moobyooさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

4.1

配信重視に舵を切ってからディズニー印作品には負の心情を抱いていましたが、本作は久々にディズニークラシックス面目躍如なミュージカル・ファンタジー・アドベンチャー映画になっています。

アフリカ系アメリカ
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水は海に向かって流れる(2023年製作の映画)

4.3

広瀬すずさんも前田哲監督も、作品規模としては本作くらいが丁度いいです。久しぶりに何度見ても飽きなかった予告編から出ているα波そのままに、かなり重いテーマを抱えながらも緩やかで温かな余韻を常に残して行き>>続きを読む

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

3.2

やっぱりスタローンのロッキーが、本作の物語りに全く不在な現実には違和感しか湧きませんでした。

この『クリードⅢ』は、主演のマイケル・B・ジョーダンが監督デビューを飾り、格闘シーンは実写スポーツ映画で
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怪物(2023年製作の映画)

4.7

そこだけを切り取ってみれば、それは悪となる。でも前後の出来事を繋ぎ合わせて視点を変えて見ると違う事実が浮かび上がり、それは善ともなる。あらゆる場面でそれを繰り返し繋げながら、人の内に潜む“怪物”とは何>>続きを読む

THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

4.9

もう色んな意味で無敵なので逆に安心して観ていられる部分を逆手に取って、どんなに強い敵が現れようが痛快にブチのめす最強魔女ヒロインの姿を描く紛れもなく大御馳走映画です。

面影あるし初めは前作の覚醒ヒロ
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

11歳の少女が父親と過ごしたひと夏のバカンスと云うだけでは済まされず、結果的に一筋縄では行かない親子の物語りが綴られて行きます。

台詞の途中で唐突にブツ切られ、概ね繋がらない場面に切り変わる展開を折
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65/シックスティ・ファイブ(2023年製作の映画)

3.7

さしずめ『エイリアン』+『ジュラシック・パーク』であり、登場人物は基本4人だけのシンプルな構成で、しかも93分のスッキリ尺なので気楽に観られる娯楽映画です。

サム・ライミが製作に名を連ねていてもそれ
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宇宙人のあいつ(2023年製作の映画)

3.2

なるほど好き嫌いが分かれる類いの作品なのでしょう、概ね評判がよろしくない様ですが、ヤケに気になる作品だったので観て来ました。

ある調査のための侵略でない宇宙人による地球潜入もの。そんでもって中村倫也
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最後まで行く(2023年製作の映画)

4.0

藤井道人監督作品にして謂わば初となるストレートな娯楽アクション映画なのですが、中々どうして途切れないテンポで見応えのあるクライム作品になっています。

岡田准一さんにしては珍しく情けないキャラで、対抗
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ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

4.8

もうワイスピだからソレで良いと云う納得をせざるを得ない総合娯楽大作アクションで、ドミニク・トレットと車に乗ってさえすれば兎に角どこから落ちようが助かるのだと言い切ってしまった感が色んな意味で潔いです。>>続きを読む

フリークスアウト(2021年製作の映画)

3.0

サーカス団員が技能を活かしてナチスドイツを痛快にやっつける映画だと勝手に思っていた自分が悪いのですが、かなり内面的な作品で戸惑ってしまいました。

思いのほかホロコーストな要素もありながら、下世話な模
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.0

ケイト・ブランシェットに始まりケイト・ブランシェットで終わる圧倒的な主演映画。これでオスカー像を獲れなかったのだから、さぞかし残念だったであろうと思われます。

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で初
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ウィ、シェフ!(2022年製作の映画)

4.0

97分のスッキリ尺の中に、手堅い展開でサクセスストーリーを散りばめるコメディ寄りな人間ドラマの良作です。

元一流レストランのスーシェフだったヒロインのカティが、成り行きで移民少年達が暮らす自立支援施
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EO イーオー(2022年製作の映画)

4.0

この映画を「面白い」と言えば「お前、本当に理解出来てるの?」と言われ、「つまらなかった」と言えば「お前、映画を判ってねぇなぁ〜」と言われてしまいそうな作品です。イエジー・スコリモフスキ監督作品は前監督>>続きを読む

MEMORY メモリー(2022年製作の映画)

3.7

リーアム・ニーソンも御年70歳になり、永らくアクション映画のスターとして君臨して来ましたが、その流れを一区切りさせる転換作となっています。

子供をターゲットにしない信念を貫いた熟練の殺し屋に、巨悪が
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せかいのおきく(2023年製作の映画)

3.9

元武家の娘という役も相まって黒木華さんは日本髪に和服が本当に良く似合います。

主役のそんな清楚な佇まいとは裏腹に、彼女に深く関わって来る寛一郎さんと池松壮亮さんが演じる役は下肥の売買い、つまり糞尿を
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波紋(2023年製作の映画)

4.0

試写会にて

ほんわかしたユルさの中にも常に毒が潜んでいた荻上直子作品にして、遂にめでたく毒気全開で挑んだ怪作です。

序盤はキャストがマスクをしているのでコロナ禍かと思ったらそうではなく、宗教が大き
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銀河鉄道の父(2023年製作の映画)

3.0

父親の目を通して描かれる宮沢賢治の一生は予想外な出来事が多いのですが、映画作品として今ひとつ響きません。

父政次郎に役所広司さん、賢治には菅田将暉さんだし配役には申し分がなく、とりわけ妹トシ役の森七
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.0

