10代の時に見たら人生が狂っちゃう映画。カニバリズムは青春の孤独の見立てであり、『WE ARE WHO WE ARE』同様、若者に向けられている。若いうちに食べちゃいたいくらい好きな人と出会って、出来>>続きを読む
継承争いに負けてオーストラリアに引き籠もったシヴが、両親と姉妹の呪縛に苦しめられるホラー映画(←ちょっと違う)。ここでも兄妹ゆえに起こる確執がリアルで、哀しい怪談でもある。『サクセッション』組はみんな>>続きを読む
しばらく見ない間に(『ワイルド・スピード』は2で止まっている)ミシェル・ロドリゲスが貫禄たっぷりで、『ガールファイト』から見てきた身としては随分立派なスターになったなぁと感慨深かった。ソフィア・リリス>>続きを読む
今回もあの手この手のアクションが盛り沢山。前半約20分間の疑似ワンカットによるシークエンスは力が入っているものの、只アクロバットなだけではTVゲームっぽさが増すばかりで、それほど興奮しなかった。ヘムズ>>続きを読む
『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース』と『ザ・フラッシュ』を続けて見るとほとんど同じ話である事にビックリ。MCUは未だセコセコとマルチバースの拡大を続けているが、DCもスパイダーバースもヒ>>続きを読む
愉快痛快!予想以上にギャグ盛り沢山、1人でボケもツッコミもやる二馬力エズラ・ミラーの奮闘が映画のチャームを担っている。マルチバース設定にあくせくしているMCUを尻目に、ワーナー×DCの歴史を総括し、ジ>>続きを読む
成熟した人生洞察。11歳の夏休みの断片的な記憶を通じて、若くして子を持った父親の深い愛情、底知れない孤独と耐え難い無力感を浮かび上がらせていく。背中で全てを見せたポール・メスカルの繊細をよくぞハリウッ>>続きを読む
近年のハリウッド映画でも群を抜いて巧妙な視覚効果で、不気味にも滑稽にも陥らないミーガンの表情(目!口角!)に、少なくとも鑑賞中は「ありだな」と。子供と私達の生活にスルりと入り込んでいくテクノロジーの権>>続きを読む
外縁を描く第1〜2幕の坂本脚本の筆致に、是枝演出が明らかに触発されていて、2人のコラボレーションの凄味に唸った(キャンペーンがハマればアカデミー脚本賞候補もあり得る)。事前情報がないことでこそ、私達が>>続きを読む
試写。
昨年公開された『X』の前日談で、最高齢殺人鬼パールの若き日を描く。“何も成せずに年老いて人生を終えることの恐怖”というテーマが突き詰められ、脚本も兼任する主演ミア・ゴスが入魂の演技。
前作より>>続きを読む
物言わぬロバに言葉と魂を与えるイエジー・スコリモフスキのマジック。なんと僕たちはロバの深層心理に迷い込み、ロバの目からこの世の残酷さと美、人間の滑稽さとイザベル・ユペールの夢を見る。イーオーの佇まいに>>続きを読む
当然の如くアニャ・テイラー=ジョイ(ピーチ姫)とセス・ローゲン(ドンキーコング)が良かったです。以上。
調べてみると、どうやら自分がマリオをリアルタイムで楽しんでいたのは『スーパーマリオランド2 6>>続きを読む
同じ主題を何度も語り直す、紛れもない“作家の映画”。驚くほど『レスラー』とそっくりで、過食で自身の肉体を極限まで傷つけた男の魂が剥き出しになっていく。浜に打ち上げられ、死を待つばかりの巨鯨ブレンダン・>>続きを読む
紛れもないデヴィッド・ロウリー映画。ディズニープラス直行が勿体ない美しさ。古典を現代に伝承しつつ、原作が持っていたであろう悲哀を再現している点においても『グリーン・ナイト』との連作と言える。そしてここ>>続きを読む
ビル・ナイ枯淡の名演と、オールドスタイルの撮影を堪能。英国紳士とは何かと問いかけ、人生の“日の名残り”にかろうじて間に合った男を描くという意味でも、カズオ・イシグロの作風に引き寄せられているリメイクだ>>続きを読む
