まささんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

まさ

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(2023年製作の映画)

3.8

2016年に起きた障害者施設での殺傷事件がモチーフとなっている。はっきり言って、観て楽しい作品ではなく、鈍い重たさをもたらす作品。人として生きる意味とは何かを鋭く問い掛けられ、自分の持つ偽善、暗部と否>>続きを読む

アンダーカレント(2023年製作の映画)

3.8

今泉監督最新作を公開初日に鑑賞。夫の突然の失踪に加え、さらに悲しい過去を持つ女性かなえ。そして彼女の前に表れる寡黙な男。彼らや彼らを取り囲む人たちの、表面からは見えない奥底に流れ内心が浮き彫りになる。>>続きを読む

アナログ(2023年製作の映画)

3.6

原作がビートたけしで、泣ける作品という違和感を持ちつつ、期待と疑い半々で鑑賞。確かに泣けた。劇場で泣いたのは久々かな、という位にしっかりと。全体として、静かでしっとりとした雰囲気。それでいて、二宮、桐>>続きを読む

沈黙の艦隊(2023年製作の映画)

3.5

現実の世界が混沌を深める情勢が、本作に不思議なリアリティーを帯びさせているような気がする。原作未読ながら楽しむことはできた。海上自衛隊が協力したこともあり、艦隊の迫力ある映像はなかなかいい。大沢たかお>>続きを読む

熊は、いない/ノー・ベアーズ(2022年製作の映画)

3.6

本作の息子であるパナー・パナヒ監督作「君は行き先を知らない」で、初めてイラン映画を鑑賞。その父親ジャファル・パナヒ氏の監督作ということでこちらを鑑賞。自身も監督役とし出演し、フィクションとノンフィクシ>>続きを読む

まなみ100%(2023年製作の映画)

3.5

高校時代から10年経った今でも同じ女の子のことが好きなチャラ男である僕の青春譚。片想いが過ぎるという本来なら共感度ハンパないところではあるが、主人公が如何せんチャラい。よく言えば、甘え上手で憎めない奴>>続きを読む

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

3.7

とある映画コメンテーターの絶賛評を聞き、25年前の作品の4Kリマスター版を鑑賞。本作の原案となっている小説の作者である竹内義和と言えば、関西で日曜日の深夜に北野誠とともにやっていたラジオ番組「サイキッ>>続きを読む

ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)

3.8

歌やダンスといった表現芸術の魅力、そしてなによりたくさんの美が詰め込まれた作品。街の風景や自然の景色、そして踊り手のしなやかな動きと体がなんとも美しい。クラシックバレエにヒップホップ、コンテンポラリー>>続きを読む

ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

3.7

原作もドラマも未見ながら十分に楽しめた。ミステリーそのものの面白さに加えて、菅田将暉演じる久能整が、深い洞察と幅広い知識をもとに述べる深い言葉が味わいを加えている。個人的には、フェミニスト、そして子供>>続きを読む

ほつれる(2023年製作の映画)

3.7

関係の冷めた夫と、目の前で亡くなってしまった不倫相手の男の間で揺れ動く女綿子を中心に、ほつれてしまった関係にあるそれぞれの心情を描いていく。生活力のある夫と情愛のある不倫相手といいとこ取りをしながら、>>続きを読む

アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

3.6

時が止まり、外界からも閉ざされ、変化することを許さない街。その中で閉塞感を感じながら日々の成長や変化を押し殺しながら過ごす多感な中学生と、異世界からやって来た野生のような少女との出会いが、世界を動かし>>続きを読む

Gメン(2023年製作の映画)

4.0

この手の作品にしては評価が高く、これは観ておかねばと鑑賞。いやこれは高評価に納得。これはまさに「痛快アクションコメディ」。ストーリーの硬軟、緩急のバランスがいい。コメディ多めの構成に加えて、エロのトッ>>続きを読む

夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく(2023年製作の映画)

