ひでぽよさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ひでぽよ

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21世紀の女の子(2018年製作の映画)

3.5

タイトルに惹かれ観賞。「女性監督達が、21世紀の女の子のために撮った短編映画のオムニバス」なんて。こんなにワクワクする惹句はないよ。正直期待は上回らなかったが 良かった。「そばに居させて」よりも「そば>>続きを読む

ウンギョ 青い蜜(2012年製作の映画)

3.9

国民的な老詩人は 弟子と二人で大きな家に住む。ある日家に帰ると一人の女子高生が庭の椅子に座り眠っている。詩人はその光景のあまりの美しさに身も心も奪われてしまう…。美醜がテーマの作品。しかし全て醜い。老>>続きを読む

家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.3

たまらんなぁ。ブラックな会社で新しい仕事を始めた男。家族を想えばこその仕事が家族をじわじわと蝕む…。チャンスは何度もあった。皆ギリギリだよなぁ 必死だよ。木琴の音色が何とも腹立つ。ラストも良い。大好き>>続きを読む

インサイド・ディープ・スロート(2004年製作の映画)

3.5

伝説の映画『ディープスロート』に関わる人々や時代を撮った記録映画。喉の奥に陰核があるという設定は堪らない。その時代の性の解放には明確な思想と背景があった。ただの快楽主義でも性の放縦でも 性への依存とも>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.3

デルトロちゃんの最高傑作。耳は聞こえるが声帯に障害を持った女性が主人公。彼女は完璧とも言える規則的な生活の中でそれなりに幸せに暮らしていた。そんな彼女の生活をある“生き物”が波乱へ導く…。相変わらず気>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.3

悲しくも美しいボーイズラブストーリー。時代は進み やっと“同性愛”というジャンルも“愛”というジャンルとして捉えられつつある。両親と暮らす美男子の元に泊まり込みでアメリカから青年がくる。楽園のような街>>続きを読む

マイ・インターン(2015年製作の映画)

3.7

リタイアした人にも生き甲斐をと 高齢者のインターンをとる会社のお話。最初は「高齢者のインターンって(苦笑 )」みたいな感じだったが その真摯さに次第に心が開かれる…。皆それぞれの人生があって 多忙で、>>続きを読む

ハッピーエンド(2017年製作の映画)

4.2

久々に“好きなハネケ”を見た。現代の精神は表に放出することを早くにやめ、内部に鬱積させる段階を経て裏に放出する術を知った。今や鬱積させる段階を飛び越し 感じ得るもの全てを直接裏側に放出する。日常におい>>続きを読む

ファニーとアレクサンデル(1982年製作の映画)

4.5

大名作。ベルイマンの映画は無学な私を何時も宗教的な気分にさせてくれる。これこそが芸術の力だ!これだから映画はやめられない!生と死を。愛と憎しみを。病と老いを。そして誕生を。「ほんとの神様はぼくなんか怒>>続きを読む

ボクサー(1977年製作の映画)

4.1

寺山修司の映画は台詞の無いシーンにこそ より詩的な台詞が存在する。ボクシングだって戦いの中に言葉は無く その殴り合う光景に、映画にも負けない熱く壮絶な物語がある。玩具箱のような食堂。海岸に立つテレフォ>>続きを読む

ドグラ・マグラ(1988年製作の映画)

3.9

「胎児よ 胎児よ 何故踊る 母親の心がわかって おそろしいのか」。美しい嫁を合意のもとで絞殺し その身体の腐乱しゆく様を絵巻物に記録した中国の呉青秀という画家の血を継ぐ青年が主人公。ホラー>>続きを読む

きっと ここが帰る場所(2011年製作の映画)

3.7

元大物ロックミュージシャンが30年会っていない父の危篤をキッカケに 父の“想い”と共に一人旅をする映画。また彼の自己陶酔的な音楽は狂信的な若者を自殺させてしまった過去もある…。ショーンペンさすが。バケ>>続きを読む

イグジステンズ(1999年製作の映画)

