muraさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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愛してる!(2022年製作の映画)

3.8

日活ロマンポルノ50周年プロジェクト「ロマンポルノ・ナウ」のなかの1作。湯布院映画祭で見た『手』に続いて。

カルト感がただよう。高嶋政宏の怪演によってとくに。

プロレスラーでありながら地下アイドル
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千夜、一夜(2022年製作の映画)

4.3

タイトルが秀逸。最後になるほどと感服。内容にもノレた。

新潟、佐渡島。水産会社で働きながら暮らすトミコ。夫は30年前に行方不明となり、それからはひとり暮らし。北朝鮮による拉致を疑いつつも、夫の失踪の
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夜明けまでバス停で(2022年製作の映画)

3.7

政治・社会への怒りをもって映画を撮る。この監督らしいなと。

居酒屋で働くミチコ。別れた夫の借金を返しながらささやかに暮らす。横浜港に停泊しているクルーズ船に新型ウイルスの感染者が出たとの話をしていた
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マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

4.3

タナダユキと向井康介のコンビ。久しぶりのような。なかなかパンチがある。で、永野芽郁がいい。彼女のキャスティングに驚くも納得。

幼なじみの「まりこ」が自殺。「しいちゃん」はそれを聞き、動揺する。まりこ
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LOVE LIFE(2022年製作の映画)

4.0

不穏。深田晃司らしい。初めから終わりまでひたすら続くこの心のざわつきは何なのか。

福祉の仕事に従事する妙子。路上生活者の支援にあたる。夫の二郎も役所の福祉課に勤める。ふたりの間には敬太という男子がい
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グッバイ・クルエル・ワールド(2022年製作の映画)

3.8

どでかいアメ車のなかに流れるファンキーな音楽。車に乗る個性的な面々は荒々しい手段で金を奪う。タランティーノかと。

元ヤクザの安西、ひたすら暴力的な萩原、元左翼の浜田の3人は、風俗嬢の美流からの情報を
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ぜんぶ、ボクのせい(2022年製作の映画)

3.3

いたいけな中学生に「ぜんぶ、ボクのせい」と言わせてしまう大人たちのダメっぷりを描くという意図か。そういう理解でいいのか。

母と離れ、児童養護施設で暮らす中学生のユウタ。職員が管理する母の住所を盗み見
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(2022年製作の映画)

4.0

湯布院映画祭特別上映。日活ロマンポルノ50周年企画「ロマンポルノ・ナウ」の1作品。今回が初公開とのこと。

20歳のときの経験から、「オジサン」に強い興味をいだくようになったさわこ。街でオジサンを見つ
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愛を乞うひと(1998年製作の映画)

4.5

湯布院映画祭。今年は原田美枝子特集。『青春の殺人者』ほか、見たい作品が目白押しのなかで、都合もあってこれだけ。でもこの作品だけはどうしても見たくて。以前見て、なんとかもう一度と思っていたところに、今回>>続きを読む

PLAN 75(2022年製作の映画)

4.0

楢山節考・未来版(いや現代版?)。

75歳以上の高齢者が死を選ぶことを支援する法律「プラン75」。これが国会で成立。厚い手当と甘い言葉もあり、また生きることに希望を見出せない者も多く、意外と多くの高
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冬薔薇(2022年製作の映画)

3.8

監督・阪本順治のもと、名のあるスタッフと俳優を集めても、もう「売れる」なんてことはないか。映画づくりは本当に難しいなとも思う…

専門学校でファッションを学ぶといいながら、街の半グレとつるみ、中途半端
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.0

日本から韓国へ。「万引き」から「ベイビー・ブローカー」へ。少しかたちを変えるものの、ここでも登場するのは血のつながらない家族。再び下層社会に生きる人たちに光を当て、「家族とは何か」といった問題と向き合>>続きを読む

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

4.3

宮本信子から芦田愛菜へ。年齢は大きく離れるものの、名優のバトンをつなぐ瞬間に立ち会ったような。芦田愛菜ちゃん(どうしてもいまだに「ちゃん」をつけてしまう)はいい女優だと思う。『星の子』でも感じたが、こ>>続きを読む

神は見返りを求める(2022年製作の映画)

3.8

吉田恵輔とムロツヨシとなると…『ヒメアノ〜ル』のあのザワっとした気持ちを思い出さずにはいられない。

YouTuberとして活躍することを目指すゆりちゃん。でもセンスに問題があり、視聴も登録もなかなか
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夜を走る(2021年製作の映画)

4.3

『国道20号線』『サウダーヂ』…空族の作品を思い出す。地方都市に漂う退廃的な空気…こういったものを見せられると、どうも絶望的な気分になる。

金属回収・リサイクル工場で営業に従事する秋本。真面目だがお
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私のはなし 部落のはなし(2022年製作の映画)

4.2

部落差別の歴史と現状について、まるで教科書のように教えてくれる映画。人権教育や人権研修にこのまま使えばいいのにと思うほどに。

部落差別の歴史や現状について伝えるドキュメンタリー。三重県、京都府、大阪
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流浪の月(2022年製作の映画)

4.4

サラサの子供時代を演じた女子の横顔が広瀬すずにそっくり。撮影監督の起用が話題だが、こういったところにも強いこだわりを感じる。

そうしてまで作った映画が面白くないわけがないか。たしかに面白い。

10
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教育と愛国(2022年製作の映画)

4.0

なんと満席。監督らの舞台挨拶があったということもあるけれど、これほど関心が高いとは。

まずは教科書の検定と採択の問題。とくに歴史教科書の記述について文部科学省の、いや実際には政治家のチェックが入る。
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今はちょっと、ついてないだけ(2022年製作の映画)

