ペンギン侍さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

3.7

クズでどうしようもない若者たちが20年の時を経たらどんな風になった?答え:クズのまま。前作からの強いキャラクターはそのままだったのでまぁそうなるよねという立ち振る舞いにはすごく納得。前作のファンに向け>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.5

スカッとすると聞いていた本作、いわゆるレイプリベンジものかと思いきや想像を超えてくる展開に震えが止まらない。性暴力のシーンを映さず、あえて観客に想像させる手法。本作の中で唯一暴力が振るわれるあのシーン>>続きを読む

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

3.5

踊るマッツ、飛ぶマッツ……。世界のイケオジ、マッツミケルセンが大活躍。冴えない高校教師たちが“アルコール濃度を一定に保つと何もかもうまくいく”説を体を張って検証するこの映画。仲良し4人で楽しく酒を飲ん>>続きを読む

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

3.0

坂本龍一を悼みたくて鑑賞。男だけの世界ではゲイではなくとも、セクシュアリティとは関係なく男性同士の性愛が生まれやすいと聞く。戦争は特にそういう現場で、この映画はそんな性愛を描きたかったのではと思う。>>続きを読む

美女と野獣(2017年製作の映画)

3.5

子供の頃みた美女と野獣がそのまま映画になっていて感動した。本を愛する聡明な女性ベルをエマ・ワトソンが演じてくれたのが本当にうれしくて、今後何十年も語り継がれると思う。

ソーセージ・パーティー(2016年製作の映画)

3.5

数年前、うつ状態がずっと続いていて、映画も本も何も見れなくなってしまってたのだけど唯一観れて久々に笑えたのはこの映画。ピクサーみたいな感じかと思ってたのに、くだらなさと下品さのパンチでノックアウトされ>>続きを読む

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.9

いつも「ごめん」が口癖の主人公。そうならざるを得なかった理由から過食に走り、“おぞましい”体型に。余命少ない巨漢男が、最後の清算をしていく。

それぞれの登場人物の「救う」「救われる」「救われたい」「
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フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

3.0

ずっと観たいなーと思っていた名作はやっぱりおもしろかった。50年代から80年代までのアメリカの歴史や社会を描きつつ、知能が低いとされる(今でいう知的障害)のガンプの人生を描く。

とにかくガンプは走り
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

2.8

全然響かなかったのはなんでなんだろう……こんなに評価もよくアカデミー賞ノミネート作品なのに……

黒澤原作は未鑑賞ですが、原作の描きたかったであろうお役所主義批判が今作はどうも伝わりづらく、それはビル
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フレンチ・イグジット さよならは言わずに(2020年製作の映画)

3.0

浪費を繰り返す還暦女フランシスに、息子マルコムが婚約者を捨ててまで執着する理由がわかると、この映画にグッとくる。減っていくお金、猫になった亡き夫、部屋に登場人物が続々と集まってきてそのまま居着いてるの>>続きを読む

ロッキー・ホラー・ショー(1975年製作の映画)

4.0

「すごかった〜」という感想、映画においてはありきたりかもそれないが、とにかくこの映画はすごい。すごいの一言に尽きる。ストーリーも演出も完全に観客を置いてきぼりにするほどエネルギッシュ。カルト的人気作と>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.8

凄まじいものを観た。10分に一度何かが起こる、と聞いていたが“何か”は毎回想像を超えてくるし、3時間なんてあっという間。その展開は誰も予想できないものだし、主人公男2人が強すぎて思わず声が出た。

3
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マティアス&マキシム(2019年製作の映画)

3.0

ずっと友達だったけれど、あるきっかけでお互いを意識してしまうというのは異性間でも同性間でも起こりうること。特別じゃない、どこにでもある恋のはじまりを丁寧に描いていた。

顔に傷のある主人公は、“人間の
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エルヴィス(2022年製作の映画)

3.5

華やかな歌唱人生の裏にあったエルヴィスが搾取され続けてきた事実。

トムパーカーの嫌な語り口から始まる本作は、パーカー大佐=悪として強く描いているけれど、エルヴィス自身もトムパーカーに依存しているよう
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.0

結局戦争は一部の権力を持った男の見栄の張り合いで、翻弄された兵士の命だけがどんどん失われていく。今のウクライナ情勢にも同じことが言える。いつもはらぺこで泥まみれの戦線兵士たちと、暖かい場所で焼きたての>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.0

恐れていたほど怖いことやグロいことは起こらなかったのでホッとした……子なし夫婦のもとにある日生まれた半羊人間の子供、アダちゃん。夫婦は自分の子供のように育てるが……というストーリー。

ラストに現れた
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プーと大人になった僕(2018年製作の映画)

3.0

つかれた大人はみんな観てほしい。おじさんになったクリストファーロビンは家庭も仕事もうまくいってない最悪な状況のときに、なんとプーさんが現れるストーリー。「それって風船より大事?」とつぶらな瞳で無垢にプ>>続きを読む