3.8

久々に観るならクロネだろうと鑑賞。尾てい骨の上方部分の椎骨に開けたアヌスの如き穴に ねっとりウニョウニョのプラグを突っ込むと 仮想世界に入り込むというゲームが舞台の作品。他作品に比べると“大人の魅力”>>続きを読む

イメージの本(2018年製作の映画)

4.0

ゴダールの走馬灯。肉体的死者の撮った映画か。葬儀の後に読んだ遺書のような作品。ゴダールはいつだって時代を切り拓く若者に寄り添う。精神的な革命を。嘆きか 期待か。極私的芸術映画。イメージの本。幸せな消化>>続きを読む

風が吹くまま(1999年製作の映画)

4.1

変わった葬儀を撮影する為 ある村へTVスタッフが泊り込みで訪れる。死期が迫った一人の老婆を目当てに来たが中々死なず むしろ少しずつ元気になってくる…。ドキュメンタリーのような空気感。人間って生きる上で>>続きを読む

平成ジレンマ(2010年製作の映画)

4.3

悪名高き戸塚ヨットの現在を映すドキュメンタリー。幾らでも批判はできるが それでは進歩がない。どこにも受け入れられない若者達を受ける最後の砦と言う戸塚校長。当時の映像は凄まじいもので狂ってるが 現在の>>続きを読む

死刑弁護人(2012年製作の映画)

4.0

多くの死刑囚を弁護する安田という弁護士が主人公。そのメンツはそうそうたるもので、弁護する安田を悪魔 鬼畜と呼ぶ声も。しかしこのドキュメンタリーを観続ける中で安田の想い、そして警察やマスコミの悪癖なども>>続きを読む

ホームレス理事長 退学球児再生計画(2013年製作の映画)

4.3

強豪高校などの野球部中退者を救済する全寮制の非営利野球チームの理事長が主人公。自分の情熱とは裏腹に 方法が分からず ひたすら金策に走る理事長。ガス水道電気の止まった真っ暗な部屋で熱く語る自身の理念。こ>>続きを読む

青空どろぼう(2010年製作の映画)

4.0

公害である四日市喘息の歴史を映したドキュメンタリー。公害認定以前は 市の発展のためには多少の犠牲は必要であると言い、今となっては当時を知らないから分からないと言う。四日市喘息をテーマに人間の本質的な>>続きを読む

盲獣(1969年製作の映画)

4.1

芸術家のモデルをやる女性が 盲目の男性に誘拐され…。序盤はサイコスリラー。アーティスティックな映画である事を想像して観たが 様々な要素があり、終盤には尽きる事なき快楽を 理性を介せず受け入れた末の理解>>続きを読む

モル(2000年製作の映画)

4.3

生理の日に必ず飛び降り自殺者と目が合ってしまう女の話。序盤は…しかし徐々に映画に成る。この映画を観てタナダユキという女性を好きにならない男性はいるのかしら。全作品にも一貫してる “人と人との大切すぎる>>続きを読む

誘う女(1995年製作の映画)

4.0

テレビに出る事に人生を賭けた女の喜劇。パルマの映画を想起する演出と安さ。N.キッドマンがエロいのなんの。ふとした脚組みに『氷の微笑』を想起。あのメンヘラな目が良い。最近の米倉涼子の目に似てる。奇しくも>>続きを読む

ウェディング・ベルを鳴らせ!(2007年製作の映画)

4.2

農家に祖父と暮らす少年。そんな少年の未来を案じて祖父は 街へ出て嫁を連れて帰ってこいと少年を送り出す…。クストリッツァの一徹な楽観精神を心から愛します。破茶滅茶映画ランキングのトップ5を殆ど占めてしま>>続きを読む

桜桃の味(1997年製作の映画)

4.7

こりゃパルムドールは当たり前だ。男は “ある仕事” を任せられる信頼に値する人物を車で探して回る…。これは生きる希望になる映画。いや「生きたい」と思える映画だ!考えれば考えるほど台詞の一つ一つが果てし>>続きを読む