3.5

何か観ようと時間がフィットした本作に、青春系のテイストを期待してチョイス。キラキラ系の作品かもと少し心配したが、そのテイストもあるものの、それほど抵抗感なく最後まで観ることができた。展開がやや強引に感>>続きを読む

炎上する君(2022年製作の映画)

3.4

本作の直前に見た「福田村事件」の衝撃を和らげようと、その次の上映作品で、ふくだももこ監督と主演のうらじぬの氏の舞台挨拶もあるとのことで、本作を鑑賞。42分の短編作ながら、コミカルな雰囲気の中に、監督の>>続きを読む

福田村事件(2023年製作の映画)

3.7

名古屋駅前のミニシアターで公開2日目に鑑賞。朝一番の舞台挨拶のない上映会ながら満席であるところから、本作の注目度の高さがうかがえる。数か月前から本作を知り、観に行かねばと思っていたが、いざ近づくと史実>>続きを読む

あしたの少女(2022年製作の映画)

4.0

ダンスが大好きな女子高校生ソヒが自ら命を絶ってしまうまでを描く前半と、刑事ユジンがその真相を追う後半という構成と流れが秀逸。一人の純粋な若者が、真面目さ故に死に追いやられてしまうまでを丁寧に描き、彼女>>続きを読む

エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

3.5

30年前の台湾を舞台にした恋愛作品。いわゆるトレンディドラマのように、パートナーや姉妹、友人、職場と身近な人間関係の間で恋や事情が様々に絡んでいく。当時の俺はまだ子供やけど、なんか懐かしい感覚。登場人>>続きを読む

ファルコン・レイク(2022年製作の映画)

3.8

休日午後の空き時間にフィットした本作をチョイス。この偶然の選択はラッキーだった。男兄弟で育ったおじさんは、お姉ちゃんがずっと欲しかった。だから小学生の時は、同じ登校班の2年年上のお姉さんのことをいつも>>続きを読む

ジョニーは行方不明/台北暮色(2017年製作の映画)

3.6

アマプラのおすすめは、おじさんの好みをなんとなく突いてくるのがすごい、てか怖い。台北の街の片隅に息ずく男、女、少年。少しずつ重なりあうそれぞれの日々を描く。何か大きなことが起こるわけではないが、漂う雰>>続きを読む

さよならエリュマントス(2023年製作の映画)

3.6

進んで見るジャンルの作品ではないものの、中島歩出演作であり、辻占恋慕の大野監督作品でもあるということで鑑賞を決める。主演であるミスマガジン6人の演技が心配だったが、よく言えば初々しさたっぷりというとこ>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.5

ファーストデイに見ておこうかと公開初日に足を運ぶ。ウェス監督作は初鑑賞。聞いてはいたが、なかなかの独特な世界観だった。人口87人の砂漠の街アステロイドシティで起こる宇宙人騒動を舞台にして、制作されてい>>続きを読む

君は行く先を知らない(2021年製作の映画)

3.4

ユーモアな会話劇を織り交ぜつつ、深刻とも言えるイランの社会状況を描いた作品。事実がややぼかす形で描かれている(他の方のレビューなどを見てると、イランの映画に対する規制事情がその背景にあるらしいが)こと>>続きを読む

大いなる自由(2021年製作の映画)

3.6

同性愛が法律で禁止されていたドイツ。法律による禁止という状況を知らない自分にとって、映画に描かれた人たちを通して、当時の社会情勢やそこに生きる人の心情に触れることができたことは意義深いように思う。法律>>続きを読む

SAND LAND(2023年製作の映画)

3.8

なんか観ようと思い、時間が合うのがこれしかなくて本作をチョイス。鳥山明はもちろん知ってるけど、原作はおろか、他の作品もしっかりとは観たことないおっちゃんやけど、十分楽しめた。ストーリーはある意味単純や>>続きを読む

