はならびさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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珍しい花の歌(1959年製作の映画)

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「監督の意に反して検閲によってナレーションがつけられたので字幕は出しません」と言うのが、そういうことがあるんだと二重の意味で驚いた

水彩画(1958年製作の映画)

4.1

ストーリーも撮影も素朴な作品だけどその素朴さが胸を打つ
あり方が描かれるわけではなく、描かれた風景によってあり方が変わる イイハナシダナー

キャバレー(1972年製作の映画)

4.8

歌と踊りの場面が華やかで強烈におもしろかった反面、キャバレーの熱狂とナチスの台頭が混じりあって入れ替わっていくさまがおそろしかった あと「このままでは自分の人生が陳腐になる」と悟る瞬間の粗雑に見えさえ>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

4.6

窪田正孝ってどうしてこんなか細い声と弱々しい姿が異様に合うんだ 窪田正孝の背景が明らかになっていくとともに、妻夫木聡が晒される悪意が積み重ねって同一化していく過程が面白かった
剥がせない属性、名前、血
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.2

最後まで何も語られないままでいいと思えるほどただ静かに染み渡っていく映画だった 彼女のネイルはなぜいつも青いのか、どんな気持ちで爪を塗り続けているのか、わかるようでわからないそういった意思に想像の網を>>続きを読む

四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

4.3

四畳半神話大系が一切の空気を損なうことなく現代に蘇っているということに嬉しさと喜びと感動の気持ちでいっぱいになった 四畳半よ永遠なれ、いつ見ても色褪せない作品に…

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

特典本とパンフレットに見て感じた監督の意図が大体描かれてた このテーマを描くことの反響を自分の名前で受け止める覚悟のある新海監督すごいと思う どんな反響が起きるかなんて前二作で明らかだから そして折り>>続きを読む

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.8

永野芽郁?(好きだけど)しかもTOHOシネマズ?と意外な印象あったけど、原作好きで読み返して行ったからか冒頭からもう再現された雰囲気に涙出てしまった

原作が好きだから映画の良さをはっきり感じる箇所は
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さかなのこ(2022年製作の映画)

4.2

静かな青白い朝から始まった映画とは思えないほど奇妙に愉快で面白く、好きを諦めないことを押し付けがましくないリアリティで描く様子がとてもよかった 素肌にアミアミトップス着せられる岡山天音さんがナンバーワ>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.0

映像美に子供の世界との邂逅、美化されすぎない家庭がほどよかった 主人公の職業がインタビュアーで随所に子供のインタビュー音声が出てくるのもまた作品を深めている気がする
感情爆発させる子供ってだけで高評価
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パリ13区(2021年製作の映画)

3.6

街や歩く人を流れるように映す白黒映像にカッケー音楽めちゃよかった 白人と黒人の裸体の交わりをモノクロで撮ると美しさがすごい エミリーもカミーユもノラも洒落ていて素敵だけど、人としての欠点もあって、キャ>>続きを読む

アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台(2020年製作の映画)

4.4

観終わった後しばらくしてから何だかすごいものを見た!という実感が増してくる 物語として、だけであればここまで思うこともなかったと思うけれど、実話ベースだということがとてつもない魔力を持ってくる

それ
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.4

見終わってからタイトルの意味を考えて、結局そんな最悪な人間だったと客観的に思えなかったし、本人もある一点の時以外そんな風に思ってなさそうな感じがして、うまく噛み砕けなかったけれど、フォロワーさんとやり>>続きを読む

ポゼッサー(2020年製作の映画)

2.8

憑依する時の身体感覚を映像で視覚的に現そうとしてたのは面白かったけど、メインと思われる人格の奪い合いがあまり盛り上がらなかった気がする
自分の身体じゃなくても自殺を試みることに抵抗感を抱いてしまう、っ
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.0

な…なんだこれは… 自分の好きなことと好きな要素を好きなように混ぜたような… ある種の熱を感じられるけどとっ散らかりすぎて度々色々な設定忘れがち 母乳の色最初白かったのにそのあとずっと黒くなかった??>>続きを読む

乳母(1999年製作の映画)

4.5

突然の嵐にシーツを取り込んで鎧戸を閉めに走る召使いの少女たちがめちゃくちゃ美しかった 眩しい!!この光景を見ることができただけで満足 しかし映画全体としてもとても面白かった
産後うつ・育児ノイローゼと
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劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [後編] 僕は君を愛してる(2022年製作の映画)

4.6

新規OP映像だけで涙腺爆刺激されてヤバかった!!新パート自体は思ったより少なかったけど、テーマやコンセプト的なところ原作から変わってない(なんなら実写パートでより意味合いが増した?)気がして安心感すご>>続きを読む

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

3.8

父性の煮凝りのような犯罪者に出会ったことで良くも悪くも人生が変わる女性 楽な方へ楽な方へ流されていくだけだったワンダの変わるきっかけに確かになったけれど、それがいいことだったとも思えない 当のデニスも>>続きを読む

呪詛(2022年製作の映画)