KIDS/キッズ(1995年製作の映画)

3.0

溢れ出す名付けようのない衝動に全身全霊を捧げる若者たちの虚しさ爆発の物語。この監督の他作品『ケン パーク』も この脚本家の他作品『ガンモ』もあまり好きではなかったが、今作はその源泉的な雰囲気をもった作>>続きを読む

耳をすませば(1995年製作の映画)

4.0

読書家の女の子が主人公。学校の図書館で沢山の本を借りてきては直ぐに読み切ってしまう。そんなある日、本の巻尾に付いている貸出カードに “天沢聖司” の名前を見つける。それも自分が読もうとした本のカードに>>続きを読む

パーソナル・ショッパー(2016年製作の映画)

3.9

大物女優のパーソナル・ショッパー(買い物係)の女が主人公。その女は霊媒師でもあって…。だいぶ序盤から「そんな話?」となったが、主役のK.スチュワートがセクシー過ぎて魅入る。もう ずっとスマホかパソコン>>続きを読む

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

3.5

芸術家の女のもとに小説家の元夫から当彼女に捧ぐ物語が送られてくる…。近頃の現代美術はインパクト勝負なのか、愛がない。しかし芸術のエッセンスは別に愛ではない。時代によって鑑賞者の価値観も変化するのに一定>>続きを読む

オン・ザ・ミルキー・ロード(2016年製作の映画)

4.5

エミールクストリッツァ最新作。…最高。戦争の対義語はミルクだ!宗教をもつ監督はいつまでたっても色褪せない…それどころかどこまでも美しくなる。キリスト教は本当にロマンチック。キリスト教がここまで広まった>>続きを読む

メアリーの総て(2017年製作の映画)

4.0

生まれたばかりのアップリンクで鑑賞。『フランケンシュタイン』の原作者の実話。女性が人生を強く生き抜こうとする映画はどれも本当に輝いてる。苦悩だらけの人生。その中にほんの少しだけ垣間見える光。愛。困難ば>>続きを読む

故郷の詩(2012年製作の映画)

3.8

当時のぴあフィルムフェスで観た。懐かしい…。青春ゆえのエネルギーの乱発。ここまで身体張って映画撮れるならこの監督は何でもできるだろうなと思った作品。本当に馬鹿みたいな量の焼酎を飲んで 本当にオエオエ>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

4.6

ジム・ジャームッシュという映画監督を知らない方は『ダウンバイロー』→『ナイトオンザプラネット』→『パターソン』の順に3つ観るといい。すると必ず他作品にも興味が湧き、それに触れた瞬間に、ジムジャームッシ>>続きを読む

ゆれる人魚(2015年製作の映画)

4.0

心が締め付けられる〜。人魚の少女2人(匹?)は面白半分で陸にあがり人間たちと関わるが…。海から陸へなのだが 田舎から都会へ出てきた若者のような 虚しさや儚さが描かれる。我々は明るい言葉で 楽しい言葉>>続きを読む

悪女/AKUJO(2017年製作の映画)

3.9

父の敵討ちのために動く 殺戮の英才教育を受けた女が主人公。果たして黒幕は…。韓国映画は本当に憎しみの創り方が上手い。観てるこちら側も一緒に復讐したくなる笑。こういう映画を観ると“映画の変遷”に加えて“>>続きを読む

スモーク(1995年製作の映画)

4.4

なんだこの寛容で優しすぎる映画は!大名作。役者の一人一人が超一流だからこそ成し得た名作。素晴らしすぎる沈黙の演技。現代では嫌悪される “タバコ” を軸に回転する素敵な素敵な渋すぎヒューマンドラマ。なん>>続きを読む

神様メール(2015年製作の映画)

3.9

同監督作品『トト・ザ・ヒーロー』が大好きで今作を鑑賞。女の子が主人公。「神は私の父、神の子は私の兄…。」そんな女の子が “神のパソコン” から人類にとんでもないメールを一斉送信する。面白いし、宗教をユ>>続きを読む