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

3.0

リカちゃんという自分には重すぎる呪いを、乙骨がいかに自分の意思をもって制していくか。その呪い(力)にふさわしい自分になるために鍛錬と努力を重ねる少年漫画的なストーリーで、おもしろい。「失礼だな、純愛だ>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.5

あのとき別の選択をしていたら…と考えることは誰にでもある。別の選択をした先にはマルチバースが広がっていて、その先々の“自分”がピンチの私を助けてくれる。ハリウッドで長い間スポットライトが当たらなかった>>続きを読む

ちひろさん(2023年製作の映画)

2.3

原作の大ファン。だからこそわかる、詰め込みすぎてしまった感。

それぞれどこか欠けている、でも愛らしいのがオカジやバジル、谷口などの脇役たち。だが彼らが何で悩みどう変わっていくのかについては全く触れら
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さよなら、私のロンリー(2020年製作の映画)

3.1

機能不全家族に生まれたら、自分の生き方を選べない。自分がオールドドリオの立場だったらと考えると胸が痛くなる。人はそんな簡単に変わらないことを暗示するラストだったけど、それでもオールドドリオが手に入れた>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

5.0

“普通の人”たちみたいに家を借りたり、仕事に就いたり学校に行ったり…が叶わない食肉する人々。カニバリズムはテーマとして刺激が強すぎると思いきや、社会規範に馴染めなかったり“普通”でいられなかったりする>>続きを読む

エゴイスト(2023年製作の映画)

-

ドキュメンタリー調(?)のカメラワークが売りの一つとされていますが、観ているだけで酔ってしまい内容どころじゃありませんでした…

カメラワークがあれじゃなかったら、もっとたくさんの人が観られる作品にな
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

閉鎖的な田舎の孤島で起こるおじさん二人の喧嘩。

友達に突然「お前のこと嫌いになった」と絶縁宣言されたら誰だって困惑してしまう。なぜコルムはパードリックを突き放したのか。

閉鎖的な島国は外からの情報
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.0

フィルマークスでも高得点だったし、SNSでも大絶賛だった。だから期待して観たけど期待以上だった。

手に汗握るという表現があるがまさにその通りで、一刻一刻をまじまじと見つめながら試合を見守った。いいと
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オールド(2021年製作の映画)

3.0

えー!まじ?という展開で最後まで飽きさせない構成の映画。人はガンガン死ぬがまったくグロくはないので誰でも観られる良質なスリラー。このビーチには行きたくないが、この映画を見て人生って短いんだなということ>>続きを読む

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

3.5

2作目に引き続き3作目。ジョニーデップはゴタゴタがあって降板、代わりにグリンデルバルド役はマッツ!!!!!!枯オジ界のスター!!!

2作目の時も感じたが、ファンタビは回を重ねるごとにおもしろくなると
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ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(2018年製作の映画)

3.5

ファンタビ2作目。1作目よりも圧倒的におもしろくなった!!ジョニーデップ氏の怪演のおかげはもちろんだけど、ダンブルドア役のジュードロウのめちゃくちゃいい味出してるよね。

ハリーポッターシリーズほど陽
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ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(2016年製作の映画)

3.0

「なんでハリーポッター好きなのにファンタビ観ないの?!」と友達に言われ、年末年始に鑑賞。

あの世界観そのままに物語が展開していくというだけでわくわくドキドキ。キャストも豪華でよかったです。

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

3.5

装飾や衣装の美しさだけで観たかいがある。グスタヴとゼロの冒険、でこぼこだけど愛がありとてもよかった〜ティルダ・ウィンストンがまさかの配役で驚いたけど、みんなウェス・アンダーソンの作品出たすぎてうずうず>>続きを読む

ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(2022年製作の映画)

3.5

ディズニーのピノキオしか知らない身からすると、このピノッキオの木材感にやや抵抗があったものの、お話はすごくおもしろかった。ギレルモトロが戦争をいかに憎んでいるのかがわかるし、きっと彼のメッセージ性は今>>続きを読む

ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.5

閉鎖的なレストランという唯一の場所から誰も動かないのに、展開が飽きさせない。どうしてそうなった?!的な理不尽な描写もあるけど、シェフの立場で考えてみればわからなくもないし、何より考察のしがいがある。良>>続きを読む

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

3.5

軽い気持ちで観てしまったのが大後悔…!ちゃんと体調のいい時に観ないと精神削られるタイプの映画でした。グロいのもあるのだけど、ラストに向かっての鬱感の高まりもつらい。八方塞がりになってしまったら私もパン>>続きを読む

ルーム(2015年製作の映画)

3.5

元となったフリッツル事件を検索して慄いてしまった……ブリーラーソンがアカデミー主演女優賞というのも納得の演技。でもいちばんグッジョブだったのは、ジャックを保護して拙い子供との会話から犯人の居場所を特定>>続きを読む