1993年に公開された映画を今この時に見て、自分なりにレビューするのは、なかなか難しい。あの当時ならこう見えていたのに、今はこう見えてしまう、ということが確かにある。また、映画の見方として、あの頃は多>>続きを読む
ハル・アシュビーは編集からキャリアをスタートさせた人だった。『夜の大捜査線』でアカデミー賞を受賞して、その後に監督へ転身した。
編集を極めた人だからこそ、これみよがしな編集をしない人だった。それは、>>続きを読む
東京国際映画祭で『老人スパイ』のタイトルで紹介されたドキュメンタリー作品。監督はチリのマイテ・アルベルティ。
80歳から90歳という年齢制限の求人広告で集まってきた老人たちの中から採用されたのは83>>続きを読む
お金のかかったSF大作。AIを搭載したロボットたちがすっかり世界中で多用されている。というか、一緒に暮らしている。そして、AIのミスでアメリカ、ロサンゼルスて核爆発が起きた後の世界という設定。AIと人>>続きを読む
よく頑張ったと思うよ。
だけど、あんな破綻したストーリーで、作品賞はないよ。バカみたい。
2回目を阪急塚口駅前のさんさん劇場の爆音上映で見る。この映画館はほんとうに痒いところに手が届くというか、こ>>続きを読む
スパイク・リーという人は昔から本当にいいテンポで映画を紡いでいく。ギリシャの喜劇を現代に置き換えた物語だと冒頭で説明が入るが、ギリシャ喜劇などに着いての知識はないので、本当かどうかはわからない。
で>>続きを読む
うーん、ベン・アフレックの監督作品だと勘違いして見に行ってしまった。
謎解きは謎がわかってるから面白いんだけど、最初の謎の提示がごちゃごちゃしてて置いて行かれた感じ。謎解きも結局くどいばかりでつまん>>続きを読む
石井裕也監督はデビュー以来、見てきたけれど、今回は新しい代表作ができた!という感じがする。
創作、特に映画を目指す人間は、「芝居くさい」と落胆し、スマホで撮った家族や友人の表情に「なぜ、これが撮れな>>続きを読む
デ・ニーロがにこやかに登場して、いいヤツだったためしはない(笑)。
ということで、今回もデ・ニーロはやっぱり悪いヤツだった。甥っ子のディカプリオも取り込まれてしまい、悪事に手を染めて行く。というスト>>続きを読む
ドラキュラ伝説で有名なルーマニアのトランシルバニアの小さな村。ここでは、ルーマニア語、ハンガリー語、ドイツ語、英語が飛び交っている。世界的な構造不況の中で、村の男たちは海外に出稼ぎに出る。そのため、村>>続きを読む
デ・ニーロはやっぱり上手い。スクリーンにいるだけで、画面が締まって見えるから不思議。映画としては父親と子供たちの関係が少しずつわかってくるというパターンなんだけど、途中でバレてるので役者たちの演技をじ>>続きを読む
誠実に家族愛を伝えようとするいい映画だった。面白いかと言われると、少し拙いところが多く、気持ちがスッと離れてしまう瞬間が多かった。
特に僕は片岡礼子さんがあまり得意ではないので、彼女と主人公が対面で>>続きを読む
なんも怖くなかったなあ。
びっくりはさせられるけど。
途中から謎解きになっていくんだけど、ドット画のころのRPGくらいの簡単で稚拙な謎解きなので、げんなりする。
所々に『リング』の井戸のイメージを>>続きを読む
小栗康平は、オリジナルのストーリーになるととても自由になる。わかる分からないではなく、感じられるかどうか。
三人の女子高生が「物語をつくろうよ」と不思議な物語を少しずつ紡いでいく。というのが、大まか>>続きを読む
絶望的な出口の見えない作品に、こうも惹かれてしまうのは何故だろう。ついこの前までは、「絶望の中に希望があるからだ」なんてうそぶいていたのだけれど、ここしばらくの僕は、ただただ希望のない世界を見ているこ>>続きを読む
有望なバレリーナが怪我で将来を絶たれ、新たな道を模索する。というストーリー自体にそれほど起伏がなくても、まったく構わないのだが、感情の揺れのようなものをあまりうまく掬い取れていない気がする。
コンテン>>続きを読む
ラッセ・ハルストレム監督はスウェーデンの出身だと言うことが、とても大切な気がする。なぜ、アメリカの閉鎖的な小さな町の話をスウェーデン人の監督が演出したのか。何回も見ているのがけれど、毎回そこが気になっ>>続きを読む
