ジョンスペさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ジョンスペ

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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.5

ランティモス監督の前作、女王陛下のお気に入り同様、ゴージャス感のある画面作りがみごと。女性の解放や自立をテーマに描く展開に難解さはなく、なんの制約なしにゼロから世界を捉えていくベラの姿が見どころなのだ>>続きを読む

アリバイ・ドット・コム 2 ウェディング・ミッション(2023年製作の映画)

4.5

かなり楽しみにしていたフィリップ・ラショー監督の新作。フランス流コメディーというより過激なギャグの連続で、作品によってアタリハズレはあるものの、基本ひたすらくだらなくて観て得るものが特にないのがすばら>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.3

原作漫画未読、予備知識ゼロだったが、山下敦弘監督・野木亜紀子脚本に惹かれて鑑賞。シンプルな話ながら、聡実と綾野剛との関係の深まりをじわじわ丁寧に描きつつオフビートな笑いがずっと続いておもしろい。リンダ>>続きを読む

さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 4Kリマスター(1978年製作の映画)

2.8

昨年末の「ヤマト」に続いて実に45年ぶりの劇場での「さらば」。男なら混雑するとわかっていても観なければならない時がある!(松本零士つながり)と、どうせ観るなら同志であふれているだろう週末の新宿ピカデリ>>続きを読む

コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

4.4

予告からはただの韓国製ディザスターパニックものだろうとさほど期待せず鑑賞。正直、この2024年の年明けに本邦での公開はタイミング悪すぎとしか言いようがないのだが、作品自体は予想していなかった味わい深さ>>続きを読む

サンクスギビング(2023年製作の映画)

3.6

そもそもサンクスギビングの意味すらろくに知らない手ぶら状態で鑑賞したのだが、イーライ・ロス監督お得意のスラッシャームービーで、R18+とあってすがすがしいほどざくざくどばどばとやってくれて楽しめた。ト>>続きを読む

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.5

エクストリームなコックリさんで若者たちがキメまくる話で、ドラッグや酒タバコよりは健康被害はないと思われるが、何事もやりすぎはヤバい、キメすぎ注意喚起の作品(違う)。

降霊会の理屈はよくわからんけど、
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.5

カウは出てくるけどカウボーイは出てこないアメリカ西部開拓時代の裏話的作品。冒頭のシーン通り、まさに昔話が掘り出されるというのがうまい。

牛に声をかけながら乳を搾るほどの心優しいクッキーと、未開拓の地
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.5

東京おしゃれトイレ図鑑×便所掃除おじさん役所広司を愛でる作品(で、オゲ?)。展開は、ヴェンダース監督のお友達、ジャームッシュのパターソン同様、同じことの繰り返しの中に差異を見出し、主人公・平山の背景や>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.1

じゅわいよくちゅーるマキではなくカウリスマキで、ミカではなくてアキのほうである。前作・希望のかなたの寿司レストランからすでに6年も経っていたとは(今回も寿司モチーフあり)。今作は大人の恋バナとはいえ、>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

3.8

杉咲花を観に行く作品。ポスターのドアップを見て、前よりかわいくなったな岸井ゆきの(岸井さんに失礼!)と思ったが、髪から出ている耳で杉咲花に加点していると言えなくもない。戸田彬弘監督は劇団をやってるとの>>続きを読む

ナポレオン(2023年製作の映画)

2.9

巨匠リドスコスコスコ監督によるナポレオンがジョゼフィーヌにラブ注入する話(古すぎかつかなり大雑把)。冒頭、フランス革命でのマリー・アントワネットの首チョンパや序盤の戦闘は盛り上がったし、おっさん童貞風>>続きを読む

エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)

3.0

ヤマト、鬼太郎に続いてまたまた元ネタが50年も前のあのエクソシスト。73年の公開時は、少年サンデーの巻頭カラーで緑の液体を吐く少女リーガンのドアップ(楳図かずおの漫画だった模様)を見ておののき、映画は>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.7

ヤマトを観た翌日に同じく昔懐かしい時代に生まれた鬼太郎を鑑賞。つーても数年前のテレビシリーズをベースにしてるとのことで、オレの知ってる50年前の、朝は寝床でぐぅぐぅぐぅな鬼太郎とは絵柄の印象は違うし、>>続きを読む

宇宙戦艦ヤマト 劇場版 4Kリマスター(1977年製作の映画)

3.8

4Kデジタルリマスターといっても元は50年前のテレビ漫画(当時はまだアニメと言わず)なのでスクリーンで観ても絵が精細になるわけではないし、そもそもテレビ放映26話前提でのダイジェストな話だし、各話でキ>>続きを読む

隣人X 疑惑の彼女(2023年製作の映画)

1.8

初っ端から惑星難民なる名称でXの説明がされて不安を煽るため、難民や移民のメタファーとして日本人の未知なるものへの無理解や差別やゼノフォビアの批評的な作品かと思いきや、話はそのうち扇情的なマスコミ報道や>>続きを読む

ポッド・ジェネレーション(2023年製作の映画)

3.2

妊娠・出産で女性が被る社会的負担や男女の妊娠の捉え方を批評的に描こうという話なのだと思うが、妻がテック系企業のバリキャリの一方、夫は植物の研究者で元から自然の何かを育てるのが好きというキャラ付けもあっ>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.7

話は日本人ならみんな知ってる本能寺の変を、ハイテンションでキレまくりの信長・加瀬亮をはじめ、戦国にろくに興味のないオレでもわかる武将を著名俳優たちが演じた、裏切り首切りてんこ盛りなアウトレイジ戦国時代>>続きを読む

