現在は彼の三峡ダムの湖底に沈む、とある村、とある山査子の木にまつわる悲恋の物語である。
チャン・イーモウ。
ストーリーラインに就いては、所謂一本物である為、言及を割愛する。
イーモウのフィルモグラ>>続きを読む
70年代のローマ貧民街、大家族の猥雑な生活を表したドラマ作品である。
エットーレ・スコラ。
ニーノ・マンフレディに依る極悪オヤジの演技には、失笑させて貰った。
フェンスの向う側のブロックを、何とか手>>続きを読む
ヴィム・ヴェンダース。
矢張りこの人は、ロードムービーが上手い。
原題『Don't Come Knocking(放っておいてくれ)』。
数多在る自堕落な男の更生劇かと思いきや、父親を知らない子供達の想>>続きを読む
鑑賞記録。
フランス、パリ。
モンパルナスの一角、ダゲール街。
この街に住まい、また生計を立てる人々の顔を通し、街そのもののポートレートを表そうとしたドキュメンタリー作品である。
アニエス・ヴァルダ>>続きを読む
何と言う郷愁、哀切。
ナディーン・ラバキー。
監督・脚本・主演を務めたラバキーの、復帰作。
一見、ベイルートに住まう女性美容師等の日常を切り取った群像劇かと思わせられるが、各自が抱える問題から、レバノ>>続きを読む
鑑賞記録。
怪奇幻想文学の愛好家にはよく知られた、ヘンリー・ジェイムスの著作『ねじの回転』が原作となる。
基本的なプロットや雰囲気は、原作を善く表す。
ただ、原作や同作家に由る『ねじれ首のジャケッ>>続きを読む
鑑賞記録。
白状するが、私はバレエに就いて、ずぶの素人である。
故に本作に就いても、語る術も無い。
受け売りの知識を披瀝するのも、失礼であろう故、舞台から受けた感想をスコアとして点けるのみとする。
ホラー作品は、考察よりも感想寄りのレビューとなる事をお赦し頂きたい。
ウィリアム・フリードキン。
ホラーのみに留まらず、その構図の美しさをも堪能した作品である。
特にメリン神父到着時の霧に覆われた>>続きを読む
鑑賞記録。
監督はスイスの名匠にして、ファスビンダーの盟友、ダニエル・シュミット。
イタリア、ミラノにオペラ王・ヴェルディが建てた、音楽家の為の高齢者施設「カーザ・ヴェルディ」。
本作は其処に住まう>>続きを読む
鑑賞記録。
クロード・シャブロル。
うーん、難しい。
主題は「愛憎の狭間」、と云った処であろうが、随分杜撰で不確かな犯行であるな、と云った印象である。
劇故の単純化なのかも知れぬが、これは少々いた>>続きを読む
人間と云うものの暗部を時事的・哲学的に画いた作品である。
ヴィム・ヴェンダース。
本作は『ベルリン、天使の詩』の続編として製作された。
既に数多の先達により、物語の叙情性や傾向、其の時事性に就いては>>続きを読む
鑑賞記録。
ヴィム・ヴェンダース。
前半部のロードムービーの楽しさと、後半部の「人の心中の外部観測と云う行為は、適切であるのか」「心は再生出来るのか」と云う問いの間を、ヴェンダースらしい雄大且つ叙情>>続きを読む
フランツ、もう一つの「その後」。
ブルハン・クルバニ。
ファスビンダーによる13時間超えの巨編、『ベルリン、アレクサンダー広場』。
弱者への現代社会の冷酷さと過酷さ─、“一度沈んでしまった者への、社会>>続きを読む
マルグリット・デュラス。
白状するが、未だ本作に就いては捉え切れて居ない為、フォロワーの方々には本稿は読み飛ばして頂きたい。
海外盤の鑑賞で、台詞は全て理解した積もりであったが、慣れ故に何か読み飛ばし>>続きを読む
D.W.グリフィス、畢生の大作『イントレランス』。
「不寛容」をタイトルとしたこの作品が公開された際、W.W.Ⅰへの参戦気運の高まっていた米国内で、興行的に大失敗となってしまった事は、シネフィルならば>>続きを読む
弘前・長岡・会津若松・水戸へのひとり旅の帰途、立ち寄った映画館にて鑑賞。
同日公開されていた、ラバキーやイオセリアーニは、我が味噌県への巡回も予定されているとの事、悩んだ末に見逃していた本作に決断。>>続きを読む
サン・ミニアート村の虐殺、戦争の寓話。
パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ。
イタリア、トスカーナ地方の牧歌的な雰囲気の中、無残に起こる逃避行と悲劇とを描いた作品である。
ヴィットリオ自身の体験から>>続きを読む
溝口健二。
封建社会、男性優位社会での女性の浮き身と其の浮華を、滑稽さを以て描いた作品である。
ちょっと吃驚するくらい、出て来る男が父親を含め、腐れている。
溝口らしい、ドリーと長回しを多用した極めて>>続きを読む
ヴェントゥーラ、─男、移民。
其の記憶の旅。
ペドロ・コスタ。
カーボヴェルデ共和国。
アフリカ大陸西沖に位置するこの島国は、1975年にポルトガルより独立した若い国である。
其の位置からも分明な通>>続きを読む
鑑賞初のペドロ・コスタは、ドキュメンタリーから。
パヴリコフスキ『COLD WAR』に出演していたフランスの歌姫、ジャンヌ・バリバールのレコーディング風景に焦点を当てた作品である。
ドキュメンタリー>>続きを読む
ブラガ、ギマランイス。
2001年、ユネスコに由る世界文化遺産として登録された、ポルトガル王国揺籃の地である。
本作は2012年、欧州文化都市事業のプログラムとして制作された、四人の監督に由るオムニバ>>続きを読む
鑑賞記録。
主題も主張も全く見えない作品である為、「第七芸術」としての“映画”では無く、“演劇”としての評価となる。
「狂人の真似とて大路を走らば 即ち狂人なり」。
高評価が多い中恐縮であるが、>>続きを読む
鑑賞記録。
「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり」。
ジャン=ピエール・メルヴィル。
女性に「男の人って、こういうのが好きなんでしょう?」と問われれば、「はいっ!大好きですっ!」─と胸を張って答える>>続きを読む
風船と、針の一突き。
『恐怖分子』─、中国語で「テロリスト」の意。
ほんの些細な出来事、テロルとすら言えない様な小さな悪意が、殺伐とした都会に生きる人々へ破綻と破滅を齎す様を描いた群像劇である。>>続きを読む
残された者達。
トート・バルナバーシュ。
声高に何かを主張するでもなく、ただ切々と、大切な人々を失った哀しさを訴えかける作品である。
本作の舞台は1948年、大戦が終わり、スターリニズムと夜警国家へ>>続きを読む