turkeyさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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小さいおうち(2013年製作の映画)

4.1

タキ(倍賞千恵子)「あんた、馬鹿ね。想像力ってものがないわ」
はい、自分も想像力がまるで有りませんでした。
「あなた、好きになってはいけない人を好きになったのね」の台詞の綾を気付くべきでしたね。

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パットン大戦車軍団(1970年製作の映画)

5.0

自らをカルタゴのハンニバル将軍の生まれ変わりと信じるパットン将軍、戦場でしか生きられない男、中世に生まれれば良かったのに、間違って20世紀に生まれてしまった男の悲劇と喜劇。

第二次世界大戦でのパット
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別離(2011年製作の映画)

5.0

誰もが悪く、取り方によっては誰も悪くないけど悲劇だけは確実に有る、とても辛い映画。
結局、親の争いは子供に深い傷を負わせるだけだった。
シミンが国外へ出たがった本音は「義父の介護に疲れ果てた」からじゃ
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光をくれた人(2016年製作の映画)

4.9

実母の悲しみ、苦しみを思えば明確な罪であり悪であるが、あの「逢う魔が時」とでも言えるようなバットタイミングでのイザベルの決断を誰が非難出来ると言うのか。少なくとも僕は非難出来るほど聖人君子でないと自覚>>続きを読む

テルアビブ・オン・ファイア(2018年製作の映画)

4.3

世界最悪の憎悪紛争、イスラエルとパレスチナ、これを笑っていいものか些か躊躇してしまうが、可笑しいものは笑っちゃえ、を一応ポリシーとしてるので本作の悲劇と喜劇と皮肉の相剋はかなり面白かった。
但し、この
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ルパン三世 カリオストロの城(1979年製作の映画)

5.0

ルパンのお伽噺としても、宮崎駿のお伽噺としても、これが最高作だと思う。

プレーム兄貴、王になる/プレーム兄貴、お城へ行く(2015年製作の映画)

4.0

映画の中の可愛くて綺麗な王女さま。
1位は「ローマの休日」のアン王女、2位は本作、ソーナム・カプール演じるマイティリー王女。

一線を張るインド女優としてダンスは、シュリビティ、プリヤンカー、ディピカ
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

4.3

21世紀に再現するホームズやポアロのような古典風味の探偵物語、でも、面白い。
只、嘘発見器の設定は推理モノとして、ややルール違反の気もするかな。(効果的に使ってはいるが)
最後の逆転の構図が麗しい。

青春の殺人者(1976年製作の映画)

4.3

故人に何の恨みもないが日本の女優で市原悦子さんが生理的に一番苦手だ。
本作は、その市原さんが最高濃度で市原悦子してる作品。
水谷豊はこれでキネ旬主演男優賞を獲っていて確かにいいのだが、40年以上経つと
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キングメーカー 大統領を作った男(2021年製作の映画)

4.2

日本での拉致・監禁をどう描くのかなと思って観てたら、見事に肩透かし喰った。(笑)

人間の持つアンビバレンスを時に生々しく、時に客観的に描いたドラマとして秀逸。
吉川英治の「三国志」に例えれば劉備と龐
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天国でまた会おう(2017年製作の映画)

5.0

第一次大戦後のパリ、生き残った惨めな3人(大人2人、子供1人)による世相へのシニカルなレジスタンスとデカダンス。
だが、それらは顔半分を失くしたエドゥアールが持つエディプス・コンプレックスの挫折と精算
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ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)

5.0

MGMミュージカルを過去のものとした画期的作品。
冒頭の不穏な口笛のメロディからジェット団とシャーク団の躍動感溢れる闘争とエネルギー。
そう、「アメリカ」、「マンボ」、「クール」で若者のエネルギーを見
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世界一キライなあなたに(2015年製作の映画)

4.0

ここ10年で酷い題名、ワースト10に入ると思う。
タイトルの「Me Before You」は、ウィルとルイーザが初めて食事に行く時、ルイーザが介護士に聞いた言葉で、訳は「私が来る前はどうだったの」とい
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椿三十郎(1962年製作の映画)

5.0

この作中、一番の人物は奥方と城代。
奥方は世間離れし過ぎのように見えて、救出後の談義では落ち着いて「それで、どうするのです」と方法を聞き、「それで、いいでしょう」としっかり差配している、どんな時でも動
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まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)

5.0

マクベスの「綺麗は穢い、穢いは綺麗」を映像化したような作品。(嘘)
逆さまの世界をファンタジックにエスプリを込めて作られた如何にもフランスらしい作品。
但し、現在、流通してるフランス版(原版)のラスト
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ウィークエンド・ラブ(1973年製作の映画)

5.0

おもしろうてやがて哀しき不倫哉

今のポリコレ下では、まず作れないアッケラカン不倫コメディ、当事者に「奥さんに悪い」という感情が殆どなく、如何に嫁さんの目を掻い潜るかさえ笑い飛ばしている。
今の観客な
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激しい季節(1959年製作の映画)

3.8

これは、ひたすらにエレオノラ・ロッシ=ドラーゴを愛でる作品。
清楚と妖艶、相反する要素が一つの身体に妨げる事なく自然に入っている奇跡。(短期間でも、あのA・ヘプバーンを抑えて日本で人気No.1になった
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