NO選挙,NO LIFE(2023年製作の映画)

4.1

Xのポストやヤフコメのコメンテーター欄で見かけていた畠山理仁。ややコワモテの選挙ウォッチャーかと思っていたが、物腰柔らかい気さくな人で、原稿料もらっても取材費で赤字とか、選挙取材を何度辞めると言っても>>続きを読む

スラムドッグス(2023年製作の映画)

5.0

子ども時代、がきデカやトイレット博士に教育された世代の人間としては、一言で言って最高である。最初から最後までひたすらチンコとファックとシッコとウンコのネタが続くので、観ていてまったく飽きることがない。>>続きを読む

愛にイナズマ(2023年製作の映画)

1.3

前作から2週間で公開された石井裕也監督・脚本の新作なのだが、語りたい・訴えたいものがいろいろあるのか知らんが、それらを整理できてないまま出されちゃった印象で、練られた脚本とは到底思えない。

アベノマ
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正欲(2023年製作の映画)

5.0

水フェチという(100%ないとは言い切れないけど)架空のフェティシズムを性的マイノリティの比喩として提示しながらダイバーシティをモチーフに描いた話で、見応えがあっただけでなく、鑑賞後もいろいろ考えをめ>>続きを読む

デシベル(2022年製作の映画)

3.8

ネタバレ防止のためか、音に反応する爆弾テロアクションという予告編からは一切伏せられていた設定や展開があり、素直にその意外さが楽しめた。もろポール・グリーングラス監督的な異常に早いカット割と揺れる手持ち>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

2.3

売れっ子の山崎貴監督の映画は13年前のキムタクヤマトしか観たことがない自分が偉そうに言うのもなんだが、シン・ゴジラが庵野節なら本作はいつもの山崎節で、ツッコミ入れながら観るのが正解な山崎貴映画である(>>続きを読む

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.8

フィンランド映画なんて珍しいと思ってたら、カウリスマキ兄弟はフィンランド人だし、ハッチング孵化とかTOVEトーヴェとか近年のちょっとした話題作もフィンランド発だった。今作はフィンランド映画ではアイアン>>続きを読む

ドミノ(2023年製作の映画)

3.3

難解とのコメントで鑑賞前はやや身構えてたのだけど、所どころで丁寧に説明してくれるし、わかりにくさは特にない。一言で言うと「なーんちゃって」合戦の、どっちにでも持っていけるお話。事実、そんなポストクレジ>>続きを読む

北極百貨店のコンシェルジュさん(2023年製作の映画)

3.1

70分!という上映時間に惹かれてTOHOシネマズ日比谷の遅めのレイトショーで鑑賞したほんわかアニメ。シンプルな線で描かれる原作・西村ツチカの絵がとてもよくて、ギトギトしてない画面のおかげもあって、少し>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.6

ギャレエド監督が影響を受けた?いろんな映画のオマージュというかマネっこというかがごちゃ混ぜになってる印象。ノマドが地上をスキャンする様子をはじめさまざまなメカの造形など見応えある映像は、IMAXで観た>>続きを読む

極限境界線 救出までの18日間(2020年製作の映画)

3.0

実際に起きた事件を基に脚色・ドラマ化している作品で、ようは決着の付いている事実の知られざる部分をどう嘘八百で盛り上げるかという話なわけで、比較的最近の日本映画で言えばFukushima 50みたいなも>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.3

スコセッシ監督作はもともと尺長めのものが多いが、前作アイリッシュマンに続いて今作も200分超えの3時間26分! まあ、岩井俊二に3時間使うならこっちだろうということで鑑賞(キリエに失礼)。マフィアだの>>続きを読む

BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

4.8

相変わらずたくさんの人物が次々登場して、聞き取りづらいセリフを早口でまくし立て、話を飲み込む前にスピーディーに場面が展開していく原田眞人監督作なのだが、テンポがよくて飽きさせないのはさすが。大阪の地理>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.7

公開すぐの週末に鑑賞したものの、辺見庸がこんなドラマチックでケレン味がある作品を書くのか?と気になって原作小説を読んでみたところ、映画とはまったく異なるものだった。原作は、映画にも出てくる寝たきりで身>>続きを読む

コカイン・ベア(2023年製作の映画)

2.9

X(旧ツイッター)で流れてきた予告を見てめっちゃくだらない!と思っていたものの、フィル・ロード&クリストファー・ミラー製作と知ってつい観に行ってしまった。思った通りめっちゃくだらなかった。

親子愛や
>>続きを読む

アナログ(2023年製作の映画)

2.2

ビートたけしの恋愛小説が原作ということと大スクリーンでの波瑠を観たくて鑑賞。波瑠が生成AI画像か?とビビるほどツルピカの美しさ。ジャニーズ案件の中では相変わらず演技がうまいニノ。素レベルのナチュラル感>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

3.2

几帳面で最強なマッコールさんがホムセンの商品で戦うアイデアが秀逸だったことだけは覚えているイコライザー(1だっけ?)。その程度の記憶の自分からしても本作は、彼がバンバカ銃をぶっ放す凄惨なだけの殺戮者に>>続きを読む

ハント(2022年製作の映画)

4.1

久しぶりにダークスーツのおっさんばっかりが出てくる韓国映画だった。40年前の全斗煥軍事独裁政権時代が背景のフィクションで、光州事件や旧ビルマでの爆弾テロなどの一般的な現代史だけでなく、日本人にはなじみ>>続きを読む