1982年製作の映画)

5.0

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内戦で分断されてしまったスペインが再生に向かうための、小さな希望の物語。父には成し遂げられなかった和解を、娘はきっと成し遂げる。
エリセ的にはエストレリャが父の生涯をたどって「お父さんも大変だった」と
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マルメロの陽光(1992年製作の映画)

4.0

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傍目にはゆっくりゆっくり時間が流れていくように見えるけど、マルメロの最も美しい瞬間はあまりにも速く過ぎ去ってしまいとらえることができないのだなあ。
それでもその一瞬は確実に在り、目だけがそれをとらえ、
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

「父と娘の和解」と「スペインという国の心の傷が癒えていくこと」が、お互いが象徴となって混ざり合い一体となって展開される。
エル・スールとテーマは同じなのだけど、こちらの方が「近隣の人のちょっとした親切
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