振り返って美しい過去のまま記憶に閉じ込めるか。
振り返らずにいつまでも囚われて生きていくか。
ビヴァルディ「四季〜夏」を背景に、オルフェウスとエウリュディケの神話にヒントを得た美しく映画文学とも言えそ
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裏切りのサーカス(2011年製作の映画)

5.0

イギリス諜報部の中枢にソ連KGBの二重スパイが潜り込んでいる、そいつは誰か・・・。

実際の諜報戦というのは、このように地味なものだろう。
かなり複雑で説明というものが殆どなく(何年頃の話かさえ、使わ
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ガス人間第1号(1960年製作の映画)

3.9

本作の八千草薫さんを邦画史上最高の美人と認定しています。

左卜全さん、美味しい役。

タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)

5.0

最初の30分くらい、自分は一体何を観てるんだろう、と焦点が合わせ難くて戸惑ったが、ある事をきっかけに一つ一つのパーツが繋がり出して段々と引き込まれていった。
終わってみればタイトルのように少しだけかも
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きっと、うまくいく(2009年製作の映画)

5.0

歌あり涙あり笑いありシリアスあり、大盛りフルコースの醍醐味を味わえる傑作

「人の心は複雑なものだ、親友が落第だと心が痛む、1番だとよけいに痛む」 名言だ(笑)

【知っておいた方が理解が早い豆ネタ】
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さらば、わが愛 覇王別姫(1993年製作の映画)

5.0

京劇の演目「覇王別姫」を映画の骨格に使い、花形役者で立役者・段小楼(張豊毅)と女形・程蝶衣(張豊毅)、小楼の妻・菊仙(鞏俐)、三人の愛憎を描きながら、清朝滅亡後から50年の中国近・現代史をも叙事的に重>>続きを読む

恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム(2007年製作の映画)

5.0

3年の間、インド沼に引き摺り込んだ作品、お陰でインドとインド映画の勉強になりました。
インド映画に有りがちな最初の3〜40分はカッタルイ(特に初見の時)、そこを通過してオームとシャンティの初デートシー
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狼は天使の匂い(1972年製作の映画)

5.0

カナダを舞台にしたフレンチ・ノワール。
犯罪映画をベースにしながら、大人の男がいつまで経っても持ち続ける、無邪気な子供心を描いた作品、謂わゆる「大人のお伽噺」。内容と言うより、この作品の雰囲気にどっぷ
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天国と地獄(1963年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

竹内は「金持ちから金を奪って何が悪い」と黒澤監督が影響を受けてるドストエフスキーのラスコリーニコフと似た動機で犯行を実行する
刑事である戸倉も「悪党を死刑にして何が悪い」と独断で犯人を泳がす(若くして
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タイピスト!(2012年製作の映画)

4.5

タイピング世界大会決勝戦でローズの放つウィンク&ドギューン!に撃沈しない男は居ないだろ。(笑)

1950〜1960年代に作られたオードリー・ヘップバーンのロマコメを2012年に作ったらどうなるか(時
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今夜、ロマンス劇場で(2018年製作の映画)

4.5

冒頭から「ローマの休日」、「オズの魔法使い」、「三銃士」、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、「カイロの紫のバラ」のつるべ打ち、終わりは「おとうと」、「ニュー・シネマ・パラダイス」、「タイタニック」、>>続きを読む

マタンゴ(1963年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

半世紀以上前、最後の久保明の振り返りでトラウマになった小学生は私です

お陰様で、当時、我が家の関西の知り合いから送られてくる「丹波の松茸」を一度も口に出来なかった

うらみ・ます

ふたり(1972年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

70年代の雰囲気、モロッコのマラケッシュからパリ、そしてNY、タイムリミット付きの恋愛、大使館前、通り過ぎる車で別々に離れてしまう哀しい本能
名匠ロバート・ワイズが紡ぐエキゾチックでやるせない恋愛劇
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ブルックリン(2015年製作の映画)

4.6

ひとりの女性が大人の女になるまでの成長譚
誰もが持つ小心さと小狡さを正直に描いているのがいい
シアーシャ・ローナンの演技が的確で素晴らしかった

冒険者たち(1967年製作の映画)

5.0

夕陽、青く透明な海、レティシア、クリスチャンヌ・ルグランの余りに叙情的なスキャット、映画史上最も美しい葬送
アラン・ドロン、リノ・バンチェラ、ジョアンナ・シムカスの絶妙なバランスとロベール・アンリコの
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隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

「七人の侍」と並ぶ黒沢監督で最も好きな作品。
これを黒澤版「ローマの休日」と見抜いた人に敬服します。

疾走する馬上でハ双の構えのまま突進する三船敏郎、邦画史上最高の馬術シーン(後に「風とライオン」で
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PK(2014年製作の映画)

5.0

デリケートで危険すぎる宗教に攻め込んだ、とても日本では作り得ない禁断の作品、それをユーモアに落とし込む監督の才能とセンスに脱帽

ロングヘアが定番のインド美女なのに、ショートヘアのチャーミングさで勝負
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

4.3

物語に弱さがあるけど楽曲とその魅せ方に於いて21世紀に作られたミュージカルの最高峰の一つと思う

歌とダンスがメイン、物語が軽いというのは往年のMGMミュージカルを受け継いだのかな(笑)

夏の夜の夢(2014年製作の映画)

5.0

これを映画と言っていいのか僅かに疑問も感じるが、最高の演劇である事は間違いない
素晴らしい作品