3.5

ホラー映画の怖がらせる手法ってこんなんだっけ…?音を立てるとか物を壊すとか虫がいる、が中心で霊的なものはそんな出てこない(神仏だから?)
洒落怖、ネット怪談(梨さんの記事とか)が好きだった人にはそこま
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.2

かなり都合良く描かれていたけれど、チーム長とパートナーの関係が理解のある彼としてではなく2人の歴史があったんだろうなと感じさせられる絶妙さで車内のシーンの間がよかった あとカン・ドンウォンとイ・ジウン>>続きを読む

フリークス(怪物團/神の子ら)(1932年製作の映画)

4.0

見世物小屋で働く人々の社会はお互いの過不足を補ったり尊重(特別視しないと言ったほうがいいのか)したり穏やかに見えるのに、"綺麗で大きな人"とは明確に線が引かれていて、輪を乱さない限りは見世物小屋内の社>>続きを読む

犬王(2021年製作の映画)

3.5

映像でしかできないことと、映像では伝わりにくいところの難しさがあって、途中間伸びした印象も受けたけれど、ラストの仕組みがわたしはとても好きだった 
アヴちゃんありき感が強くてアニメーションにあまり集中
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アンナの出会い(1978年製作の映画)

3.9

会話と一方的な吐露の差に気持ち悪くなる 語るってこんな暴力的だったのか
内側に入れた人間関係の人たちとも心が通わず、世界から弾き出されてしまったようなラストの虚しさ(取るに足らないであろう人たちからの
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セリーヌとジュリーは舟でゆく(1974年製作の映画)

4.5

スタイル抜群の女二人と色彩豊かな小物や衣装が目に楽しいけど、筋のよくわからない映像がゆるゆると続いていき最初2時間ぐらいは本当にキツかった 何度時計見ても時間が進んでなくて逆に魔術的

やりたいことが
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私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

3.7

一人で室内、男とドライブ、女と室内、それだけ 物語らしい物語がないので、脚本や演技指導がどうなってるか気になった トラック運転士の男の長い台詞と身振りの付け方がすごくそれっぽくて、どういう注文つけると>>続きを読む

劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [前編] 君の列車は生存戦略(2022年製作の映画)

3.8

結構普通に総集編だったけれど、ほぼ10年ぶりに見ると言うこともあって普通にガッツリ楽しめた 新規カットのところが割と実写(コロナ対策の看板…!?)で、その効果がイマイチ読めなかった 現実との繋がりなの>>続きを読む

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

3.6

そのキャラクターの性格や性質をそのまま具現化したようなキャスティング、メイクだって感じたのが強く印象に残った 器の小ささが目立つ役には小柄な人を、気持ち悪さが強調される人には小汚さを

森田剛の不気味
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ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

4.0

画面が終始暗っぽくて見づらいな〜と思っていたがその分終盤の明るさが印象的に残った(のか?) 魔法界の選挙やこれまでの舞台ではなかったベルリンの様子など"魔法界の生活!"を感じるシーンが多くて楽しかった>>続きを読む

国葬(2019年製作の映画)

4.4

あの広い旧ソビエトの国国でスターリンの死が与える異様な厳粛さ 新聞を買い漁り国営放送を村民全員で聞き弔いの行進をする、どういった感情が込められているのかわからない人々に戸惑い、それでも葬儀の盛大さにス>>続きを読む

粛清裁判(2018年製作の映画)

3.3

時々挟まる熱狂に、この冤罪の末路がとんでもないところへ行き着いてしまうという予感がどんどん増していった 私たちが国家転覆を企てる悪であり反省している旨を告白させられるエンジニアの心情を思うとまた恐ろし>>続きを読む

ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

4.0

愛が失われる瞬間と、傷つけられなかった愛たち、色々な愛の形が描かれていて、それを探偵として見届けるポアロの存在感が良かった なによりとあるカップルが直接的にはだれからも傷つけられていないことがとても嬉>>続きを読む

テオレマ 4Kスキャン版(1968年製作の映画)

4.3

奇抜なことをやってるのに単調で、記号のような人物や人物の動きにうとうとしてしまった だけどそうやってたどり着いたラストシーンがあまりにも感情の爆発と洪水で どうして起きていなかったのか!と後悔 何がジ>>続きを読む

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.6

池松壮亮めちゃくちゃかっこよすぎる絶対好きになる 喋り方、声の出し方、姿勢、スタイル、暮らしぶり池松壮亮を好きになるための115分だった
普段静かで穏やかそうな人が(そうじゃなくてもだけど)恋人の前で
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ザ・ファブル 殺さない殺し屋(2021年製作の映画)

4.2

整形を繰り返して若い見た目を維持する設定の安藤政信たまらんかった(しかも面倒見がいい!) 平手友梨奈は咆哮させたくなるし山本美月は不憫な目に合わせたくなる星の元にいるのか
ヤクザ抗争感溢れる前作も好
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さがす(2022年製作の映画)

4.3

殺人犯を見たと言って失踪する父を探す娘、と聞いて前半はその通りで面白かった ミスリードを狙った演出や回想の入り方にぎこちなさを感じて、最後に辿り着くまでには同じテンションは維持できなかった 走るシーン>>続きを読む