目に見えて楽しいという部分では鉄壁な完成度の娯楽アニメーション作品であり、日本発祥のコンテンツが全世界共通の土台で堂々と勝負できているだけで誇り高いです。

多様な変化を遂げてきたゲームとしてのスーパ
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東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-(2023年製作の映画)

3.2

集団喧嘩系のジャンル映画は苦手なので前作は未観でしたが、最近たまたま配信で1作目を観て何気に面白かったので本作は映画館で観てみました。

タイムリープの雑さが相変わらずなのは英勉監督節なので仕方ないと
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

5.0

ジェームズ・ガンは、本作でひとつの到達点に辿り着いたと云える会心の傑作です。

お馴染みガーディアンズの面々だけでも“7人”もいて、その他にもメインキャスト級のキャラが止めどなく登場し、数え切れないほ
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聖闘士星矢 The Beginning(2023年製作の映画)

3.0

新田真剣佑さんがハリウッド映画で主演となり台詞は全て英語で、アクションもガッツリ熟しているだけで及第点ではあります。

原作漫画「聖闘士星矢」の世界にはド素人であり大層なことは言えないのでおとなし目に
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劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室(2023年製作の映画)

4.0

勢いで観せ切ってしまった感が強いけど、テレビドラマからの映画化作品が陥りがちな“無駄に凄いだろう感”を的確に捌いており、あざとさを瀬戸際で上手く牽制したエンターテイメントになっています。

エピローグ
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銀平町シネマブルース(2022年製作の映画)

4.0

借金を抱え世捨て人な佇まいの元映画監督の主人公を演じる小出恵介さん。映画好きのホームレス役で登場する宇野祥平さんには常に死のフラグが立っているのだけれど中々死なない。その世間からハミ出してしまった人々>>続きを読む

世界の終わりから(2023年製作の映画)

4.0

これが最後の紀里谷和明監督作品であるらしい長編4作目であり、ハリウッドにまで進出していながら、今まで正直頷ける作品がなかった中で自分としては本作が一番面白かったです。

注目の伊東蒼ちゃんの主演であり
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サイド バイ サイド 隣にいる人(2023年製作の映画)

3.0

ちょっと掴みどころが散漫で、色々と成り切れていない所在が希薄なファンタジー作品です。

坂口健太郎さん、齋藤飛鳥さん、市川実日子さんと子役の磯村アメリさんを含めてメインの俳優陣の単体の演技は皆さん良い
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ハロウィン THE END(2022年製作の映画)

3.6

これで本当に最後になるのかは、今までの経緯からすると疑わしい部分も無きにしも非ずですが、ジョン・カーペンターが製作総指揮に関わる純然たるシリーズとしては事実上完結となります。

2018年の再起動から
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ヴィレッジ(2023年製作の映画)

3.0

閉鎖的な地方の村を舞台に現代日本の社会問題を背景に置き、サスペンスな物語りを展開させる流れなのですが、近年の藤井道人監督作品と比べると今ひとつシックリきませんでした。

横浜流星さん演じる主人公からし
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AIR/エア(2023年製作の映画)

4.8

実録モノの仕事映画としてはもちろん、サクセスストーリー主軸の娯楽作としても隙のない仕上がりの逸品です。

NIKEのエア・ジョーダン誕生譚であり、結果が分かっている与件を差し引いても躍動感が半端ない展
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パリタクシー(2022年製作の映画)

4.0

予告編からの印象としては、ハートフルなコメディなのだろうと思っていましたが、思いのほか重たい事実を含んだ人間ドラマでした。

自宅を出て入居する施設へ行くためにタクシーを呼んだことによる老婦人と運転手
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ダークグラス(2021年製作の映画)

3.2

もう既にダリオ・アルジェント御大の新作を観られるだけで良しと云う事実は大いにあります。

9年前に日本で公開された前監督作の『ダリオ・アルジェントのドラキュラ (Dracula 3D)』は、確かに痛い
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仕掛人・藤枝梅安2(2023年製作の映画)

4.8

前作を“静”とすると本2作目は止まることがない“動”の佇まいで、孤高の池波文学を見事な対峙で映画としての時代劇の可能性を確実に広げています。

藤枝梅安が背負う最大の背徳に対する決着編として、謂わばダ
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.2

『シックス・センス』の因習により、シャマラン印作品に永遠に纏わり付くであろうドンデン返しの呪縛を、敢えて牽制するかのようなストレートな物語りに戸惑わされます。

とは言え相変わらずの大風呂敷加減は相当
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映画 ネメシス 黄金螺旋の謎(2023年製作の映画)

3.0

かなり鑑賞前ハードルが低かったのが功を奏し、思ったより観られたというのが正直な感想です。

ゲノム編集ベイビーというSF要素に探偵モノを無理矢理合わせて、ハッタりと勢いにより99分で収めたのがプラスに
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トリとロキタ(2022年製作の映画)

4.0

理不尽の連鎖による底なし沼の様な不条理劇なのですが、トリとロキタの支え合いからの生きる糧の先には並々ならぬ活力が漲っています。

アフリカからベルギーへの密航途中で出会い姉弟の様に寄り添って生きる少年
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小さき麦の花(2022年製作の映画)

4.2

久しぶりにミニシアター枠で重い映画を観たいと思い、選んで観に行ったのですが、いや〜本当に重量級に重たい作品でした。

共に家族の厄介払い的に見合い結婚させられた貧しい農民ヨウティエと体に障がいがあるク
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