かすとり体力さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

かすとり体力

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百花(2022年製作の映画)

3.5

母親の認知症の進行と、それに伴い、菅田将暉演じる主人公が幼い頃に封印した母の記憶と向き合っていく様を静謐なタッチで描く。

母の認知症について「認知症患者の一人称視点による現実の歪み」を映像として表現
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

3.9

タランティーノの長編監督デビュー作。

同監督の特徴であるナンセンス会話やキレッキレのバイオレンス描写などの端緒が見られるが、後の作品と比べると(時系列の入れ替えはあるが)構成がシンプル&短尺で非常に
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シンドラーのリスト(1993年製作の映画)

3.7

正月にまとまった時間が取れたため、長尺過ぎて敬遠してきた本作を鑑賞。

イメージ通り重厚な作品だったが、さすがのスピルバーグ節で、途中でダレるようなことが全くなかった。

ネガティブな導入になってしま
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ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

3.8

名作と名高い本作。

「列車の中で偶然出会った一組の男女。二人は意気投合して列車を途中下車し、ウィーンの街をあてどもなく歩く。しかし楽しい時間はあっという間に過ぎ、やがてお互いの生活に帰る朝がやってく
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マイスモールランド(2022年製作の映画)

3.8

最近特に社会的な注目を集めているクルド人問題をメインテーマに据えたドラマ作品。

本作、一本の映画作品として観たときには欠点のないの作品とは言い難いんだけれど、やはりクルド人の問題を物語の中に落とし込
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蒲田行進曲(1982年製作の映画)

3.6

こういう昔の有名作品も見とかんと、と思い鑑賞。

や、面白い。
面白いけど、さすがに今の時代に見ると、倫理的な基準の飛び越え具合がエグ過ぎて結構なノイズになる笑
(当時でも結構飛び越えてたんだろうけど
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キャスト・アウェイ(2000年製作の映画)

3.8

超有名作品だけど未鑑賞、かつロバート・ゼメキス監督作品ということでワクワクしながら観賞。

めっちゃ良かった~~。

ってか、同監督×トム・ハンクスという時点で安牌案件ではあるか。

とは言え、作中に
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THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

3.8

音声版『SEARCH』という評判を聞いたら、そりゃどうしても観たくなりまさぁね。

臨時的に警察の緊急通報指令室に配属されていた主人公が、とある通報を起点とする音声情報だけを頼りに、誘拐事件の解決に向
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ルーム(2015年製作の映画)

3.8

アカデミー賞作品賞ノミネートで評判も非常に良いということで気になっていたもの。

鑑賞して納得。一本の映画として純粋に面白い上に、この映画でしか描き得なかったものがしっかりと描かれている。

作品冒頭
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

4.0

いやすまん、純粋に面白過ぎた!

前作よりもかなりポップかつコメディー寄りになっていて、私はこのシフトチェンジが大好きだった。

まず、阪元監督作品全般に言えることだが、会話のリアリティーの高さよ。
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窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)

3.7

女性向けBL漫画作品の映画化。原作未読。

事前の想定と大きく異なるところが2点。

まず、関ジャニ∞の大倉忠義と成田陵のダブル主演というところで、雰囲気のみのふわっとしたBLものかと思っていたら、か
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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

3.8

第二次世界大戦中に独軍が使用した暗号『エニグマ』を解読したアラン・チューリングのお話ということで、暗号の解読プロセスをスリリングに描いたサスペンス映画かと思っていたら、いやはや、それ以上の多様なテーマ>>続きを読む

アクト・オブ・キリング(2012年製作の映画)

3.8

概要(Wikipediaより引用)
1965年、時のインドネシア大統領・スカルノが陸軍のスハルト少将のクーデターにより失脚、その後、右派勢力による「インドネシア共産党員狩り」と称した大虐殺が行われ、1
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ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日(2012年製作の映画)

3.8

以前から気になっていたところアマプラ配信。

(さて、本レビュー、ストーリー上核心的なネタバレはしていないが、どうしても本作の構成に触れざるを得ないところがあるため、ガチのゼロの気持ちで鑑賞されたい方
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戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-02 暗黒奇譚!蛇女の怪(2015年製作の映画)

3.5

最後の劇場版を除くとビデオシリーズとしては最終作。

私は完全に当シリーズのファンになっちゃっているので、毎度毎度客観的な判断が出来ないものだが、本作はそれにしても、如何せん他作品と比べると微妙だった
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シュシュシュの娘(2021年製作の映画)

3.6

名作『サイタマノラッパー』シリーズの入江悠監督作品。

突如、自身が実は忍者の末裔であったと告げられた女性主人公が、忍者テクを駆使し、行政から自殺に追い込まれた自身の大切な人の無念を晴らすべく、行政の
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EO イーオー(2022年製作の映画)

3.7

「ロバ」が主人公?のすんげえ風変わりな映画。

ロバのEOが偶然に翻弄されながら続ける放浪の旅と、その過程での様々な人間との出会いを通じて、人間社会の愚かさや滑稽さ、はたまた温かさを描くという一種のロ
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Pearl パール(2022年製作の映画)

4.0

昨年、界隈?を賑わせた『X』の前日譚。

いやもうめちゃくちゃ良かった!