3.8

今はちょっと、ついてないだけ…タイトルに若干のあざとさを感じなくもないなと思いつつ、ただ見てみると、結構癒されて、励まされた。

2008年、バブルが崩壊して15年が経つ。スマートフォンを片手に写真を
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とんび(2022年製作の映画)

3.8

重松清原作。いわゆる「らしさ」があふれる感動もの。これを瀬々監督がどう映画にまとめるのかと思っていたが…感想としては可もなく不可もなく…かな。

昭和37年、広島。運送会社で働く安男に子供が生まれる。
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.3

おそらく小さくないであろう思い出を「ちょっと思い出しただけ」って言っているこのタイトルに好感。

タクシー運転手の野原葉(ヨウ)と、元はダンサーで、今は照明技師として働く照生は、今は別れているが、かつ
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水俣曼荼羅(2020年製作の映画)

4.5

2回の休憩をはさんで7時間。疲れた。肉体もだけれど、精神がとくに。とにかく情報量が多くて。

チッソ株式会社水俣工場が水俣湾や不知火海に流す廃水が人体に危害をおよぼす。いわゆる水俣病。原因はメチル水銀
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夕方のおともだち(2022年製作の映画)

3.9

冒頭の「タマにクギ」という衝撃的な演出が以後の「痛々しい」映像の連続を覚悟させたが、少し違った。痛々しく描かれるのは体ではなくて心だった。

「いるか市」という地方の小都市が舞台。市の職員としてパッと
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ミラクルシティコザ(2022年製作の映画)

3.5

コザ! 夜の街が見たくて、一度泊まったことがある。沖縄返還前からある古いホテルをあえて選んで。話好きなオーナーに「コザ騒動」のことを尋ねたら、いろいろと教えてくれた。ただ夜の街は、米兵は週末にしか出な>>続きを読む

さがす(2022年製作の映画)

4.3

佐藤二郎がこういう演技を見せるんだ。いつものおどけた(ふざけた)感じもありつつ、切ない感じも漂わせて。自殺を試みる妻を陰から見るときの眼差しなんてのはとくに…

原田さとしと原田かえでは親子。ふたりで
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前科者(2022年製作の映画)

4.2

これも漫画が原作? あらためて、漫画の守備範囲の広さに驚かされる。

キャスティングがいい。とくに有村架純と森田剛はハマりじゃないかと。で、リリー・フランキーと木村多江(かつては夫婦役!)は何でもでき
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弟とアンドロイドと僕(2020年製作の映画)

3.3

ひたすら雨。おのずと薄暗い映像。これが阪本順治か。黒沢清かと。

大学で教鞭をとる桐生薫。ケンケンをしながら教室にあらわれ、黒板に向かってひたすら数式を書き込む。父親が医業を営んでいた病院にひとりで住
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エッシャー通りの赤いポスト(2020年製作の映画)

3.5

カオス。カルト。園子温らしいといえばそうだが、エロ、グロはない。『愛のむきだし』のような熱量と、それによりもたらされる感動などはまったく見出せないかな…

コアな映画ファンから支持を得る小林監督が、素
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中島みゆき 劇場版 ライヴ・ヒストリー 2007-2016 歌旅~縁会~一会(2022年製作の映画)

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毎年くり返し上映される中島みゆきのライブ映像が気になっていて、思いきって見てみることに。2600円はちょっとお高いけれど…

2007年から2016年にかけておこなわれた中島みゆきのライブの映像をつな
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サンダーバード55/GOGO(2020年製作の映画)

4.0

新年初の映画はあの『サンダーバード』。リメイクされると聞き、思わず「おぉ!」と声が出た。子供の頃、推しは2号だった。超合金のおもちゃでよく遊んでいたなと。

感想のまえに、昨年の日本映画マイ・ベストテ
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JOINT(2020年製作の映画)

4.0

名簿、とばし、ベンチャー、ルーター…こういった手段で「ハンシャ」はシノギを得ているんだと。勉強になるなと。

刑期を終えて出所した武司。しばらく高崎の解体屋で働いたのち、東京にもどる。すぐに旧友の韓国
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.3

濱口竜介監督作品。いつもながらに実験的。哲学的思考を問われる。ただ決して観客を置き去りにするようなものではなくて。小難しい語り口で難しくない内容を語るというか。扱う事がらも、三角関係、ハニートラップ、>>続きを読む

CHAIN/チェイン(2020年製作の映画)

4.0

斬り殺された武士の遺体。その背後には京都タワーがそびえ立つ。一応、慶応3年の話。風変わりな新選組の物語。

慶応3年の京都。存在感を強めていく新選組。ただ同時に、隊員同士の確執も生まれる。近藤勇と意見
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劇場版 きのう何食べた?(2021年製作の映画)

4.3

心配と嫉妬の話。「死なないよね?」「死なないよな?」と的外れな憶測が主人公を悩ませるだけの、いわばお気楽な話。

それでも脂ののったふたりの俳優の深みのある演技が、この映画の価値を大きく高める。なかな
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かそけきサンカヨウ(2021年製作の映画)

4.0

幽けき山荷葉。サンカヨウか。白い花びらが濡れると透明になると。原作そのままのようだけれど、いいタイトル。

高校生となった陽(ヨウ)。母は家を出て、父とふたり暮らし。学校からもどり、家事をこなす毎日。
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かば(2021年製作の映画)

4.2

湯布院映画祭2日目。クロージング作品。なんとこれも西成が舞台。今回は西成特集か 笑

コッテコテ。浪花節というやつか。でも、ここまで踏み込んだことに敬意を表したい。

かば先生。実在した先生だという。
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