歳なんでね、涙腺が弱くなってるので泣きましたけれどもね。はい。
しっかり作られた映画でした。でも、予定調和なので退屈だったなあ。
オーストリアの皇后エリザベート。これまでにも映画やミュージカル、漫画作品にもなるほど、人々を惹きつけてやまない。
何がそんなに人を惹きつけるのか。それは彼女の美貌、そして、精神的な強さと弱さだろう。>>続きを読む
関西の会話の妙は、やっぱりネイティブでないとダメなのか。いくら、安藤サクラがうまくても、違うものは違う。そして、原田眞人の演出は徹底的に古い。
黒川博行の原作ものは、本当に映像化に恵まれない。
ウェス・アンダーソン監督の短編。
『ダージリン急行』が一番好きなんだけど、他の作品も嫌いじゃない。でも、映画として心動かされるかというと、あんまり相性が良くないかもしれない。
ロブ・ライナーも、リバー・フェニックスも、キーファー・サザーランドも、リチャード・ドレイファスも、なんならスティーブン・キングも嫌いじゃないのに、なぜか『スタンド・バイ・ミー』だけは見る機会がなかった>>続きを読む
リチャード・リンクレイターは、本当に稀有な存在だと思う。きちんとアメリカ映画のビジネスの真ん中にいてエンタテインメント性の強い作品を生み出しながら、『ビフォア・サンライズ』などのビフォア三部や、『6才>>続きを読む
小栗康平は、どこかテオ・アンゲロプロスに似ていると思っていたのだが、この作品は『ブンミおじさんの森』のアピチャートポン・ウィーラセータクン監督を思い出してしまった。
群馬の山深い村で男が木から落ちて>>続きを読む
嫌いじゃない。けど、水道代を払えないと言うところに、切羽詰まった感があまり感じられなかった。
『AKIRA』との関連性を語る人も多いけれど、確かに大友克洋臭はする。『AKIRA』『童夢』あたりの世界観を拝借している気がする。
ただ、あんなふうに面白いのかと言われると、それほどでもない。子ども>>続きを読む
リチャード・リンクレイターの新作がNetflixで配信されていた。
なんとアニメ作品。ただし、たぶん実写で撮ったものをアニメーションに変換しているようで手間がかかっている。たぶん、作品内に出てくる妄想>>続きを読む
ジョン・カサヴェテスはハリウッドの真ん中にいながら、自主映画を作り続けた変人だけれど、それは本人が変人なのだから仕方がない。才能ある変人は、才能ある変人を呼び集めて、こんな魅力あふれる映画を作ってしま>>続きを読む
メル・ブルックスは喜劇王と言われているけど、正直そんなに面白くはない。ただ、おそらくいい人なんだろうなあ、という気がするのと、映画愛が半端なく詰め込まれていて、たまに見たくなってしまう。
そんなメル>>続きを読む
相米慎二の作品の中でも、いちばん好きかもしれない。いや、相米作品は、割とどれを見ても見た直後に「これがいちばんかも」と思ってしまう。
『台風クラブ』を見ても『お引越し』を見ても『夏の庭』を見ても、遺作>>続きを読む
『泥の河』『伽倻子のために』と作品を重ねてきた小栗康平の三作目。これを劇場で見た当時、小栗康平の新境地だと感じて興奮した。なにしろ、芸達者な岸辺一徳、松坂慶子に演技をさせないという禁じ手に出て、淡々と>>続きを読む
『クロース』はその静けさ、寡黙さ、そして苛烈さで目が離せない好きな作品。ただ、ストーリーそのものには若干の不満は残る。けれど、この映画の凄さは、なによりも主演のエデン・ダンブリンを見つけ、世に送り出し>>続きを読む
追記
9月4日
この映画の中で、朝鮮人を殺せ!という叫びの中、「この人たちは朝鮮人じゃない」とそれを諌める声が聞こえてくる。その声に対して殺されそうになっている側が「朝鮮人なら殺してもいいのか!」とい>>続きを読む
瀬々敬久監督の新作。
正直、これまでに瀬々作品を見てワクワクしたことがない。うまいなあ、と思うことはあるし、役者が揃ってるなあ、と思うことはあるので、この監督を認めていないというわけではないと思う。>>続きを読む
幼い娘を殺してしまった母親を裁く法廷劇。その成り行きを見守る作家にも被告の精神状態が影響を与えていく。
という着眼点はとても面白い。でも、ちょっと力量不足なのか、という気がしてしまった。これなら法廷>>続きを読む