『X』で過去に類を見ない特異なキャラクター設定で我々に強烈な印象を残したパール。
(だって、「性欲で内面をひたひたに満たした
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メイズ・ランナー(2013年製作の映画)

3.7

もっと、巨大迷路からの脱出に焦点を当てた「シチュエーション・ソリッド・スリラー」全寄せの映画かと思っていたら、全然そんなんではなかった。

巨大迷路はただのお膳立ての一つに過ぎず、その外での生活をメイ
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蛇イチゴ(2003年製作の映画)

3.7

アマプラで西川美和監督作品が一気に配信開始。
私、同監督の『ゆれる』がオールタイムベストにつき彼女のほとんどの作品を観ていたんだけれど、本作は未鑑賞だったので飛び付くように鑑賞。

長編初監督作品とい
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浅田家!(2020年製作の映画)

3.7


『湯を沸かすほどの熱い愛』『長いお別れ』の中野量太監督作品。

本作、改めて、やはり中野監督らしい作品だなあと強く感じた次第。

まずやはり同監督、人間ってもんを信じているんだろうな。

人は人を思
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.1

やっちまった。本作、前後2部作の前編だったのね。。
私、待っている間がツラいので、前後2部作は後編が出てから一気見することにしていたのに。。

しかしまぁ本作、映像もストーリーもレベルが高すぎる。
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モスル~ある SWAT 部隊の戦い~(2019年製作の映画)

3.7

『アヴェンジャーズ』のルッソ兄弟プロデュースで注目を集めた戦争映画。

まず、世の中に戦争映画は数あれど、イラクにおけるISISとの戦いを取り扱った映画を観るのは初めて。

この「正義不在の戦い」(正
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ショーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)

3.8

エドガー・ライト監督作品と知らずに観ていた。

良質なゾンビものコメディー映画。

笑いあり、涙あり、ホラー(グロ)ありでとにかく観ていて楽しいうえに、それらの要素のバランスが絶妙!クオリティ高し!
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戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-01 恐怖降臨!コックリさん(2015年製作の映画)

3.7

全作の最終章を踏まえたところで、まさかのマルチバースで新始動。

とにかくひたすらに風呂敷が広がっちゃってたのを1回リセットし、「そもそもどんな作品が作りたかったんだっけ?」というところに立ち戻ったよ
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奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール(2017年製作の映画)

3.7

『モテキ』『バクマン。』等の大根仁監督作品。

このインパクト全フリのタイトルにより前々から気になっていたが、最近色々なところで「自我確立模索系青春映画」(?:←私が勝手にそう名付けただけ)の一つとし
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.3

ウェス・アンダーソン監督最新作。

結論から言うと、すいません、さすがにこれはないかなー。

フラットに退屈でおもんなかったです。

前作の『フレンチ・ディスパッチ』のレビューの中で、私は最近の同監督
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バービー(2023年製作の映画)

3.7

『レディ・バード』『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』ともに最高だったグレタ・ガーウィグ監督作品。

当初本作を知ったときは「また何か変なイロモノ映画出て来たなー」くらいに思っていたが、監督がグレタ・ガ
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オットーという男(2022年製作の映画)

4.1

あまり評判になっている感じも無かったと思うんだけれど、アマプラで配信され始め、レビューを読むとなかなかに評判が良さそうだったので鑑賞。

結果、めっっっっちゃ良かった!!
なんこれ。もう少し話題になっ
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ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

3.7

嵐の二宮君主演という時点で少し色眼鏡で眺めていたが(二宮君は好きだけど)、なかなかに評判が良さそうだったので鑑賞。

戦後のシベリア抑留を舞台とした作品。

作品への総評としては、上記のテーマから想像
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愛しのアイリーン(2018年製作の映画)

3.9

吉田恵輔監督作品。
私、本作を同監督の結構初期の作品と勘違いしていたけれど、比較的新しいのな。
『空白』の2つ前か。

本作を鑑賞して改めて思ったけど、やっぱ吉田監督すげぇわ。

「人間のイヤなところ
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ウィッカーマン(1973年製作の映画)

3.5

カルト映画としてよく名前を目にしていたが、ついに鑑賞。

アリ・アスター監督が『ミッドサマー』の参考にしたとも言われる、孤立した集落でのカルト宗教もの。

『ミッドサマー』を通過している今の目線で見る
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

3.8

ヨルゴス・ランティモス監督作品。

本年、同監督の『聖なる鹿殺し』を鑑賞し心に深い爪痕を残されたのがあり、本作のタイトルだけ観て「あんな作品撮った人が、こんなヒューマン・コメディー的な映画撮れるのね」
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非常宣言(2020年製作の映画)

3.8

韓国産アクション・パニックムービー。

ジャンル映画としては、ほぼ満点の仕上がりだと思う。

航空パニック×パンデミック・パニックと2つの要素があるけれど、両方ともちゃんと怖く描けていたのがパニックム
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章(2015年製作の映画)

3.7

いつの間にやら大ファンとなってしまった『コワスギ』シリーズ最終章。

前作が『アヴェンジャーズ/インフィニティ・ウォー」的な終わり方をしていたので、
「早く続きを観せてくれー!!」となっていたもの。
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LOVE LIFE(2022年製作の映画)

3.8

深田晃司監督作品初挑戦。

「今年ベスト級」といった評価を多数目にして気になっていたが、ついにレンタル開始につきすぐさま鑑賞。

結論から言うと、序盤から終盤にかけては「う~んムズい。これは果たして良
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