やっぱりベン・アフレックは凄かった!!語りのペース(112分)もカメラと役者の動かし方もお見事な手際の良さ。実はストリーミング全盛のハリウッドにおける映画製作にも読み換えられる話で、“映画についての映>>続きを読む
今年のオスカー短編アニメ賞受賞作。原作絵本の描線まで再現した作画の美しさに目を奪われる。雪原の只中で“迷子”になった少年とは現在を生きる僕達の姿であり、優しさがモグラ キツネ 馬の姿を借りて彼を導いて>>続きを読む
面白い。1988年、携帯用ゲーム機向けの権利を獲得すべく、権利元ソ連を舞台に繰り広げられるビジネス競争。そういえば僕の家には1989年にはゲームボーイがあって(田舎でよく親は買えたと思う)、テトリスを>>続きを読む
試写。
アカデミー脚色賞受賞作。予想以上に芝居の映画で、クレア・フォイ、ルーニー・マーラ、ジェシー・バックリーの個性を活かした8人の怒れる(だけではない)女達の物語。“赦しの誤用”という台詞に、そうか>>続きを読む
創作衝動と芸術が破壊や欲望といった人間の仄暗い情動から生まれ得る事に光りを当てた衝撃的な映画。近年の“映画についての映画”にトドメを刺した。ミシェル・ウィリアムズとポール・ダノは“スピルバーグの両親”>>続きを読む
これも観客よりも登場人物、というか作り手が先に泣いてしまってる映画で、同じモチーフでも『バビロン』には個性があった。
息子の恋人が自分と同い年、もしくは歳上と知った瞬間「前にも同じ事があった」と伺わ>>続きを読む
ミシェル・ヨーの偉大なキャリアとキー・ホイ・クァンの築かれる事のなかった俳優としてのキャリア、あらゆる映画ジャンルと、そして観客の過去と可能性を内包する。「何言ってんの!?」と呆気に取られる時間もあっ>>続きを読む
言いたい事もやりたい事もわかるが、『サクセッション』と『ホワイト・ロータス』がある国でアカデミー賞候補(作品、監督、脚本)というのはちょっと褒め過ぎじゃないか。豪華クルーズが下呂温泉に突っ込む露悪さに>>続きを読む
カナダの画家モード・ルイスの伝記映画。彼女の創作宇宙に迫る事よりも夫婦愛が主題で、出世作『ハッピー・ゴー・ラッキー』以来、一種の聖性を纏った童女のような人物を演じ続けているサリー・ホーキンスと、イーサ>>続きを読む
夫はバスの運転手をしながら詩作し、妻は日々インテリアに手を加え、カップケーキを焼く。淡々としたジャームッシュの1週間のスケッチから、人間はあらゆるレベルの創作的行為と共にあり、日々は啓示的なまでのイン>>続きを読む
試写で。トッド・フィールド16年ぶりの新作は、おそらく2022年のアメリカ映画で最も挑発的な1本。森羅万象を統べるかのようにタクトを振るい、霊感的な聴力を持った天才指揮者ケイト・ブランシェットがキャン>>続きを読む
たまらん…!
吐息と視線と指先。パク・チャヌクはいよいよ巨匠の筆致。ここ数年のラブロマンス映画で最も心奪われた。「あなたのシルエットが美しい」と言わせる脚本チョン・ソギョンの文学的なダイアログの数々は>>続きを読む
酷評されようが大コケしようがおそらく撮りたい画は全部撮れたチャゼルはこれでハリウッド砂漠に骨を埋めてもいいと思っているハズ。激烈なマーゴット・ロビーと、あまりにも短い栄華の終わりを体現したブラピの名演>>続きを読む
デプレシャン映画の顔はやっぱマチュー・アマルリックとエマニュエル・ドゥヴォスだろと思った映画。
上映時間125分という短さのおかげで冗談みたいなプロダクションデザインやツボがわかってない演出にあまり腹を立てる気にもならず(アバター2にしろ、今のハリウッドにはSFがやれるデザインアーティストはいな>>続きを読む
トリゴーリンの憂鬱に若くしてゲースロという終生の代表作を得てしまったエミリア・クラークがダブってしまった。しかし、ここではエラリア・サンドもといアルカージナ役インディラ・ヴァルマが格上。「私はドラゴン>>続きを読む