ソウルに帰る(2022年製作の映画)

3.5

幼少期に韓国からフランスに養子に出された女性フレディ。彼女の国籍や親といったアイデンティティのフレキシブルで心もとない状況と、そこから生じているのであろう彼女の奔放さと不安定さが映し出されていく。場面>>続きを読む

星くずの片隅で(2022年製作の映画)

3.6

大国の影をあまり感じない香港映画らしい作品のように感じた。余裕のない日々の生活に追われる、清掃業を営む男とシングルマザー。ひょんなことから一緒に働くことになる彼らの孤独と希望を描く。うまく行かないとき>>続きを読む

インスペクション ここで生きる(2022年製作の映画)

3.3

ゲイゆえに母から関係を経たれ、孤独の中で生きてきたフレンチが選んだ海兵隊への入隊。そんな彼の新入訓練の日々を描く。マイノリティ故の様々な困難の中で強く生きる姿を描きつつ、世間や周囲の理解を得ることの難>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.6

公開前の宣伝が1枚のポスターのみという手法で話題になったこの作品。同名小説の存在は知っていて、要約版は以前に読んでいた。本書を原作とした映画作品かと思いきや、肩透かしを食らう。ただ、作中に本書が登場し>>続きを読む

アイスクリームフィーバー(2023年製作の映画)

3.8

とにかくあらゆる面でセンスの良さを感じさせる。おしゃれな雰囲気の映像と音楽、オムニバス的な複数のストーリーの絡ませ方と時制の設定、種の明かし方、あと諸々の伏線とその回収。そして吉岡里帆をはじめとする出>>続きを読む

サントメール ある被告(2022年製作の映画)

3.4

幼い我が子を殺めてしまった母親の裁判の展開とともに、彼女が置かれた孤独な環境が浮き彫りになる。裁判を傍聴する女性作家の内面と家庭事情を並行的に表しながら、母と娘の関係の奥深さを描く。なんとなく主題はつ>>続きを読む

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.7

思春期の苦い思い出というのは、多くの人が経験するのかもしれない。大人への階段を上り始めた頃に、急に他人の目や言葉を過剰なまでに意識して、劣等感や羞恥心を抱いてしまう。そしてその反応として短絡的な行動に>>続きを読む

PLASTIC(2023年製作の映画)

3.6

作品のロケ地にもなった館での名古屋先行上映で鑑賞。音楽がつなぐ過去と未来、そして人と人。エクスネ・ケディという幻のアーティストの作品がストーリー全体を包む。現実と幻をない交ぜにしながら、時にコミカルに>>続きを読む

オレンジ・ランプ(2023年製作の映画)

3.6

若年性認知症になった夫と献身的な妻を描いた作品。認知症によって廃人のようになってしまうという恐怖、身の回りのことをなんでもやってあげる優しさーそんな認知症に対して持ちがちな偏見や勘違いに改めて気づかさ>>続きを読む

遠いところ(2022年製作の映画)

3.8

沖縄を舞台に若者が抱える厳しい現実を描く。日々の生活のために、自身の大切なものがなし崩しになっていく様はあまりに痛々しい。彼女を救うものは遠いところにしかない、なんてあまりに虚しい。本作で描かれた世界>>続きを読む

1秒先の彼(2023年製作の映画)

3.5

2年前に公開された台湾映画のリメイク版。台湾版の方は公開時に鑑賞し、感涙ものだった。原作をどのようにアレンジしているか気になり、そして清原果耶への期待もあり本作も鑑賞。舞台を京都にして、台湾版と男女の>>続きを読む

小説家の映画(2022年製作の映画)

3.6

筆を折ったという女性小説家のある日常を描く。なんでもないやり取りから浮き彫りになる、それぞれの人間関係や言葉の奥に秘めた思い。ドラマチックな展開ではないが、噛み締めるごとに味わいが染み出るようやドラマ>>続きを読む